子どもの「ことばにする力」を伸ばす 現役東大生中心の「読書専門集団」が親子で身につけたい「読書×会話」方法を伝授! 【読書レベル別】推薦4冊も公開!
「AI司書」と全国の司書さんの協働体制「ヨンデミー」が教える「気持ちを伝えることば」のふやしかた
2024.12.27
結論から言うと、「日々の積み重ね」がいちばんのポイントです。
気持ちを言葉にするのは大人にとってもエネルギーが要ることで、一朝一夕には難しいもの。
また、相手がどういう意見なのかを聞き、それに応じてさらに自分の考えを積み上げていくのがコミュニケーションの力です。
国語のドリルなどで集中的に鍛えようとすると、かえって逆効果になる場合もあります。
感想を言うことそのものが「面倒だ」「テストみたい」と感じられてしまい、気持ちを伝えることへの抵抗が生まれたり、一方的に言っておしまいということになりかねません。
大切なのは、日々のちょっとした会話を習慣づけることです。
親との会話であれば、子どもは安心して話せます。
失敗しても大丈夫なやりとりのなかで、新しい言葉を使ってみたり、ゆっくり考えて表現したりすることをくり返すうちに、だんだんと気持ちを言葉にすることに慣れていきます。
「本」を使って、気持ちを楽しく言葉にしよう!
とはいえ、いざ会話をふくらませようとしても……。
「『学校どうだった?』と聞いても『おもしろかった』だけで、それ以上広がらない」
「クラスで流行しているYouTuberやゲームの話題はわからないから、温度差がある」
「結局いつもどおり『ふつう』で終わってしまう……」
こんなお悩みも多いのです。
そこでおすすめなのが、「本」を会話のタネにすることです。
本ならば、親と子どもが一緒に楽しめる共通の話題になります。
子ども向けの本であれば、親もさっと読めるので、ほぼ同じタイミング・熱量で「読んだばかりの内容」について子どもと話すことができます。
ページをめくりながら、「ここ、どんな気持ちだったのかな?」と考えたり、「この場面、わが子はどう思ったのだろう?」と質問を具体的に組み立てたりできるのも、書籍ならではの魅力です。
物語の内容や登場人物のこと、もし自分がお話の主人公だったらどうするだろう……など、
本をきっかけにすれば、話題は無限に広がります。
そして読書は、生きた言葉の使い方に触れるチャンスです。
ただ言葉を暗記するのではなく、適切な文脈で、使われ方とセットで知ることで語彙力が身につきます。
読書を通して知った新しい言葉は、やがて「気持ちを表す引き出し」になり、会話をいっそう豊かにしてくれます。
「読書×会話」のコツは、楽しく・具体的に
「読書×会話」をうまく進めるには、いくつかコツがあります。
コツ①:まずは「楽しく」会話すること
お子さんの言葉を引き出そうと質問攻めにすると、確認テストのような雰囲気になってしまいます。
その結果、楽しかった読書体験がしぼんでしまったり、「本って質問が多くて疲れる」と思われたりするかもしれません。
大事なのは、たとえ思うような感想が引き出せなくても、「へえ、そうなんだ!」「本当だね、そう書いてある!」と相槌を打ちながら、まずは子どもが気軽に話せる雰囲気をつくることです。
子どもの発した言葉・考えをしっかり認めることで、「もっと話してみようかな」と感じるきっかけになります。
コツ②:質問は「具体的」に
「どうだった?」とふわっと聞くと、言葉に慣れていないお子さんはとまどってしまいがちです。
結果として、「ふつう」「おもしろかった」などの短い答えで終わってしまいます。
そんなときは、より答えやすい質問から始めてみてください。
「どっちのキャラクターが好きだった?」
「主人公が泣いたときどう思った?」
こういった質問なら、お子さんもぱっと答えやすく、その後、自然と話を深められます。
親子で読む本が、コミュニケーションを広げるカギに!
本を会話のタネにすれば、気持ちや考えを言葉にする練習を無理なく、楽しく続けられます。
さらに、本を通じて手に入れた言葉は、そのまま「子どもの将来の表現力」につながっていきます。
どの本を選べばよいかわからない方のために、ヨンデミーレベル(YL)ごとに、特におすすめの本を4冊ご紹介します。
YL(ヨンデミーレベル)とは
文章の難しさを表すヨンデミー独自の指標。漢字率、漢語率、一文の長さなど、複数の指標を元に独自のプログラムで解析して算出しています。
たとえばYL30でも小1~小4まで幅があるように、子どもの読書レベルは学年によって一概には決まりません。ヨンデミーではYLを元にその子が一番読みやすい本をおすすめしています。