【A】解説
箱の中身は爆発物ではなく駄菓子の「バクダン」だったのだ。「ポン菓子」とも呼ばれるバクダンはお米が原料。米を圧力鍋のような構造の製造機に入れて加熱すると、もとの米粒の10倍くらいにふくれたサクサクのバクダンができる。できあがりのときに「ドカン!」という大きな爆発音がするのが名前の由来というわけ。砂糖と水を煮詰めたもので甘みをつければ完成だ。
キリさんの父は東京の下町の駄菓子職人。残念ながらお金はあまり貸してもらえなかったので、キリさんは山積みになっていたバクダンを失敬してきたのである。旅の間に世話になる人にあげてもいいし、食料にもなる。マッキーが箱の中身を爆発物だと信じこんでいたからこそ、ふくめん男たち(やつらは想像どおり〈怪力乱神〉のメンバーだった)も身の危険を感じて逃げだした。彼らはまず車を台なしにし、ふたりをさらって組織のボスのもとに連れ帰る計画であった。ここはマッキーの思わぬお手柄というところだろう。
ちなみに段ボール箱の火は、ペットボトルの水であっさり消火できた。
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粟生 こずえ
東京都生まれ。小説家、編集者、ライター。マンガを紹介する書籍の編集多数。児童書ではショートショートから少女小説、伝記まで幅広く手掛ける。おもな著書に『5分でスカッとする結末 日本一周ナゾトキ珍道中<東日本編><西日本編>』(講談社)、「3分間サバイバル」シリーズ(あかね書房)、『かくされた意味に気がつけるか? 3分間ミステリー 真実はそこにある』、「ギリギリチョイス」シリーズ(ともにポプラ社)、「ストロベリーデイズ」シリーズ、『そんなわけで都道府県できちゃいました!図鑑』(ともに主婦の友社)などがある。
東京都生まれ。小説家、編集者、ライター。マンガを紹介する書籍の編集多数。児童書ではショートショートから少女小説、伝記まで幅広く手掛ける。おもな著書に『5分でスカッとする結末 日本一周ナゾトキ珍道中<東日本編><西日本編>』(講談社)、「3分間サバイバル」シリーズ(あかね書房)、『かくされた意味に気がつけるか? 3分間ミステリー 真実はそこにある』、「ギリギリチョイス」シリーズ(ともにポプラ社)、「ストロベリーデイズ」シリーズ、『そんなわけで都道府県できちゃいました!図鑑』(ともに主婦の友社)などがある。