パパの顔を水色で描いた女の子を「最高!」とほめた理由 人気絵画教室講師が教える「個性をのばす」アートワーク

「こどもアトリエ みかづき」の親子で楽しむアート 第1回「シャボン玉はなに色?」

−−正解は、Aちゃんには、“みず色ブーム”がきていたから!

このころのAちゃんは、ピカソの“青の時代”のごとく、みず色の絵をよく描いていたのです。大好きなパパは、大好きな色で描かれるべき。キュートでユニークな4歳の発想ですね。

しかし、実際にみず色のパパがスーパーに展示されることはありませんでした。3枚目の紙を与えられ、とうとううすだいだい色のクレヨンを握ったそうです。幼稚園の先生の指導はまちがっていないでしょう。他の作品と並べられたとき、Aちゃん自身がそのこだわりに、必ずしも堂々としていられるとは言い切れないからです。

それでも、Aちゃんの1枚目を認められる場所があっていい。身近にあればなおいい。

うれしいことにAちゃんの家はそういう場所です。そしてわたしの小さなアトリエも。

余談ですが、わたしは最近、5歳の男の子に黒1色で描かれました。自由空間とは言え、興奮して危険なときは注意が必要。走り回る子どもたちをビシッと注意したあとのことでした。

「せんせーかいた♪」 おこりんぼ先生は、まっ黒で描かれるべき! 写真/こどもアトリエみかづき

アートワーク①「シャボン玉はなに色?」

気持ちよく晴れた日に、ぜひ試してほしいアートワークです。シャボン玉を吹いてとばしながら、うつりこむ色をよく観察しましょう。そこが自然豊かな公園なら、緑色が多く見えるかもしれません。いつものシャボン玉あそびの、ひとつ先の楽しみ方。

【用意するもの】

●シャボン液(手作りする場合は、水:洗濯のり:台所用洗剤を2:1:1の割合で静かによく混ぜる)
●容器(手の大きさに合わせて持ちやすいもの)
●吹き具(市販品がオススメ。ストローで代用の場合は先1.5cmを6~8等分に切り開く)
●クレパス 
●色画用紙(黒または濃色)

※誤飲や割れた液が目に入らないよう保護者の方はご注意ください。

1.  シャボン玉をとばそう
ぜひ晴れた日の屋外で。シャボン玉の色や光を楽しむよう声かけを。

2.  シャボン玉を描こう
白いクレパスでたくさんの◯を描きます。大小をつけて画面いっぱいに。写り込んでいた色を思い出しながら明るく鮮やかな色で、内側にもう一つの◯を描く。

3.  指でこすってふんわりと
鮮やかな線と白線を指でなぞるようにこすり、ぼかしていく。白◯の外側はこすらないほうがよい。すべてのシャボン玉がキレイに光って、ふんわり軽く見えたら完成。

【ポイント】

1での声かけはとても大切です。「よく見るときれいだねぇ」「いろんな色が見えるよ」などに加え、「あの青いシャボン玉を先にパチンしたほうが勝ちね!」と色を意識できるゲームにするのも効果的です。

0歳はママが吹くのを見せてあげましょう。1~2歳は吹いてあそぶだけでも充分。クレパスで描くなら、こする力が弱いので同じような仕上がりを目指してはいけません。

3~4歳は、いろんな色が見えたらOKです。お絵かきタイムには好きな色で自由に描かせてあげてください。6歳以上で「こんな色に見えた」の再現ができれば花まるです!

♦あじとみあつこ
1978年生まれ。千葉県松戸市在住。大阪芸術大学デザイン学科中退後、美大受験予備校講師などを経て、雑誌編集、イラスト・デザイン制作に携わる。2017年より造形絵画教室『こどもアトリエみかづき』を運営。
https://www.ajitomiatsuko.net

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