
相手の気持ちがわかる! 小・中学生がハマる性別・身分「入れ替わり」本6選
出版ジャーナリスト・飯田一史のこの本おススメ! 第10回 「入れ替わり物語」 (3/4) 1ページ目に戻る
2026.03.07
出版ジャーナリスト:飯田 一史
③『王子とこじき』
次に「身分」の入れ替わり作品です。大金持ちや有名人、権力者の日常がどんなものなのか覗いてみたい、という気持ちも、よくあるものだと思います。
こちらは古くはマーク・トウェインの『王子とこじき』(王子と少年)があります。16世紀イングランドの王子が、貧しい生まれの少年と入れ替わるお話です。
作:マーク・トウェイン/編訳:村岡花子/編著:村岡美枝(学研プラス)
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学校読書調査を見ると日本では1960年代に特によく読まれていました。今でも複数の出版社から刊行されている定番です。
④『おれがあいつであいつがおれで』
映画化された人気作品に、大林宣彦監督の『転校生』の原作になった『おれがあいつであいつがおれで』(著:山中恒)があります。大林版以外にもドラマや映画になっています。映画やドラマ版を観ていた親や祖父母世代と共通の話題にできる作品です。
作:山中恒/絵:杉基イクラ(角川つばさ文庫)
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電子図書館サービスの運営者に話を聞くと『おれがあいつで~』は今でも小中学生によく読まれているそうです。映画の影響などとは関係なく、作品の設定に読者をひきつけるエヴァーグリーンなものがあるということですね。
同作では、女子に入れ替わった主人公が「生理が来る」と聞いて慌てたり、男子から性的なからかいを受けたりと、異性からは見えにくい世界をシリアスになりすぎず描いています。
入れ替わりもののおもしろさは、自分が見たことがない世界を疑似体験できるだけでなく、「自分がいつも見ている世界は、外側の人からはどう見えるのか?」という気づきを与えてくれる点にもあります。
当たり前すぎて意識していなかったことが、違う立場からするとおかしなことだったり、嫌がられていたりするわけです。
よく「相手の立場に立って考えて行動するべき」と言いますが、意外とできないもの。でも、読者自身に近い設定の主人公が「他の人からはこう見られている」と物語を通じて気がつくことで、読者も自分のふるまいや考え方を見直すきっかけになります。
あるいは、「こんな毎日うんざりだ」と思っていた日常の景色が、実はとても恵まれたものだと気づいたり。こういった点も、入れ替わりものの良さではないでしょうか。



















































































