子どもに「お金って何?」と聞かれたら大人は何と答える? 専門家が〔子どもを守る「情報リテラシー」の高め方〕を解説

「世界子どもの日」に「子どもの権利条約」を考える#3 コンプライアンスアドバイザー が子どもをデジタルタトゥーなどから守る「情報リテラシーの高め方」を解説

Q.お金って簡単に借りても良いもの?

すべての画像を見る(全10枚)

欲しい本を見つけたんだけど、おこづかいが足りない。友だちにお金を借りようかな。

【A.子ども同士のお金の貸し借りは大きなトラブルにつながるかも】

おこづかいが足りないということは、お金を借りてもすぐに返せないということ。かりに「1週間後には返せる」と思っていても、約束を守れず、いろいろなトラブルになるかもしれません。

もしお金を借りたとして、きちんと返そうと思って「来週返すね」と言ったはずなのにとつぜん「明日返して」と言われたり、300円借りたのに「500円貸したはず」と言われたり……。

思ってもいないようなことを言われてケンカになり、別の友達や大人まで巻き込んだり、友だちをなくしたり、イヤな気持ちで心に傷がついてしまうかもしれません。

逆に、お金を貸してと言われたらどうでしょう。「すぐに返す」と言っていたのに返してくれなかったり「返してよ」と言いにくかったり「えっ? いくら借りてたっけ?」なんてことを言われたりするかもしれません。

ですから、もし「お金を貸して」と言われたら「家のルールでダメって言われてるんだ」などとやさしく断るようにしましょう。

人と人のお金の貸し借りは、口約束だけではお互い守ることがとても難しく、大人でもトラブルになったりしやすいので、子ども同士でするべきではありません。

子どもであるみなさんは、お金を貸し借りしない、持っているお金でいま買うか、お金をためて未来に買うかを考えることが大事なのです。

Q.いっぱいギフトをおくりたい!

すてきなライバーさんを見つけた。ライブ配信でいっぱい「ギフト」を贈りたいんだけど……。

【A. 夢中になりすぎるのは気を付けて】

オンラインゲームのアイテムが欲しいとか、ライブ配信でギフトを贈りたいとか、アイドルやアニメの限定グッズが欲しいとか、ネットではいろいろな場面で「お金」を使いたくなることがあります。

ネット上でアプリのサービスを使いお金を払うためには、保護者の人にクレジットカードを使うこと、アプリを使うことの「許可」をもらうことが必要です。でも、使えるお金を制限していなかったりして、ゲームに夢中になりすぎた子どもがアイテムをどんどん買って10万円以上使ってしまった、などのトラブルが実際におきています。

ネットの世界では、本物のお金が見えていない、クリックするだけで買えてしまう、使ったお金の合計がすぐに分からないなど「お金」の感覚がおかしくなるということがあります。

ですから、みなさんは、実際の財布のお金と同じように、ネットでも「今日は●●円使った」「財布から●●円減ったことになる」「今日はこれぐらいにしておこう」などとお金についてしっかり考えること、計画的に使うことを意識してみてください。

使えるお金の額について家の人とルールを決めたり、自分の心の中で夢中になり過ぎないよう気を付けたり、「見えない」お金を使いすぎないことに注意することが、これから大人になっていく中で大事になると思います。

書籍『子どもコンプライアンス』(ワニブックス刊)では、電子マネーや後払いなどのお金の使い方・価値に関することなど、親子で知っておきたい考え方を紹介しています。

ほかにも「人を傷つけない」「法律を知って命を守ろう」「正しい情報を見分ける」など、子どもの目線にたった疑問から情報リテラシーを学んでいきましょう。

難しい漢字は平仮名で表記しています。また一部には、ルビを付けているので、小学校低学年でも学びながら読むことができます。

第4回の記事では、「正しい情報を見分けること」について解説します。

イラスト/どんぐり。

『子どもコンプライアンス』著:山本 一宗/イラスト:どんぐり。(ワニブックス刊)
この記事の画像をもっと見る(全10枚)
39 件