パパママだって甘えてOK! “子育てひろば“は親も一息つける憩いの場だった!

NPO法人せたがや子育てネット代表理事 松田妙子氏に聞く「子育てひろば活用術」#3 ~展望編~

NPO法人せたがや子育てネット代表理事:松田 妙子

ママが読み聞かせてくれる絵本に、子どもたちみんながくぎづけ!  写真提供:NPO法人せたがや子育てネット

社会問題ともなっている“孤育(こそだ)て”“ワンオペ育児”の原因のひとつともいえるアウェイ育児。故郷以外の土地で子育てをしている状況のことを差し、その数は育児中の人の全体の約70%以上という調査結果(※1)が出ています。

そんな知らない土地でなれない育児に奔走するとき、ふと不安がよぎることもあるはず。そんなとき、そっと優しく手を差し伸べてくれる場所が“子育てひろば”と呼ばれる地域子育て支援拠点です。

これまでの2回では、東京都世田谷区で2001年から“子育てひろば”(以下ひろば)を地域に増やす活動と、運営をしているNPO法人せたがや子育てネット代表理事の松田妙子(まつだ・たえこ)さんに、「子育てひろばとは?」「何ができる場所なの?」などという疑問にこたえていただきました。

最終回となる第3回では、現在のひろばが抱えている課題、そして、これからのひろばが取り組んでいくべきこと、展望などを語っていただきます。

※全3回の3回目(#1#2を読む)

コロナ禍でクチコミの利用者が激減

2020年から約3年と長引くコロナ禍。親子同士での交流を生む場所でもある“子育てひろば”(以下ひろば)は、どのような対応に迫られてきたのでしょうか。NPO法人せたがや子育てネット代表理事の松田妙子(まつだ・たえこ)さんに、コロナ禍におけるひろばの変化を伺いました。

「コロナ初期のころは一時的に閉鎖も余儀なくされました。その後、比較的早い時期に衛生管理を徹底したうえで、予約制や人数制限などの措置を取る対策をして再開しました。

ただ、再開しても最初は利用者数もかなり減ってしまいました。やはり人との交流の場でもあるので、様子見をされている方が多かったですね。ただ、今はほぼコロナ前と同じ状況に戻っています。

特にクチコミがきっかけで来所してくれる人がかなり減ってしまいましたね。保護者さん同士でのコミュニケーションの機会が減ってしまったからだと思っています。

それは、ひろばの利用者が減ったという単純な話だけではなく、“孤育(こそだ)て”に直結してしまうことにもなります。なんとか早く打開できないかと、とてももどかしい思いもありますが、自分たちからの情報発信をこまめにするなどしながら、試行錯誤しています」

そんなもどかしい状況のなか、コロナ禍のひろばではある変化が起きたといいます。

「平日でも、お父さんが赤ちゃんを連れてきてくれることが多くなりました。テレワークなどで在宅勤務されている方も増えたので、すき間時間などに遊びに来てくれています。

特に、“抱っこ講座”などは、お父さんのほうが多いときもありますね。お母さんに『ひろばに行って勉強してきてね!』と言われて、赤ちゃんと2人で受講している人もいますし(笑)。

男性は、日常のデスクワークのせいで巻き肩になっていて、手が後ろに回せない……、という人も多いですが、みなさん四苦八苦されながらも、赤ちゃんのために頑張ってくれています」

ひろばは家族みんなを大歓迎していると松田さんは続けます。

「ひろばは、お母さんと赤ちゃんが2人で来る場所というイメージも強いかもしれませんが、ぜひ家族で来てほしいです。

ひろばでは、しぜんと子どもの時間の流れに合わせることになります。それは、ビジネスの世界より、かなりゆっくりした時間の流れなので、親もゆったりとした気持ちになることができるんですよ。

例えるなら、動画を0.75倍で見る感じです。ビジネスの世界では、1.25倍でテキパキと動いていても、ひろばにきたら0.75倍になる。1・2・3・4・5とかぞえるのも、ひとーつ、ふたーつ、みーっつ、といった少し遅めのテンポで数えるみたいな。

そんな体験が、子どもの成長をゆったりと家族みんなで見守っていくためのきっかけになってくれたらうれしいです」

プレパパママ沐浴講座に参加中。家族みんなで赤ちゃんを迎える準備です。  写真提供:NPO法人せたがや子育てネット
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