ご当地キャラが大さわぎ! 東北はっけん☆ミステリー【福島編 第1回】

「キビタンと福島の雪うさぎ」五十嵐美怜(いがらしみさと) (2/4) 1ページ目に戻る

作家:五十嵐 美怜

この吾妻小富士には、春になるとうさぎの形をした雪形(ゆきがた)が現れます。雪形とは、雪解けの時期、山に残った雪や山肌が動物や人、文字の形のように見えるもの。

吾妻小富士の雪形は「吾妻の雪うさぎ」、また野菜の種まきをする目安にもなっていたことから、別名「種まきうさぎ」とも呼ばれています。

雪解けの残り方で、うさぎの形に見える「雪うさぎ」。写真:PIXTA

広い空、ゆたかな大地、そして季節ごとに姿を変える自然──それが福島県の宝物。

そんな福島のご当地キャラが「キビタン」です。

キビタンは、県の鳥、キビタキがモデル。福島県の自然をめぐって旅行をするのが大好きです。


雪がとけはじめ、少しずつ春のにおいを感じるころ。キビタンは、福島市にある吾妻小富士へと向かいます。この山には、春先になると会える、とくべつな友だちがいるのです。

ホー、ホケッ……。

ウグイスさんが鳴く練習をしています。

「ウグイスさん、こんにちは!」

キビタンが、木の上のウグイスさんにあいさつをしました。

「こんにちは。キビタン、今年も行くんだね」

ウグイスさんの問いかけに、キビタンはうなずきました。

「もちろん。友だちの雪うさぎさんとは、この季節にしか会えないからね」

「そっかぁ。雪うさぎさん、きっとよろこぶね」

キビタンの“とくべつな友だち”とは、雪形に宿る妖精、「雪うさぎさん」です。冬のあいだは大きな雪のかたまり。それが春の陽ざしで少しずつとけると白い雪のうさぎになる、不思議な妖精です。

キビタンは毎年、春のはじめに妖精の雪うさぎさんにあいさつに行きます。

──けれど今年の春は、いつもより少し早くやってきていました。
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