土偶はいったい何のためのもの?
「……ちがうよ」
「なに?」
ジョモルイがまゆをひそめます。さんまるは、その目を見て言いました。
「確かにドグウちゃんは『祈りの道具』って言われることが多いよ。でも、ドグウちゃんがなんのために作られたのか、本当のことは、だれにもわからないんだよ!」
たくさんの人の努力のおかげで、縄文時代のなぞはどんどん解き明かされています。でも、実際のところまだわからないことも多いのです──特に、土偶については。
「でもね、わからないからこそドグウちゃんにはロマンがあるの。『正解』なんてない! ジョモルイは、ドグウちゃんのことを本当の意味でわかってないよ!」
ジョモルイの目が、すこしだけ見開かれました。
「じゃあ聞こう。キミはドグウちゃんを本気で大事にしてるのかい? そうなら、どうして展示なんかしてる? 本当に大事なら、大切にコレクションしておくべきじゃないのかい?」
その言葉に、さんまるはまっすぐ答えました。
「大切だからこそ、みんなに見てもらいたいんだよ! 知ってもらって、いっしょに大事にしてほしいから展示してるの!」
さんまるの声には、力がこもっていました。4人が住んでいる場所は、世界遺産にもなっている「北海道・北東北の縄文遺跡群」。世界遺産は、世界中のみんなの宝物として未来に引き継いでいくべきもの。
縄文文化は、青森の宝から、世界の宝になったのです。その文化を、ひとりじめなんてしない。守るだけじゃなく、伝えていく。それが、さんまるたちの思いです。
「栗とおんなじだよ! 宝物は、みんなで大切にするから、本物の宝になるんだ!」
その言葉に、ジョモルイは静かに目を閉じて──そして、ほほえみました。
「……ボクの負けだよ」
「え?」
さんまるが聞き返すと、ジョモルイはドグウちゃんを持ったままスッと空に飛び立ちました。
「あーっ、待てー!」
さんまるがぴょんぴょん飛ぶけど、時すでにおそし。ジョモルイの姿は見えなくなっていました。こまっくーが、せっぱつまった声で言います。
「ジョモルイ、きっとまた別の時代にタイムスリップしてドグウちゃんを隠すつもりなんだ。ぼくたちも一度令和に戻って作戦を立てよう!」
「そうだね!」
さんまるのパワーで目の前が光り、トビラが現れました。4人はまた、歩幅をあわせてトビラをくぐります!



























































































