子どもに「ネットに法律はないの?」を聞かれたらどう答える 専門家が〔子どもを守る「情報リテラシー」の高め方〕を解説
「世界子どもの日」に「子どもの権利条約」を考える#2 コンプライアンスアドバイザー が子どもをデジタルタトゥーなどから守る「情報リテラシーの高め方」を解説
2024.11.18
デジタルネイティブ世代が社会で大きく活躍する昨今、企業や行政までもが有効に活用するSNSでは、さまざまな問題が絶えず起こっています。
「していいこと」と「してはいけないこと」を学ぶ大切さや「これをやってしまったらどうなるか」というリスク予測の大切さは、昔も今もリアルもバーチャルも変わりありません。
ネットの発展により便利さが手軽に享受できる半面、隣り合わせにある誤った認識、危険な行動へ未熟な子どもたちが近づくことがないよう、分別や価値観を子どもたちに正しく伝えるべき私たち大人も認識や行動を問われている時代です。
本稿では、11月20日の「世界子どもの日World Children’s Day」を前に、長年テレビ局で番組制作に携わってきたコンプライアンスアドバイザー・山本一宗氏が、子どもをデジタルタトゥーなどから守る「SNSで注意したいこと」をはじめ、これからの時代を生きていく子どもたちに知っておいてほしい「世の中の決まりごと」について解説します。
この記事は『子どもコンプライアンス』(ワニブックス刊)から一部抜粋・再編集したものです。小学校低学年から学びながら読めるように想定した文章を大人用に改訂しお届けします。
(全4回の2回目。1回目を読む。)
山本一宗
1964年兵庫県神戸市出身。
1988年に讀賣テレビ放送(株)入社。報道記者として神戸連続児童殺傷事件、和歌山毒物カレー事件や金融機関再編などの取材を経験し、その後「THE ワイド」「情報ライブ ミヤネ屋」プロデューサー、「ウェークアップ!ぷらす」チーフプロデューサー、報道局統括デスクなどを歴任。
2019年より放送基準に基づく番組・CMの表現考査、 SNS利用指針作成などに従事。2021年よりコンプライアンス総括責任者(総括役) として社全体の危機管理・考査判断を担当。2023年3月まで讀賣テレビ放送(株)ESG推進局専任局次長。2023年春に読売テレビを退社し、現在は株式会社CompLabo代表取締役を務める。
第2回は、知らない人に“いいね!”やコメントをしない、“子ども”だとわかるような書き込みはしないなど、「SNSで注意したいこと」について、ご紹介します。
「法律」はみんなが幸せに生きるためのルール
Q.「法律」って何だろう?
「法律」って何のためにあるの? ちょっと難しいなぁ。
【A. みんなが幸せに生きるため、命や心を守るためのルールだよ】
なんだか漢字がいっぱい並んでいて、難しそうなものに見えますが、法律は日本で生きるすべての人が幸せでいられるように作られた「ルール」なのです。
国民に守られている自由や資格(権利)、しなければならないこと、してはいけないこと、守らなければならないこと(義務)など、日本の国会で作られたみんなのための約束とルールなのです。
また「法律」のほかに「条例」といって住んでいる街(都道府県・市など)で作られた、その街だけのルールもあります。
当然、みんなのためのルールですから、大人はもちろんみなさんのような子どもも守る必要があります。
逆にまわりの人たちからこのルールに触れるようなことや反することをされて、体や心が傷ついたり、困ったり悩んだりしたときにもまた、「法律」というルールが助けてくれるのです。