「自由進度学習」のさらなる挑戦「複数教科同時進行」「低学年への導入」へ

【小学校教育2.0】廿日市市立宮園小学校の挑戦#3「自由進度学習のさらなる進化」

学ぶ内容も子どもが決める「個人探究学習」へ

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2年間の実践を経て、宮園小学校の2022年度はどんな取り組みを行っていくのでしょうか。

「今年度は、子どもたちが選択できる範囲をさらに広げて行く方向で、準備を進めています。自由進度学習も引き続き取り入れていきますが、総合的な学習の時間に、新たに『個人探究』の時間を取り入れようと現在計画中です。

25時間ほどを使って、一人ひとりが興味を持ったこと、やってみたいことをじっくり探究して、発表まで行ってもらう予定です。お題などはなく、テーマ設定は子どもたちに委ねます。子どもたちがそれぞれ自分の好きなことを掘り下げ、お互いに刺激し合う探究学習ができればいいなと考えています」(二野宮先生)

子どもたちが自分で学習内容を決め、それぞれ異なるテーマで行う探究学習は、さらに思い切った取り組みに思えます。

「2年間自由進度学習に取り組んでみたことで、子どもたちの選択肢をどんどん増やして、自己決定の場面を広げていこう、という方向性が、教師の間で共通認識になりつつあります。

2年間の実践で、子どもたちは学年を問わず、意欲的に自由進度学習に取り組めることがわかりました。  写真提供:宮園小学校

子どもが自分で決めるからこそ、もっと知りたい、学びたいという意欲が高まるんですよね。子どもたちの姿を見て、そうはっきりと認識することができました」(二野宮先生)

また、自由進度学習に取り組んだことで、「普段の授業についても捉え方が変わってきた」と二野宮先生は話します。

「準備に時間がかかることもあり、全ての授業を自由進度学習に切り替えるのは、まだまだ難しいのが現状です。でも、「自由進度学習」という方法に捉われなくても、日常の授業のなかで子どもたちが選択できる機会を作り、自己決定する場面を増やしていくことは十分に可能です。

子どもたちがより自立的に学習できるように、できることから少しずつ取り組んでいきたいと考えています」

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子どもたちの「自ら学ぶ力」を信じて、学びの主導権を委ねていく。こうした宮園小学校の取り組みは、私たち親も、大いに学ぶべき点があるように感じます。

子どもの一番近くにいる親こそ、子どもが生まれながら持っている「学ぶ力」を信じて、見守り、サポートすることが必要なのかもしれません。

取材・文 川崎ちづる

※【小学校教育2.0】廿日市市立宮園小学校の挑戦は、全3回。
#1 「自由進度学習」で子どもも先生も劇変!  広島・公立小・驚きの実例公開
#2 話題の「自由進度学習」 判断力と思考力を鍛える「体験的な学び」とは?

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かわさき ちづる

川崎 ちづる

Chizuru Kawasaki
ライター

ライター。東京都内で2人の子育て中(2014年生まれ、2019年生まれ)。環境や地域活性化関連の業務に長く携わり、その後ライターへ転身。経験を活かし、環境教育や各種オルタナティブ関連の記事などを執筆している。WEBコラムの他、環境系企業や教育機関などのPR記事も担当。

ライター。東京都内で2人の子育て中(2014年生まれ、2019年生まれ)。環境や地域活性化関連の業務に長く携わり、その後ライターへ転身。経験を活かし、環境教育や各種オルタナティブ関連の記事などを執筆している。WEBコラムの他、環境系企業や教育機関などのPR記事も担当。