一人っ子の母・フィフィ 不安に陥りまくった息子の巣立ち その末に覚悟したこと

フィフィさん子育てインタビュー#3「反抗期から巣立ち」

タレント:フィフィ

大学生長男の反抗期や、つらかった子離れについて、セキララに話してくれたフィフィさん。  Zoom取材にて
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タレントとして多忙な日々を送りながら、無我夢中で子育てをしてきたフィフィさん。泣く子を預けて仕事に出掛けることに後ろめたさを感じ、「本当にこれでいいの?」と葛藤を抱えたこともありましたが、自分自身を信じて走ってきました。

そして気づけば、一人息子は18歳を迎えて成人に。“巣立ちのとき”を目前に控えた今、母は何を思うのでしょう!?

フィフィPROFILE
1976年、エジプト・カイロ生まれ。両親に連れられて幼いころに訪日し、小・中・高と日本の公立学校で学ぶ。近年は、フォロワー数YouTube40万人、Twitter62万人の論客として、鋭い切り口で国内外のニュース(社会問題、政治、エンタメ)を中心に発言。私生活では、大学1年生の息子(2005年生まれ)を持つ母。

※3回目/全4回(#1#2を読む)

嵐が過ぎ去るのを待つようにやり過ごした反抗期

長男は、今、大学1年生。「私の息子にしては上出来なくらい、ちゃんと育ってくれた」とフィフィさんは笑いますが、もちろん、こう言えるようになるまでには、いろいろありました。

「反抗期もありましたよ~。うちの息子は、『これがフィフィの子ども?』と思われるくらい大人しい子ですが、それでも、『うるせぇんだよ!』みたいな、汚い言葉を私に対して投げかけたり」

そんなとき、母として、どのような対処を?

「反抗期だから仕方がないとわかっていても、息子がイライラして私に当たったりすると、こっちもムカっとしちゃうんですよね。だから、衝突を避けるために、息子がイラついているときには、私が外に出るようにしていました。ジョギングに出かけたり、買い物に行ったりと」

反抗期はいつか終わる。それまでは仕方がない。そう割り切って日々を過ごしていたそうです。

「他人のブログにも救われました。何か参考にしようとか、そんなつもりで読んでいたわけではないですが、たまたま『息子が反抗期です。暴言吐かれると悲しくなります』といったことが書かれたブログに出会ったりすると、気持ちがラクになりましたよね。『みんな同じようなことを抱えているんだな』って」

「家を出る」宣言に落ち込んだ夜

フィフィさんにとって、この1~2年は怒濤(どとう)の日々。反抗期が過ぎ去って「やれやれ」と思っていた矢先、今度は、青天の霹靂(へきれき)となる出来事がフィフィさんを襲います。

「ある日、突然、息子から『大学に受かったらひとり暮らしをするからね』と言われたんです。そんなことは考えたこともなかったので、まさに青天の霹靂。

私は名古屋育ちなんですけど、名古屋って、男女ともに結婚するまで実家にいる人が多いんです。それが当たり前と思っていたため、息子の宣言は相当ショックで……。

巣立ちの日が目前に迫っていると思うと、寂しくて寂しくて、夜になると言いようのない不安に襲われて落ち込みました」

そんなフィフィさんを救ったのは、SNS。そのときの気持ちをツイートしたところ、同じ経験をした先輩お父さんやお母さんから、心強いたくさんの声が返ってきました。

「『子どもが自分から巣立ちを言い出すなんて、素晴らしいことですよ』とか『ちゃんと成長している証ですよ』『子どもが巣立っていくのを見送る。それが子育てなんですよ』などと、みなさんから頼もしい言葉をいただきました。

それで私も気持ちを切り替えることができ、少しずつ、少しずつ、覚悟をしていったんですね。

ところが……。息子は無事、大学に合格しましたが、まだうちにいます(笑)。どうやら、親のスネをしっかりかじるつもりでいるらしい。

今はそれもしょうがないと思っているのですが、そのうち、親としては、息子がいつまでも巣立ちしないことに不安を覚えたりするようになるんでしょうかね(笑)」

親子関係の変化に喜びを感じる日々

フィフィさんの長男は今、18歳の大学1年生。かつての感覚で言うと「成人まであとちょっと」なのですが、2022年に民法が改正されて成年年齢が20歳から18歳に変わったため、彼も、すっかり“大人”。

「そうなんですよ。だから、息子が18歳の誕生日を迎えたとき、『もう大人なんだから、自分のことは、自分でちゃんと責任を持ちなさい』と伝えました。『悪いことをしたら、これからは名前も顔も出るからね』と釘も刺しておきました(笑)」

無事に反抗期を通り越し、18歳を迎えて成人になった長男。フィフィさんは、その子と自分との関係が「大人と子ども」から「大人同士」に変化しつつあることを、近頃、実感しています。

「いくつになっても息子は、“私の子ども”であることに変わりはありませんし、実際、まだまだ子どもっぽい部分があるのも事実です。ただ、大学生になって精神的にも落ち着いてきて、『立派な大人になってきたな』と感じることが多々あって。

一緒に歩けば、私の荷物を持ってくれたりして労ってくれるし、休みの日には、たまにランチやお出かけに付き合ってくれたりするし。一緒に博物館に行くこともありますね。

そうすると、歴史に興味があって、大学では史学の学部に通っている息子は、展示物を見ながら、私にいろいろなことを教えてくれたりもするんです。

今、息子との距離感がすごくいい感じ。“ママと子ども”ではなく、“ひとりの大人対ひとりの大人”の関係に変わりつつあるような。

今、私は、その関係を楽しんでいます。いつか、息子が巣立つ日が来ても、きっと、この関係は変わらないはず。そう考えると、息子が家を出ても寂しくないと思えるようになりました」

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