百人一首は、鎌倉時代に藤原定家が選んだ和歌の傑作選。1235年5月27日は、藤原定家が小倉百人一首を完成させたとされる日であることから、「百人一首の日」とされている。
そこで、5月21日から「百人一首の日」の27日までの1週間、書籍『5文字で百人一首』より、百人一首の小ネタをひとつずつご紹介&5文字で解説するよ。
和歌のテーマには、恋や季節が多い。百人一首には、恋と秋を歌っているものが多く入っている。つきあってください、昨日は楽しかったね、会えなくてさみしいよ、などの気持ちを伝えるときに、和歌を贈ることがあったんだね。
今回は、恋の歌を紹介するよ。
やすらはで 寝なましものを さ夜更けて
かたぶくまでの 月を見しかな
赤染衛門
【訳】
あなたが来ないと知っていたら、ためらわずに眠れていたのに、夜が更けて西に傾くまで月を見てしまいましたよ。
【もう少し簡単に】
来ないなら来ないと、言えばいいのに。
【5文字に】
連絡しろよ
【解説】
藤原道隆が儀同三司母と結婚する前の話、道隆が赤染衛門の姉だか妹に、これから行くよと言っておきながら、とうとう朝になっても来なかったとき、それを聞いた赤染衛門が代わりに道隆に贈った歌。何もなければ寝ていたのに、おまえのせいで夜更かしして、月が動くのをずっと見るはめになったぞ、と怒っている。
「やすらはで」は「ためらわないで」という意味。「もう来ないから寝よう」と「いや来るかもしれないから起きてよう」の間を一晩じゅう行ったり来たりして迷っていたことを、この一言で匂わせている。
児童図書編集チーム
講談社 児童図書編集チームです。 子ども向けの絵本、童話から書籍まで、幅広い年齢層、多岐にわたる内容で、「おもしろくてタメになる」書籍を刊行中! Twitter :@Kodansha_jidou YA! EntertainmentのTwitter :@KODANSHA_YA_PR
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