
「ガザの惨状を前に、書かずにはいられなかった」あさのあつこが三浦しをんに明かす『NO.6』続編の舞台裏
『NO.6 再会#3』刊行記念 スペシャル対談 後編 (2/2) 1ページ目に戻る
2026.05.28
ライター:山口 真央
あさの「厳しい現実を生き抜くためには物語の力が必要」
三浦 「NO.6再会」シリーズ、一足お先に「#3」まで読ませていただきました。紫苑とネズミを懐かしく思うとともに、ハラハラドキドキの展開でしたね。「#3」では「NO.6」の外の世界のこともわかってきて、ますます目が離せません。特にネズミの歌の力で、子どもの心を癒やすシーンが印象的でしたね。歌詞もとてもかっこよかった。
あさの ありがとうございます。じつは私は歌がとても苦手で、カラオケに誘われるのが一番辛いんです(笑)。だから歌える人に対する憧れが強くあります。歌で自分を表現できたら楽しいんだろうなって。
三浦 えーっ、一緒です。他の人の歌を聞くのはいいんですけど、自分が歌うのはちょっと。私も生まれ変わったら、音楽で世界中を旅する人になってみたいと夢見ていました。あさのさんにはネズミの歌の旋律が聞こえているんですか。
あさの 三浦さんも歌が苦手だなんて、それは嬉しいな。いえ、私がわかるのは歌詞だけなんです。
三浦 それは意外でした。まるで本から歌が聞こえてくる感じがします。音だけじゃなく、空気の質感や温度も伝わってくる文章ですよね。あさのさんの頭のなかにどれだけ今後の「NO.6」が構築されているのかが気になります。
あさの 残念ながら先のことはまったくわかっていません。いくつかのシーンが細切れに見えていて、書きながら広がっていく感じなんです。プロットをしっかり立てられたらいいなとは思うんですけれど。
三浦 それは驚きました。でもだからこそ、登場人物がリアルに息づいているのでしょうね。紫苑もネズミもイヌカシもどこか社会に馴染めないけれど、血の通った「人間らしい人間」じゃないですか。彼らが世界に立ち向かう姿を見ていると、心の底から応援したくなります。
あさの 「NO.6」シリーズを書くきっかけとなったのは、9・11の同時多発テロ。敵と味方に二分化された世の中の風潮が、私には理解できませんでした。20年以上たったいま、世界情勢はより緊迫しています。続編をまた書きはじめたのもガザ地区での惨状を目の当たりにしたから。息苦しさから脱却するためには、物語の力が必要だと考えました。
三浦 そうですね。どんどんきな臭くなる世の中で「NO.6再会」シリーズが始動したことは、きっと意味のあることなんだと思います。このあとも紫苑とネズミの旅路をしっかりと見届けます!
あさの ありがとうございます。私もしをんさんの次回作を楽しみにしていますね。今日はしをんさんと久しぶりにお話できて嬉しかったです。ありがとうございました。
三浦 こちらこそ、ありがとうございました!
あさのあつこ
岡山県生まれ、在住。大学在学中より児童文学を書き始め、小学校講師ののち、1991年『ほたる館物語』で作家デビュー。97年『バッテリー』で第35回野間児童文芸賞、2005年『バッテリーⅠ~Ⅵ』で第54回小学館児童出版文化賞を受賞。『NO.6』シリーズは、コミカライズ、アニメ化された。児童文学から時代小説までさまざまなジャンルの作品を執筆し、幅広い世代に親しまれている。
三浦しをん
東京都生まれ。2000年『格闘する者に○』でデビュー。2006年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞、2012年『舟を編む』で本屋大賞、2015年『あの家に暮らす四人の女』で織田作之助賞、『ののはな通信』で2018年に島清恋愛文学賞・2019年に河合隼雄物語賞、2019年『愛なき世界』で日本植物学会賞特別賞を受賞。その他『風が強く吹いている』『光』『墨のゆらめき』『ゆびさきに魔法』など著書多数。『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』などエッセイも人気を博している。
シリーズ累計230万部超え、2人の少年の友情を超えたディストピア小説の傑作
![NO.6[ナンバーシックス]再会#3](https://d34gglw95p9zsk.cloudfront.net/item_books/images/000/436/840/medium/a6729aae-ea21-4ec6-8e44-fe6a9bb9eba3.jpg?1776406891)
![NO.6[ナンバーシックス]再会#1](https://d34gglw95p9zsk.cloudfront.net/item_books/images/000/436/841/medium/a6709280-fd77-4a3f-a3cc-336b6ea81a0e.jpg?1776406892)
![NO.6[ナンバーシックス]再会#2](https://d34gglw95p9zsk.cloudfront.net/item_books/images/000/436/856/medium/113d6d2c-aba7-4b23-ab13-cffaf46e7d3c.jpg?1776408105)
シリーズ累計230万部超え、2人の少年の友情を超えたディストピア小説の傑作
・『NO.6再会#1』発売告知後、即Xでトレンド1位!
・『NO.6再会#1』Amazon1位(SF・ホラー・ファンタジー6月6日調べ)
・『NO.6再会#1』ジュンク堂池袋本店総合1位(2025年6月2日調べ)
・『NO.6再会#1』トーハン週間ベストセラー文芸書2位(2025年6月3日調べ)
崩壊した理想都市の瓦礫から新都市をつくる、真っ直ぐな少年たちの熱い戦いの物語! 過酷な荒野を生き抜くネズミと、新国家の再建に挑む若きリーダー・紫苑。NO.6を狙う陰謀とともに荒野の圧倒的な美しさと、人間の業の恐ろしさが描かれる本作。2人が選択した道とは? 少年たちの友情を超えたディストピア小説の傑作。
●「NO.6」シリーズ読者からの感想
「たくさん本は読んできたけれど、これ以上面白い本に出会ったことがない」
「呼吸を楽にしてくれた本」
「死にたくなったらネズミの言葉を思い出します。逃げずに前へ進め! 現実を見ろ!
どんなに現実が辛くても光を見いだせる人になりたいと思います」
「泣きたくなった夜に読みます。おまえはどうありたいんだ? いつでも自分にできることを問いかけ、動きつづけたいと思います」
●あさのあつこさんからのメッセージ
声を聞きました。ネズミの声です。
「生きる場所も死ぬ場所も自分で決める。あんたじゃなくおれが決める。余計なお節介は止めてもらおうか」と。
そうか、彼らはすでに出逢い、運命を紡ぎ始めているのか。
だとしたら、わたしも、もう一度だけ、本当にもう一度だけ、彼らに手を伸ばそう。この手で彼らの生に触れてみよう。
『NO.6』の作者として戦ってみよう。あれほど恋い焦がれた少年たちに挑んでみよう。
今はただ、それだけを考えています。
14年の時を経て、あなたに再び『NO.6』を届けます。
撮影/柏原力(講談社写真映像部)

あさの あつこ
岡山県生まれ、在住。大学在学中より児童文学を書き始め、小学校講師ののち、1991 年『ほたる館物語』で作家デビュー。97 年『バッテリー』で第35 回野間児童文芸賞、2005 年『バッテリーI~VI 』で第54回小学館児童出版文化賞を受賞。『NO.6』シリーズは、コミカライズ、アニメ化された。児童文学から時代小説まで様々なジャンルの作品を執筆し、幅広い世代に親しまれている。
岡山県生まれ、在住。大学在学中より児童文学を書き始め、小学校講師ののち、1991 年『ほたる館物語』で作家デビュー。97 年『バッテリー』で第35 回野間児童文芸賞、2005 年『バッテリーI~VI 』で第54回小学館児童出版文化賞を受賞。『NO.6』シリーズは、コミカライズ、アニメ化された。児童文学から時代小説まで様々なジャンルの作品を執筆し、幅広い世代に親しまれている。


































山口 真央
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「おともだち」「たのしい幼稚園」「テレビマガジン」の編集者兼ライター。2018年生まれの男子を育てる母。趣味はドラマとお笑いを観ること。
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「おともだち」「たのしい幼稚園」「テレビマガジン」の編集者兼ライター。2018年生まれの男子を育てる母。趣味はドラマとお笑いを観ること。