ダウン症児のママ都議・龍円愛梨「インクルーシブ公園は親も子も大きなプラス」
シリーズ「インクルーシブ公園」最新事情#2‐2 東京都議会議員・龍円愛梨氏インタビュー ~インクルーシブ公園が教えてくれること~
2022.10.16
東京都議会議員:龍円 愛梨
子どものころからインクルーシブな環境を
──先ほどのお話にあった中学生の女の子のように、健常の子どもと、障がいのある子どもは、普段、あまり触れ合う機会がないようですね。
龍円さん 日本には、インクルーシブ公園がないと子ども時代に交じり合って遊べる場所は限られていますし、学齢期になると特別支援学校や特別支援学級などと学ぶ場所が分けられてしまって、ほとんど交流のないことが多いです。
学校を卒業したら、福祉作業所に通って、グループホームに入って……と、いろいろな支援があるのはありがたいのですが、すべてが一般とは分けられた環境なので、子どもが社会から分離されているなと感じることもあります。
インクルージョン、ダイバーシティの重要性が叫ばれていますが、今までの人生でお互いに関わってこなかったのに、大人になってから突然「障がいのある人と手を取り合って一緒に仕事をしましょう」「一緒に生きていきましょう」と言われても、怖いと感じたり、不安になったりするのは当然のこと。
どういうふうに声を掛ければいいのか、交わればいいのか、経験がなければわかりませんよね。
子どもはとても柔軟です。インクルーシブ公園のように、子ども時代から違いのある人と一緒に遊んで触れ合う機会があれば、一緒に過ごして生きていくという「インクルーシブな社会を体現する」意識と知識が育っていくと思います。
──最後に、母としてこれからの展望を教えてください。
龍円さん 息子は今(2022年)、小学校3年生で、都内にある公立小学校の通常学級に通っています。その小学校では、通常学級で知的障がい児が学ぶことが非常に稀なので、日々チャレンジばかり。
シングルマザーですし、苦労もありますが、地域の多様な子どもたちに囲まれて彼が成長していく姿が見られるのはうれしいですね。
これから社会の中で彼らしく生きていくためには、彼自身も多様な人たちと交わり、たくさんの経験をしながら育ててあげたいです。
“息子にとっての幸せ”について考えると、今まで価値があると思っていたものに価値がなかったり、反対に価値がないと思っていたものに価値があったり……幸せに対する考え方がずいぶんと変わりました。
私自身の“幸せ感”も変わりましたし、なんだかんだで育児を楽しんでいるなって思いますね。
日本でのインクルーシブ公園の歴史は、まだ始まったばかり。今後インクルーシブ公園がますます普及していけば、お互いの違いを理解し、尊重し合う、誰もが暮らしやすい社会に近づくのだと感じました。
第3回は、インクルーシブな遊具を企画・製造するメーカー「コトブキ」にお話を伺います。
取材・文/星野早百合
龍円愛梨(りゅうえん・あいり)
東京都議会議員。1977年、スウェーデン・ウプサラ市に生まれ、小・中学校時代を東京、北海道、英国で過ごす。法政大学法学部卒業後、1999年、テレビ朝日に入社し、アナウンス部、報道局記者として勤務。2011年に退社し、渡米。2013年、カリフォルニア州でダウン症のある長男を出産。帰国後、2017年に東京都議会議員選挙で初当選。2019年には、第14回マニフェスト大賞グランプリを受賞。“インクルーシブな社会”の実現に向けて活動している。
●公式サイト 龍円あいり
●公式ブログ 龍円あいりブログ
●公式Twitter @airiryuen
龍円 愛梨
東京都議会議員。1977年、スウェーデン・ウプサラ市に生まれ、小・中学校時代を東京、北海道、英国で過ごす。法政大学法学部卒業後、1999年、テレビ朝日に入社し、アナウンス部、報道局記者として勤務。2011年に退社し、渡米。 2013年、カリフォルニア州でダウン症のある長男を出産。帰国後、2017年に東京都議会議員選挙で初当選。2019年には、第14回マニフェスト大賞グランプリを受賞。“インクルーシブな社会”の実現に向けて活動している。 ●公式サイト 龍円あいり ●公式ブログ 龍円あいりブログ ●公式Twitter @airiryuen
東京都議会議員。1977年、スウェーデン・ウプサラ市に生まれ、小・中学校時代を東京、北海道、英国で過ごす。法政大学法学部卒業後、1999年、テレビ朝日に入社し、アナウンス部、報道局記者として勤務。2011年に退社し、渡米。 2013年、カリフォルニア州でダウン症のある長男を出産。帰国後、2017年に東京都議会議員選挙で初当選。2019年には、第14回マニフェスト大賞グランプリを受賞。“インクルーシブな社会”の実現に向けて活動している。 ●公式サイト 龍円あいり ●公式ブログ 龍円あいりブログ ●公式Twitter @airiryuen