熊本発・自由進度学習成功のカギ 子ども同士のコミュニケーションを育てるには?

【小学校教育2.0】熊本市立弓削(ゆげ)小学校・松永先生の挑戦#3 「自由進度学習のポイント」

強制ではなく、子どもたちのコミュニケーションのなかで学び合いが生まれるよう、「ゆるやかな協同性」を育んでいる松永先生。「ゆるやかな協同性」は、違いを尊重し、自分のペースを大切にする姿にもつながっています。

学習する場所も自由。それぞれの気持ちやコンディションを尊重します。  写真提供 松永賢斗氏

「自由進度学習の良いところの一つは、それぞれが自分のペースで進められて、そのペースの違いが保障されている、認められているところです。

自由進度学習をしていたとしても、『あいつは遅い』とバカにしたり、ペースの違いを批判し合ったりする文化であれば、『みんな同じ』を前提とした一斉授業の苦しさと変わらなくなってしまいます。

それぞれの違いを認め合って、尊重することの意義を、子どもたちはコミュニケーションのなかで感じ取り、それが学習の際に助け合う姿勢につながっていると感じます」(松永先生)

「わからない子がいたら一緒に学ぶ」が自然に行われています。  写真提供 松永賢斗氏

子どもたちが互いに協力し合っていきいきと学ぶ姿は、学校のなかでも注目を集めるようになります。校長先生も注目し、授業を公開すると、自由進度学習に取り組みたいという先生が出てきました。

「学びの個別化・協同化」への関心が一気に高まり、他の学年やクラスにも広がると思われましたが……。

第4回は、学校に広がるまでの試行錯誤、子どもの自主性を大切にした学びを広げるためのポイントなどについてうかがいます。

取材・文 川崎ちづる

【小学校教育2.0】熊本市立弓削(ゆげ)小学校・松永賢斗先生の挑戦は、全4回。※公開日までリンク無効

#1 熊本発・子どもの「学びたい」があふれ出す プロジェクト型探究学習の中身とは?
#2 熊本発・探究学習で成績もアップ! 子どもたちに「生きた知識」が身についた理由
#4 熊本発・大人の「待つ姿勢」が子どもを育てる 自由進度学習の広がりがもたらすもの

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かわさき ちづる

川崎 ちづる

Chizuru Kawasaki
ライター

ライター。東京都内で2人の子育て中(2014年生まれ、2019年生まれ)。環境や地域活性化関連の業務に長く携わり、その後ライターへ転身。経験を活かし、環境教育や各種オルタナティブ関連の記事などを執筆している。WEBコラムの他、環境系企業や教育機関などのPR記事も担当。

ライター。東京都内で2人の子育て中(2014年生まれ、2019年生まれ)。環境や地域活性化関連の業務に長く携わり、その後ライターへ転身。経験を活かし、環境教育や各種オルタナティブ関連の記事などを執筆している。WEBコラムの他、環境系企業や教育機関などのPR記事も担当。