ゴミとなってしまう竹をおしゃれにアップサイクル
ジャイアントパンダが食べ残した竹は当然ながらゴミとして廃棄されてしまいます。しかも、膨大な量が毎日出ます。それらの“無駄”を有効利用しようと、「パンダバンブープロジェクト」というパンダが食べ残した竹の利活用が行われています。
「パンダバンブープロジェクト」とは
里山を荒廃させる竹を伐採し、ジャイアントパンダの食事として活用することで里山の環境を守り、これまで廃棄していたジャイアントパンダが食べない竹の幹の部分や食べ残した竹(年間90〜100t)、糞を有効資源としてアップサイクルを推進するプロジェクト。
※アップサイクル…本来であれば捨てられるはずのものに、新たな付加価値を持たせることで、別の新しい製品に再生すること。
1つ目はサファリワールドエリアに建てられたワーケーション施設。すべて竹で作られており、電源やWi-Fiも。アフリカゾウを眺めながら仕事ができます
2つ目はバンブータンブラー。使い捨てのプラスチック削減のため、55%ほど竹を使っています。
3つ目はバンブーリング。パンダが食べ残した竹を編み込んで京都の職人さんが製作したもの。
4つ目は竹あかり。太い竹幹に穴をあけ、中にライトを入れて製作。 アドベンチャーワールドでは3年ほど前から園内に設置。白浜町内のホテルにも設置されています。(※竹あかりは常設ではありません)
また、最近では和歌山南漁協や地域のダイビングショップなどの協力の下、白浜町と共同でアオリイカの産卵床に活用するなど、循環型パークとしてさまざまなチャレンジをしています。
森林破壊の課題に対し、親子で今すぐ取り組めることとは
森林火災、過度な伐採、土地開発……いろんな要因で森林破壊が進み、動物たちの住処が減ってきていますが、森と動物のために私たちができることとはいったい何でしょうか。
ある意味これもフードロス問題と言えそうですが、「パンダの食べ残しの廃棄」という資源を無駄にせず使うこと、そしてあるもので代用することが過度な伐採の抑止になり、ひいては森林に暮らす多くの動物たちの保全につながっている……と飼育員の吉田さんは言います。
続けて子どもたちに伝えていた、すぐに実行できそうなアクションは3つ。
・紙の無駄遣いをしない
・再生紙を利用する
・森林保護に関するマーク(FSCマーク)がはいった物を選ぶ
日々のちょっとした心がけでSDGsの課題解決につながれるということを、グルメなパンダたちは教えてくれます。