娘の発達障害に気づいたきっかけは「運動会でひとり砂山遊び」だった〔『リエゾン』三木先生解説付き〕

娘5歳の凸凹発見・成長実録記 #1 娘3歳~4歳2ヵ月ころの様子

3歳の夏 娘に話があまり通じていないかも?

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娘は、妊娠中から成長発達に関しては大きな病気やケガもなく、毎日よく踊ったり歌ったりしながら、マイペースに育っていました。

しかし、3歳を過ぎたころから娘の行動に「あれ?」「ん?」と思うことが少しずつ増えていきました。例えば、食事のあと「お皿を洗うから持ってきてね」、「保育園に行くから準備してね」などの言葉に微動だにしないことが多く、再度、声掛けをしても動かないことも。

最初は聞こえていないのかなと思ったのですが、「聞こえてる?」と聞くと「うん」という返事がかえってきます。まだ3歳だし、意味が理解できないのも、ある程度は仕方ないかな、と思い様子を見ていました。

【三木崇弘先生】
まずは近所の小児科で相談してもらうと良いと思います。声掛けに動かない理由が「言われたことが理解できない」のか「言われたことは理解できるがやりたくない」「どうしていいか分からない」のか。この違いのどれなのかを、保護者の方はまず知るところからかな、と思います。

運動会でひとりだけ競技から離脱!? 砂山づくりに没頭する娘

娘が3歳10ヵ月のころ、通っていた保育園で運動会が開催されました。ちょうど新型コロナウイルス感染症が流行していた時期だったので、クラスごとに時間を分けての開催でした。

娘のクラスでは、かけっこと紅白カードめくりの2競技が行われ、かけっこは先生と一緒に完走!

えらい! よくがんばった! と思っていたら、次の競技の準備のため、端に寄ったタイミングで地面に座り出す娘。そして、競技の準備が整い、クラスの子たちが列に並んでも動かず、先生が促しても座ったままでした。

その後、クラスの子たちが競技を楽しむ中、娘は運動場の片隅で座ったまま。さらに、砂山作りまで始めだして……。途中、先生が抱きかかえて競技の場に連れていってくれましたが、伏し目がちに立ったまま。

このときの競技は、カードを自分のチームの色にひっくり返すもので、まわりの子たちは一生懸命、競技を楽しんでいました。

運動会でひとり、砂山で遊ぶわが子……。  イラスト/オヨネ

その光景は、今でも忘れられません。他の子たちとの対比になんとも言えない気持ちになったのを覚えています。

競技が終わり、元の位置に整列するときにも、娘はまた座って砂山づくりを再開していました。

帰宅後、娘に砂山づくりの件を聞いたところ、「(紅白カードめくりは)やりたくなかった」との返事が。しかし、「なるほど、やりたくないから砂山を作っていたのか」と、納得できる私ではありません。
「クラスみんなですることは、一緒にやろうね」と伝えましたが、娘は、「でも、やりたくなかったんだもん!」と主張するばかり。

【三木崇弘先生】
お母さんのお気持ちもわかりますが、これは「なるほど、やりたくなかったのか」で、いいところなんです。
また、最後の1往復半の会話ですが、
子「やりたくなかった」→母「やりなさい」→子「やりたくない」と、お互いに自分のことしか言っていないため、実は会話が成り立っていません。
子どもの目線から言うと、「お母さんは『やりなさい』と主張するばかり」に見えるだけなので、親御さんは、「なんでやりたくなかったのか」、「どこが嫌な部分なのか」と、お子さんと話を深めていけるといいですね。

後日、練習のときの様子はどうだったのか、先生に聞いたところ、「促せばやるときもあるけれど、基本的にはやらない」スタンスだったとのこと。その傾向は、運動会の練習だけでなく、毎日のお遊戯のときにも見られている、ということが先生からの話でわかりました。

周りに合わせることが、4歳の娘にはまだ難しいことなの? 2年半後には、小学生になるけれど、このままで大丈夫かしら? と、夫とも話し合いを設け、夫婦で不安になる日々が続きました。

【三木崇弘先生】
4歳児であれば、お友達と仲良く遊んだり、公共的なマナーの意識ができはじめたりするころ。ただし、やらないことそのものを問題視するのではなく、「なぜできないか」、「なぜやりたくないのか」に目を向けられるといいですね。

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