<ママの英語学び直し>第2子出産後「英語音痴ママ」を本気にさせた3つの出来事

子どもの英語教育の前に親こそ英語を学び直し! 子育てしながら英語を学び直しする方法 #1

英語力を高める近道に! 英語勉強の基本は「精読」と「リスニング」

東京で就職をするために英検2級を取ったと神本さんは話しますが、その後の英語勉強のベースにもなった勉強法とはどんなやり方だったのでしょうか。

精読とリスニングです。精読とは、英文に使われている単語や文法、構造に注目して、わからない部分をひとつひとつ調べて、理解しながら読み進める作業のことをいいます。リスニングは英語を聞くことですね」(神本さん)

精読はつまり、学校で学習したような英文読解です。神本さんは、NHKラジオ英会話を利用し、テキスト中のわからない単語と文法を全部調べて、音声を毎日聴くという勉強を積み重ねたといいます。

「私は中高生のころから英語が苦手でしたから、とにかく言葉を徹底的に調べてそのまま覚える作業が欠かせなかったんです。でも1文1文確実に理解することが、結局は英語力を高める近道になりました」(神本さん)

精読をこなしていくことで、英語の理解力は伸びていきます。 写真:アフロ(イメージ)

英語を本気で勉強し始めたのは30歳。タイミングが一気にやってきたから乗っかってみた!

「思い返すと3つの出来事がほとんど同時期に起こって、それが全部、英語の方向を向いていたんです。それに乗っかって、英語を本気で勉強し始めたのが第2子出産後の30歳のときでした」(神本さん)

神本さんが話す3つの出来事とは……

第1子の子育て中に知り合い、子どもをバイリンガルに育てたいという東京外国語大学出身のママと育児英語サークルを作ったこと。
ただし、サークル活動中に子どもを預けられて、子育てから解放されるのが参加の目的だった。活動するにあたり、外語大出身のママから「あなたも勉強しなきゃね!」と当然のように英語学習を勧められた。

数年間のサークル活動中に、外語大出身のママが子どもにコミットして英語を教えている姿を横から見て、親もこの程度の英語力がないとダメだと自覚した。

③ ​​​第2子妊娠中、在宅勤務をしている間に当時の会社が傾き始め、社のほうから資格を取って、もっといい会社に転職しなさいと後押しがあった。

「自分の生活にすでに英語があったので、傾き始めた会社から何か勉強しなさいと言われたときには必然的に英語の勉強になりました。

英語を勉強したおかげで今の職に就けましたし、新しい友だちにも出会えました。また、情報を得るスピードも格段に上がりました」(神本さん)

英語を習得するメリットはさまざまありますが、語学を勉強していると経験豊かな人に出会えるといいます。

特に英語レベルの高い人はバックグラウンドが幅広く、知識が豊富なうえに考え方が柔軟で面白い人が多いそう。自分の内面を高める機会になります。

英語のある生活は子育てにもメリットをもたらす! 長女は小学校高学年で英検準2級に合格

「私の勉強のために家庭で英語の音声を流していましたし、教材を与えてもいましたので、子どもたちが英語に興味を持ったことは大きいですね。

それと、子どもの教育においては何を子どもに与えようか迷うものですが、我が家は英語が軸にあったので第一の選択肢がいつも明確でした」(神本さん)

神本さんの2人のお子さんは英語塾に通ったことはなく、市販の教材を主に使って自宅でママが英語を教えました。ただ、リスニングだけでは発音は良くなるけれど勉強をしなくなるとすぐに英語を忘れてしまうので、文字学習に力を入れたと話します。

年齢が上がると英検Jr.や英検の勉強もサポートし、11歳でカナダに短期留学した長女は帰国後の小学校高学年で英検準2級に合格。子どもの英語学習に関しては親が環境を作ってあげないと伸びないと神本さんはいいます。

ご自身の英語学習とともに、子どもの英語教育にも力を入れていったことで神本家では親子で英語力がアップしていきます。語学を習得したことで生活が広がっていき、神本さん自身は今につながる仕事も得ていきます。


次回は、神本さんが実践した英語勉強法と、英語を習得するために毎日、少しでもやってほしいことなどを紹介します。

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神本亜紀(かんもと あき)
通訳者、翻訳家
大学で心理学を専攻しカウンセラーを志すも、学生時代に夫と出会い、卒業後に結婚・出産。英語は大嫌いだったものの、子育て中に出会った英語教育に熱心なママ友や、勤め先からの勧め、我が子の英語教育を前にして親もある程度の英語力がないとダメだと自覚したことで、2人目の子どもを出産後、30歳から英語を真剣に学び直しし始める。現在は社内通翻訳者として勤務するかたわら、フリーランス通訳者として各種国際イベントなどで活躍。英検1級までは約5年、TOEIC990点(満点)は約13年かけて到達。英語はいまでも毎日、アップデート中。


取材・文/梶原知恵

『子育てしながら英語を学び直しする方法』の連載は、全3回。
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※公開日までリンク無効

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かじわら ちえ

梶原 知恵

KAJIWARA CHIE
企画・編集・ライター

大学で児童文学を学ぶ。出版・広告・WEB制作の総合編集プロダクション、金融経済メディア、外資系IT企業のパートナー会社勤務を経て現在に。そのなかで書籍、雑誌、企業誌、フリーペーパー、Webコンテンツといった、さまざまな媒体を経験する。 現在は育児・教育からエンタメ、医療、料理、冠婚葬祭、金融、ITシステム情報まで、各媒体の企画・編集・執筆をワンストップで手がけている。趣味は観劇。特技は長唄。着付け師でもある。

大学で児童文学を学ぶ。出版・広告・WEB制作の総合編集プロダクション、金融経済メディア、外資系IT企業のパートナー会社勤務を経て現在に。そのなかで書籍、雑誌、企業誌、フリーペーパー、Webコンテンツといった、さまざまな媒体を経験する。 現在は育児・教育からエンタメ、医療、料理、冠婚葬祭、金融、ITシステム情報まで、各媒体の企画・編集・執筆をワンストップで手がけている。趣味は観劇。特技は長唄。着付け師でもある。