
『NO.6再会#2』がいよいよ発売! あさのあつこが細谷佳正に読ませたいネズミの「衝撃台詞」とは
作家・あさのあつこ×声優・細谷佳正 『NO.6[ナンバーシックス]再会#2』刊行記念スペシャル対談 後編
2025.09.20
ライター:山口 真央

14年ぶりに続編を刊行した『NO.6[ナンバーシックス]再会』シリーズ。早くも2025年9月3日に2冊目を刊行しました!
1冊目の『NO.6[ナンバーシックス]再会#1』は、Amazon1位(SF・ホラー・ファンタジー6月6日調べ)、ジュンク堂池袋本店総合1位(2025年6月2日調べ)、トーハン週間ベストセラー文芸書2位(2025年6月3日調べ)と大きな話題を呼びました。
2作目の『NO.6[ナンバーシックス]再会#2』の刊行を記念して、作者のあさのあつこさんと、アニメ「NO.6」でネズミ役を演じた声優の細谷佳正(ほそやよしまさ)さんのスペシャル対談の様子をお届けします!
後編では、『NO.6[ナンバーシックス]再会』シリーズを読んで、細谷さんが感じたことや、あさのさんが細谷さんに読んでもらいたいネズミの台詞などについて、お話を伺いました。
細谷「ネズミの挿し絵がたくさんあって愛を感じました」

細谷:『NO.6[ナンバーシックス]再会#1』と『NO.6[ナンバーシックス]再会#2』を読ませていただきました。嬉しかったです。
あさの:お忙しいなか、ありがとうございます。
細谷:前シリーズでは「NO.6」が瓦解したあと、ネズミが紫苑に希望を託して去っていくラストシーンで。綺麗に物語が終わりを迎えたと思っていたんですけど、14年ぶりにこのタイミングで続編を世に送りだそうと思われた理由や経緯に、凄く興味を惹かれました。
あさの:綺麗な着地ができたと、私自身も思っていました。ただ、紫苑とネズミがあんな別れ方するのかなと、ずっと引っかかっていて。その違和感が、ゆっくり時間をかけて「このお話には続きがある」という確信に変わっていきました。
細谷:『NO.6再会#1』では、「NO.6」を紫苑が再構築していきます。その「NO.6」には、以前の矯正施設があったころのような怖さはなくて、その状態から物語がまた始まるんだなと。どう展開していくんだろう?と気になっています。
あさの:そうですね。紫苑がどんな国家をつくるのか、そこにネズミがどう関わってくるのかは私の課題です。どんな国家を望んでいるのかとか、私はネズミにどういう生き方をしてほしいのかとか、紫苑にどういうふうに生きてほしいのかっていうのを、これからも自問するしかないと思っています。
細谷:『NO.6』は「あさのあつこ」という作家の心情の導線みたいなものが、そのまま反映されている小説だと個人的に思っていて。物語の結末とか、どういう展開をしていくのか、ということももちろんなんですが、先生の望んでいる言葉だったり、心情だったりを登場人物に代弁させるところがでてきていると感じていて。あとがきを拝見したんですけど、『最後の2人の戦いをエリウリアスに丸投げしまった、描ききれなかった』と書かれていて、それについて「先生が何を思ったのだろう」と、すごく気になりました。
あさの:『NO.6』っていう作品自体が、私が問われていることだと思っています。再会であると同時に、私にとってみれば2度目の、そして最後のチャレンジかなと思ってます。