通信網がストップ!? 携帯が誤動作? 知らないとヤバい、太陽が起こす、今ここにある危機!

今知るべき「宇宙という新教養」。宇宙天気予報が必要な深すぎる理由

©ボビコ
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地球温暖化の影響で、2023年の夏、世界中が熱波に襲われました。この暑さをもたらした太陽が、地球温暖化以上に私たちに大きな危機をもたらす可能性があります。それが太陽フレアによる人工衛星の破壊や、電子機器の誤作動の可能性です。

世界ではじめてブラックホール撮影に成功したEHTプロジェクトの日本代表である本間希樹先生の『深すぎてヤバい 宇宙の図鑑』から、宇宙天気予報が今後重要になるという、「今知っておくべき宇宙ネタ」を紹介します。

『深すぎてヤバい 宇宙の図鑑 宇宙のふしぎ、おもしろすぎて眠れない!』
著/本間希樹 イラスト/ボビコ 協力/東京大学CAST

知ってるつもりで知らないことだらけの宇宙のことがよくわかる!
ブラックホールの撮像に成功した本間希樹先生が、やさしくやわらかく教えてくれる宇宙の図鑑決定版!

「地球から見ると、太陽はいつも同じ明るさに見えますよね。でもじつは太陽の表面はダイナミックに変動していることを、みなさんは知っていますか? このような太陽の変動の中でも、表面で起きる大きな爆発現象が太陽フレアです。

太陽フレアが起きるとものすごいエネルギーが解放され、ガンマ線やX線といった放射線やプラズマ(電気を帯びた粒子からなるガス)がたくさん飛び出します。このような放射線やプラズマが地球に届くと、人工衛星の回路が誤動作したり、こわれたりすることがあります。

衛星を使った通信やカーナビも動作しなくなるなど、社会生活や経済活動などいろんな面で問題が起きるかもしれません。

フレアの威力がとくに大きいと、地球でも磁気が乱れたり、電線に異常電流が流れることもあります。巨大な太陽フレアが起きた場合には、携帯電話や、テレビ・ラジオが使えなくなったりすることもあるのです。

でも、巨大な太陽フレアが起きた場合、まずは光や電波でそれを事前に察知することが可能です。放射線やプラズマの粒子は光や電波に比べて数十分から数時間遅れて地球に到達するので、太陽を監視して、もしフレアが起きたら警報を出そうとしている研究所もあります。このような活動は『宇宙天気予報』とよばれ、最近ではそれを専門にする『宇宙天気予報士』が必要という声もあります。

警報が出たときに一時的に人工衛星をシャットダウンするなどの回避措置をとれば、被害を最小限に食い止めることができます。

このように太陽のダイナミックな変動は、じつは私たちの日常生活にも大きな影響を与えることがあるのです!」

2040年には150兆円規模へと成長するとみられる宇宙関連ビジネス。宇宙飛行士以外にも宇宙関連の仕事はたくさんあります! 宇宙天気予報士は資格創設も検討されている注目の職業です。民間の参入が続き、今後さらに重要視される宇宙のこと、ちょっと知ってみませんか?

参考図書
『深すぎてヤバい 宇宙の図鑑 宇宙のふしぎ、おもしろすぎて眠れない!』
著/本間希樹 イラスト/ボビコ 協力/東京大学CAST

知ってるつもりで知らないことだらけの宇宙のことがよくわかる!
ブラックホールの撮像に成功した本間希樹先生が、やさしくやわらかく教えてくれる宇宙の図鑑決定版!
「人間は星のかけらからできている?」「宇宙の最初は目に見えないほど小さい点だった??」「宇宙にも天気予報がある?」「太陽の寿命はあと50億年?」「一番近くの星に行くのに4万年?」など、宇宙の始まりから身近な時と暦など、知りたいことをわかりやすいQ&Aで紹介。持ち歩きやすいハンディ版。

著者プロフィール/本間希樹(ほんま・まれき)
国立天文台 教授 水沢VLBI観測所長。国立天文台のVERAを用いて、銀河系の3次元構造の研究。また、銀河中心の巨大ブラックホールを事象の地平線スケールまで分解するEHTプロジェクト(サブミリ波VLBI)の日本代表。EHTプロジェクトでは2019年4月10日夜、国立天文台を含む世界16の国と地域の研究機関が共同で記者会見を開き、ブラックホールの「影」の撮影に成功したことを発表。

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