平野レミさん&和田誠さんの子育て法とは? 和田明日香さんと食育対談
平野レミさんと和田明日香さんの明るい嫁姑“食育”対談 #5
2021.10.30
ご飯を一緒に食べる場所を作ってあげる
レミさん:そうそう。そうやって、ちゃんとご飯を食べさせていれば大丈夫よ。
明日香さん:ご飯を一緒に食べる場所がちゃんとあるだけで、全然違いますよね。
「今日はごめん、出来合いのお惣菜しかない」ってなっても、一緒に食べてあげればいいのかなと思っています。
「ママは今日、こんな理由で忙しくて。あなたはどうだった?」って、会話しながら。私も、子どもの時、父も母も忙しくて、出来合いのものや、パスタを茹でて市販のパスタソースをかけるだけとか、普通にありました。
でも、食卓が寂しかったっていう思いは少しもなくて、忙しい中ありがとうって思っていました。
子どもにとっては、手作りかどうかっていうのは大した問題ではなくて、そこにお父さんだったり、お母さんだったりが一緒に座って会話をしたという方が、たぶん記憶に残っていくと思います。
だから、「今日も作れなかった」とか「今日もお料理が面倒くさい」というところに引け目を感じる必要はなくて。面倒だと思いながら作って、テーブルにつく時に不機嫌になるより、買ったものでもいいから、笑顔で一緒に食べてあげた方が、絶対にいいと思う。
レミさん:ちょっと作りたい、って気が向いた時には、レシピはいくらでもあるからね。何かあっても、帰るところがあって、そこでちゃんとご飯を食べさせて、暖かくしてあげれば、大丈夫よ。
子どもは親だけで育てているわけではない
明日香さん:何かうまくいかなかったり、辛かったりした時も、パパやママが「私が悪かったんだ」って、自分を責める必要もないと思います。
子どもは、決して自分だけ、親だけで育てているわけではないですから。先生とか、学校に行く途中で出会う大人とか、お店の店員さんとか、友達や、いろんな人に囲まれて、育てられていると思うんです。
だから、自分がどうしたからこの子がどうなると思わずに、自分が見ているのはその子の側面のただひとつと思えば気が楽になるんじゃないでしょうか。
あとは、ネット上に、子育ての経験談、成功談、失敗談、色々あると思うんですけれど、それはあくまでその家の話なわけで。自分と目の前の子どもにそっくり当てはまるということは、まずありませんから、右耳から入れて左耳から出すくらいの感じで、読み流せばいいと思います。
今回の私たちの話もそうですからね(笑)! 自分たちに当てはめて、なんでうちはうまくいかないんだろう、って振り回されても、疲れるだけですから。
レミさん:情報に惑わされるより、子どもは好きに、自由にさせてあげた方がいいと思うの。あとは愛情、愛情ね!
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レミさん、明日香さん、子育てと料理のお話、どうもありがとうございました。
取材・文/浅妻千映子
平野レミ(ひらのれみ)
料理愛好家。シャンソン歌手。フランス文学者・平野威馬雄の長女。夫は和田誠氏。
主婦として家庭料理を作り続けた経験を生かし、「料理愛好家」として活躍。「シェフ」ではなく、「シュフ」の料理をモットーに、テレビ、雑誌などで数々のアイデア料理を発信中。また、講演会、エッセイを通じて、明るく元気なライフスタイルを提案するほか、レミパンやエプロンをはじめとした、キッチングッズの開発も手がける。
近著に『家族の味』(ポプラ社)、『野菜の恩返し』、『新版 平野レミの作って幸せ・食べて幸せ』(主婦の友社)など
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和田明日香(わだあすか)
1987年生まれ。東京都出身。3児の母。料理愛好家・平野レミの次男と結婚後、修業を重ね、食育インストラクターの資格を取得。各メディアでオリジナルレシピを紹介、企業へのレシピ提供など、料理家としての活動のほか、講演会、コラム執筆、テレビ出演など幅広く活躍中。2018年ベストマザー賞を受賞。
近著に『10年かかって地味ごはん』(主婦の友社)、『ほったらかしレシピ献立編』(タツミムック)、『子どもは相棒 悩まない子育て』(ぴあ)など
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