【親の残念な口癖】が子どもの自己肯定感に悪影響 「我が子が友だちとケンカした」親がとるべき正解の対応〔教育評論家〕が伝授

子どもをダメにする親の口癖 #2

教育評論家:親野 智可等

親はみんな「比べる病」にかかっている!

子どもが生まれたときから、親は歩きはじめが遅い/早い、言葉を話すのが遅い/早いといったように、ほかの子どもや平均値と我が子を比べがちです。

また、親御さんの中には、自身の親から「お姉ちゃんはできたのに」「お友だちは挨拶できるのに、○○ちゃん(くん)はできないのかなぁ」と、ほかの人と比べられて苦しい思いをした方はいないでしょうか。

「親は誰でも子どもの育ちを応援しているものですが、どうしてもほかと比べて安堵や心配をしてしまいます。

また、良かれと思ってほかを引き合いに出して𠮟咤激励することがありますが、これは子どもに苦痛を与えることにしかなりません。ですから、誰かと比べて子どもを𠮟る、あるいはやる気を引き出そうとすることはやめましょう。

子どもは、きょうだいでも友だちでも、比べられた相手に対して『なんだよ、あいつのせいで』と悪い感情も抱いてしまいます。

さらに、ほかの子どもと同じようにできなければ自分は親から愛されないんだ、と親の愛情には条件があるのだと受け取ってしまいます。

子育てにおいて、親の愛情は無条件だと伝える必要がありますから、そういった意味でも比べる表現はしないようにしましょう」(親野先生)

「比べて褒める」も大間違い

比べて𠮟る、あるいは比べてやる気を引き出すのと同様に、比べて褒めることもNGだと親野先生はいいます。

「『お兄ちゃんより、○○ちゃん(くん)のほうがしっかりしているね』『お友だちよりも、○○ちゃん(くん)のほうができるね』と、誰かと比べて褒めるのは問題ないと思っている親御さんもいますが、これも間違いです。

褒められた子どもは一瞬、うれしがりますが、結局のところ親の愛情には条件があることを植え付けてしまいます。

また、親が誰かと比べて褒めることを続けていると、子どもも比べる意識を強く持つようになり、優越感でしか自分を見られなくなります。

失敗したり、他者に追い越されたりすると、必要以上に劣等感を持つようにもなるので、いずれにしても比べる子育てはやめましょう。

比べるなら他人ではなく、その子の過去と比べてください。我が子の成長の中で褒めてあげると、子ども自身も自分の成長に気づき、自信をつけていきます」(親野先生)

親が心がけたい言い換えフレーズ

「お兄ちゃんより、○○ちゃん(くん)のほうがしっかりしているね」
「2年生になって、いろいろなことができるようになってきたね」

「お友だちよりも、○○ちゃん(くん)のほうができるね」
「去年よりも、ずっと上手になったね」

「今日、先生に𠮟られちゃった」こんなとき、どう対応する?
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