
なぜ子どもは「怖い話」が好きなの? 『学校の怪談』~『おばけずかん』“心の成長を促す”「怪談本」5選
出版ジャーナリスト・飯田一史のこの本おススメ! 第8回 「小学生向けの怖い話」 (2/3) 1ページ目に戻る
2026.01.08
出版ジャーナリスト:飯田 一史
なぜ子どもは「怖い話」を読みたがる? 心を強くする疑似体験の効能
大人はなぜ、子どもよりも怖がることが少ないのでしょうか。
いろいろなことを経験して、もう「知っている」「慣れている」からですよね。子どもも怖い話を疑似体験することで、少しずつこの世界に慣れていく。怖がらずに進める領域を広げていっている。そのようにも捉えられます。
怖い話に触れることが実は心を強くする、不安に打ち勝つ力をつけることにつながっている。そんな考え方もあります。
子どもが怖い話を読んでいると「大丈夫かな」と思う大人もいることでしょう。でも、あまりにも年齢不相応に過激な本でない限りは心配しなくてもいいと私は思っています。
90年代に巻き起こった『学校の怪談』ブーム! 「読者参加」が人気の鍵に
では、子どもの本の「怖い話」の歴史をみていきましょう。
1979年ごろから「口さけ女」などの都市伝説が流行しました。ただ、雑誌やテレビ、口コミの世界を超えて、子どもたちの間で「怖い話」を扱った「書籍」が明確にブームになったのは1990年代初頭からの『学校の怪談』が最初です。
当時『学校の怪談』を冠した本・シリーズは、常光徹氏(講談社KK文庫)の作品と、日本民話の会学校の怪談編集委員会編(ポプラ社)が2大巨頭でした。
著:常光徹/イラスト:楢喜八(講談社KK文庫)
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ポプラ社版は、児童文学者の松谷みよ子さんたちが結成した日本民話の会が、口づてに伝えられる「民話」として学校に関する怪談を集めて本にしていったもの。こちらは学校の用務員さんなど、大人から集めた話も採録しています。
一方、講談社KK文庫版では、民俗学者の常光徹さんを中心に、児童・生徒を語り部として聞き取る、あるいは児童・生徒からの投稿を募ってまとめるというコンセプトで展開していきました。
ここが非常に大事なポイントで、『学校の怪談』には、読者が自ら参加できたのです。
「読んだり聞いたりした話や、実体験、人から聞いた話を、雑誌や書籍の編集部に投稿することで、流行りの当事者になれた」。これはすごく楽しいことですよね。
2025年には絵本版の『学校の怪談』が刊行されました。大定番の「トイレの花子さん」と「かくれんぼ」が収録されています。
当時を知っている大人から子どもへ。また、子どもがまわりの友だちに伝えていくという「怖い話」を体験する機会を、まずは絵本から手渡してもらえたらと思います。
著:常光徹/絵:楢喜八(講談社)
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