30歳から英語を習得したママが教える 大人の学び直し「やっていいこと」「ダメなこと」
英語力アップのコツは○○の勉強法と同じ! 子育てしながら英語を学び直しする方法 #2
2023.11.02
時間がなくても大丈夫! 英語のリスニング“ながら勉強”は家事とセットにするのがコツ
「子育て中は、子どもに合わせてスケジュールが変わっていきます。だから、朝からこれをやってあれをやってと綿密に予定を立てていても、思いどおりにいくことはほとんどありません。
だからこそ、英語のリスニングは家事とセットでこなしていくのがおすすめです。たとえば、お茶碗を洗いながら前もって精読した教材を聞くという具合です。
食器洗いはその場から動くことがないのでほかの家事よりも深く勉強ができます。レシピスタンドなどにテキストを立てて、あるいはiPadを置いて英文をチラチラ確認しながら聞くことが可能です。
文章を見ながら音声に自分の声を重ねて読む、『オーバーラッピング』もできます」(神本さん)
英語の勉強では、「多聴」といってたくさん英語の音声を聞くこともステップにあります。洗濯物を干すとき、掃除をしているときなど、何度も同じ音源を繰り返し聴くことが英語力アップになります。
英語の学び直しでやってはダメなこと
ここまでは英語学習のコツを神本さんは語ってくれましたが、逆にやってはダメなことにはどんなものがあるでしょうか。
「ズバリ、いきなり大きなお金を使わないことです。シリーズ化されている高い教材や専属のコンサルタントがつくようなコーチングもいいのですが、まずは見送っていいと思います。
教材も教室も、向き不向きがあります。自分の勉強のやり方やクセを把握するために、ネットや書店で購入できる教材くらいから始めるのがおすすめです。
学習を始めてみると、勉強の方法は変わってくるものです」(神本さん)
自分の英語学習以外に、2人のお子さんの英語学習を市販の教材を使って自宅で行っていた神本さんですが、教材のいくつかはリサイクルショップで購入しています。
神本さんが学び直しをし始めたときよりも今は勉強するのに恵まれた環境だといい、現在はさまざまな種類の教材やシステム、無料や安価で手に入る手段もあります。
意気込みがあることはいいことですが、学習スタイルを見極めてからいろいろ揃えても遅くはありません。
「私って悪いママ?」英語を勉強していて、家族に対して罪悪感を感じたことは?
勉強をすると少なからず、家族を犠牲にするタイミングがあるはずです。神本さんは負い目を感じたことはなかったのでしょうか。
「子どもが私のところに来たときは、すべての作業を止めて子どもの相手をしたので、勉強に後ろめたい気持ちになることはありませんでした。
私の育った境遇を少しお話しすると、私の母はかつて教師をしていて、仕事も勉強もオシャレも好きなことを諦めなかった人です。そんな母ですが、私がそばに行ったときはちゃんと反応してくれたので、寂しいと思ったことはありません。
その母からは自分の好きは好きなままでよく、『子どもに合わせて自分の生活を変えてはいけない』し、『逆に親に合わせて子どもを連れ回してもいけない』とも教えられて育ちました。
母が勉強している姿を見て、私たち兄妹がテレビを見るのをやめたように、我が家は私の姿を見て、2人の子どもたちは英語に興味を持ってくれたと思っています」(神本さん)
神本さんは夫に「英語が仕事を得る武器になる」と話すほかに、「勉強した分は将来、稼ぐから!」と冗談も交えて伝えていたそう。これに対して旦那さんは理解を示し、サポートしてくれたといいます。
神本さんのようにママが一生懸命勉強する姿は、家族全体にいい影響を与えます。特に子どもは、目の前で母親が勉強に打ち込んでいる姿を見て、それを見習おうとする意識が自然と育っていくでしょう。
次回は、我が子の英語力を自分で少しでも育てたい、あるいは英語を使った仕事をしたい方のために、神本さんが本気で英語学習に取り組んでいた時期の勉強量や、おすすめの教材などを紹介します。
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神本亜紀(かんもと あき)
通訳者、翻訳家
大学で心理学を専攻しカウンセラーを志すも、学生時代に夫と出会い、卒業後に結婚・出産。英語は大嫌いだったものの、子育て中に出会った英語教育に熱心なママ友や、勤め先からの勧め、我が子の英語教育を前にして親もある程度の英語力がないとダメだと自覚したことで、2人目の子どもを出産後、30歳から英語を真剣に学び直しし始める。現在は社内通翻訳者として勤務するかたわら、フリーランス通訳者として各種国際イベントなどで活躍。英検1級までは約5年、TOEIC990点(満点)は約13年かけて到達。英語はいまでも毎日、アップデート中。
取材・文/梶原知恵
『子育てしながら英語を学び直しする方法』の連載は、全3回。
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第3回を読む。
※公開日までリンク無効
梶原 知恵
大学で児童文学を学ぶ。出版・広告・WEB制作の総合編集プロダクション、金融経済メディア、外資系IT企業のパートナー会社勤務を経て現在に。そのなかで書籍、雑誌、企業誌、フリーペーパー、Webコンテンツといった、さまざまな媒体を経験する。 現在は育児・教育からエンタメ、医療、料理、冠婚葬祭、金融、ITシステム情報まで、各媒体の企画・編集・執筆をワンストップで手がけている。趣味は観劇。特技は長唄。着付け師でもある。
大学で児童文学を学ぶ。出版・広告・WEB制作の総合編集プロダクション、金融経済メディア、外資系IT企業のパートナー会社勤務を経て現在に。そのなかで書籍、雑誌、企業誌、フリーペーパー、Webコンテンツといった、さまざまな媒体を経験する。 現在は育児・教育からエンタメ、医療、料理、冠婚葬祭、金融、ITシステム情報まで、各媒体の企画・編集・執筆をワンストップで手がけている。趣味は観劇。特技は長唄。着付け師でもある。