「もっと肩の力を抜いてもいい」日韓の子育て事情を知るMina Furuyaさんが共感した韓国の先輩ママの言葉

がんばるお母さんに読んでほしい、一杯のコーヒーのような一冊『完ぺきなお母さんなんていないよね』翻訳:Mina Furuyaさんインタビュー【後編】

子育てからくる焦りを救ってくれた「お先にどうぞ」

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Mina 教室に入ると、親は、子どもたちが習っている後ろで見守っているのですが、ほかの子がマルをもらっているのに、うちの子だけもらえなくて。「どうしてうちの子はできないんだろう」とすごく焦りました。そして、同じ年ごろの子が真面目な顔でがんばっている隣で、ただ無邪気にはしゃいでいる我が子を見ると、「どうして真剣にやらないんだろう」と、もやもやしたり……。その気持ちがそのまま、文章になっていたんです。

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隣の子が、我が子よりも遅く始めたはずなのに
英語のテキストをスラスラと読めることに
動揺していませんか?
また、文字を覚えるのも我が子より遅かったのに、
あの子が作文で賞をもらうと
悔しい気持ちになっていませんか?
その子と我が子がたどり着く最終目的地はそれぞれ違います。
子供たちはお互い競争しているようにも見えますが
夢も違うし、叶える方法も、
叶える時期や歳も違うのです。
瞬間に起きる競争心に振り回されると、
「大事故」につながってしまいます。

(『完ぺきなお母さんなんていないよね』 イ・ジヨン/著 Mina Furuya/訳 PIE Internationalより、「先に行きたければ、お先にどうぞ」の一部引用)
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「自分も子育てをしていて、その時々に頭に浮かぶ言葉があります。その韓国語の表現に共感して、翻訳を引き受けました」と語るMinaさん 撮影:講談社写真映像部

──受験に限らず、学校やほかの習い事などで親が感じる、モヤモヤした気持ちそのものです。

Mina 「自分だって、同じようにがんばってきたのに…」と思うから気になってずっとモヤモヤするけれど、結局、いつかはみんな自分の道を行く。だから今の結果を気にせず、自分の子どものペースに合わせてがんばってという書き口が、胸にストンと落ちたようですごくよかった。

やっぱり子育ての真っ最中は親も集中していて、周りが見えなくなってしまいます。この本に書かれていることは、すでにその道を通った先輩からの経験談のようで、読んでいてホッとした気持ちになれました。原文の言葉も柔らかくて、「完ぺきではなくてもいいんだよ」というメッセージがにはすごく励まされました。

この本には、これをすればOKみたいな正解は書かれていません。「もっとこうすればよかった」「本当はこうしたかった」という思いが詰まっていて、翻訳しながら、「私はこうしたけれど、あなたはどうしたいの?」と語りかけられている気持ちにもなります。

──最後にもう一つ、共感した言葉を教えてください。

Mina 「騙されたと思った」という言葉です。親なら、無意識で子どもにしてしまっていることかもしれないので、ドキッとしましたね。

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