【試し読み連載】5分で読める都道府県ミステリー!「江戸っ子には向かない職業」(東京都)

『日本一周ナゾトキ珍道中』[1]

粟生 こずえ

キリさん

「お待たせ。」

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車が停まり、運転席からキリさんが顔を出す。

マッキー

「やけにデカい車だな、こりゃ。」

キリさん

「いいだろ、これ。親父はあんまり金を貸してくれなかったからさ、知り合いのところに寄ってキャンピングカーを借りてきた。キッチン設備もあるし、ベッドもテーブルもある。これなら移動式事務所兼住居としてバッチリだろ?」

マッキー

「へえ、すごいなぁ。」

マッキーがドアを開けると、助手席から段ボール箱やら着替えを詰めこんだ袋やら、ペットボトルやらがドサドサくずれ落ちてきた。

キリさん

「すまん、急いで放り込んだからさ。後ろにつっこんどいてくれ。」

マッキーは地面に散らばった物を拾い始めた。

服やタオルや日用品は実家から拝借してきたものか。

しかし、粘着テープで封をした段ボール箱がいくつもあるのが気になる。

マッキー

「この箱、軽いけどなんなの?」

マッキーがたずねると、キリさんはいたずらっぽい笑みを浮かべた。

キリさん

「バクダンを仕入れてきた。道中、いろいろと……おみやげが必要だろ?」

マッキー

「バ、バクダン!?」

マッキーは目を白黒させた。キリさんはときどき大胆なことをやらかす。

マッキー

(まあ、異常な犯罪組織を敵に回したんだし、こっちも武器は必要だよな……。)

そのときだった。

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