【7~8歳】好奇心が広がる・好きなことに集中する「小学校低学年」にピッタリな絵本 国立小・元司書教諭が厳選

【絵本でことばを育んだり心を耕したりすることで、国語力の素地を養う#5】親子で一緒に楽しむことから始まる読書習慣

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落語絵本4『じゅげむ』
出版社:クレヨンハウス 
作・絵:川端誠

生まれたばかりの子どもにいい名前を付けたいと、お父さんはお寺の和尚さんに相談しました。すると和尚さんは、縁起のよい名前をいくつも教えてくれました。ところが、お父さんは、たくさんの名前の中から1つを選びきれないから、全部子どもの名前にするとしたので、さぁたいへん。落語ならではのユーモアあふれるお話が詰まった絵本です。

『けんかのきもち』
出版社:ポプラ社 
文:柴田愛子 絵:伊藤秀男

仲良しのこうたと喧嘩をしてしまったたいは、悔しくて、泣きながら家に帰ります。こうたは謝ってくれたけれど、たいの中で「けんかのきもち」は終わりません。喧嘩を通して深まっていく、子ども同士の関係性を、力強い文章と絵画で描きました。

『にじいろのさかな』
出版社:講談社 
作・絵:マーカス・フィスター 訳:谷川俊太郎

虹色に輝く鱗をもった「にじうお」は、一人ぼっちで孤独を抱えていました。ある日、賢いタコに相談すると、「きらきらうろこを 1まいずつ、ほかの さかなに くれて やるのじゃ」と言われます。迷いながらも、タコのアドバイスを実行するにじうお。「内面的な美しさ」について、親子で話し合ってみたくなる世界的なベストセラーです。

小学校に入ると、教科書の長文を読んだり、読書感想文を書いたり、読むこと・書くこととが、急に多くなってくる時期です。低学年では、まだ一人で長文を読んだり、書いたりすることが難しい子どももいます。

そんなときは、ぜひ絵本の読み聞かせを上手に取り入れてみてくださいね。焦らず、楽しみながら続けることで、少しずつ読むことへの興味・関心が高まります。また読後に、親子で感想を言い合うことで、書くことへの興味・関心も高まっていくでしょう。

取材・文・構成/えのとまり

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さいとう かずたか

齊藤 和貴

Kazutaka Saito
教育学者

京都女子大学発達教育学部教育学科准教授。東京都公立小学校および東京学芸大附属小金井小学校にて28年間、教育活動や授業実践に取り組んできた経験を持つ。司書教諭の経験を生かし、「絵本を活用した授業づくり」にも精力的に従事。著書に『豊かな心と思考力を育む 絵本で広がる小学校の授業づくり』(小学館)などがある。

京都女子大学発達教育学部教育学科准教授。東京都公立小学校および東京学芸大附属小金井小学校にて28年間、教育活動や授業実践に取り組んできた経験を持つ。司書教諭の経験を生かし、「絵本を活用した授業づくり」にも精力的に従事。著書に『豊かな心と思考力を育む 絵本で広がる小学校の授業づくり』(小学館)などがある。