日本初の「サカナ特化型」書店だから知っている「水族館」の4大トリビアとは
サカナに特化した本屋「SAKANA BOOKS」が教える水族館のヒミツ#1 トリビア編
2023.08.03
ライター:星野 早百合
2022年7月、東京・四谷三丁目にオープンした、日本初&唯一のサカナに特化した小さな本屋さん「SAKANA BOOKS(サカナブックス)」。
出版レーベルとしての活動も展開し、2023年4月には、初の書籍として水族館に携わる人々に話を聞いたインタビュー集『水族館人 今まで見てきた景色が変わる15のストーリー』(SAKANA BOOKS/文化工房)を出版しました。
そこで、「SAKANA BOOKS」を運営する「株式会社週刊つりニュース」の社長・船津紘秋(ふなつ・ひろあき)さん、『水族館人』の編集を担当した「SAKANA BOOKS」の大久保徹(おおくぼ・とおる)さんにインタビュー。
第1回は『水族館人』より、知るともっと水族館が好きになるトリビアをピックアップしていただきました。
※1回目/全2回
つい話したくなる水族館トリビア
東京・四谷三丁目の「株式会社週刊つりニュース」本社ビル1階にある「SAKANA BOOKS」。新刊本を扱う実店舗としては日本初&唯一のサカナ特化型書店で、全国からサカナ好き、水族館好きが集まるスポットとして話題を集めています。
そんな「SAKANA BOOKS」が、レーベル初の書籍として出版したのが『水族館人 今まで見てきた景色が変わる15のストーリー』。
水族館で働く人、水族館をつくる人、水族館をテーマに創作活動をする人など、水族館に携わるさまざまな立場の人のストーリーが語られていて、ページをめくるたびに水族館の醍醐味を改めて感じさせられます。
水族館の魅力にあふれた『水族館人』の中から、「SAKANA BOOKS」の船津さん、大久保さんに、水族館をより好きになるトリビアをお話しいただきます。
●水族館トリビア1『日本は世界有数の水族館大国』
水族館の定義はあいまいで、正確な数は明らかになっていませんが、水族館ブロガーの新井竜実(めnち)さんによると、日本には120以上の水族館があると言われています。小さな水族館を含めれば、もっと増えるそうです。
大久保徹さん(以下、大久保さん) 水族館というと、東京「サンシャイン水族館」、愛知「名古屋港水族館」、大阪「海遊館」など、規模の大きい施設をイメージすると思うのですが、中小規模も合わせると日本には本当にたくさんの水族館があって、その数は世界トップクラス。
道の駅やショッピングセンターの一角にもよく小さな水族館がありますし、「むろと廃校水族館」(高知県室戸市)は廃校になった小学校を利用したり、「標津サーモン科学館」(北海道標津町)は自然環境の川をそのまま館内に引き込んだりと、それぞれに特色があって楽しいです。
ハードルは高いですが、水族館ごとのおもしろさを探しながら全国制覇をめざすのもおすすめです。
船津紘秋さん(以下、船津さん) これだけ多様な水族館があるのは、おそらく大前提として魚食文化があり、昔から日本人とサカナとの距離が近かったから。
この7月には、北海道・札幌に都市型水族館「AOAO SAPPORO(アオアオサッポロ)」が開館し、2026年度には、東京・よみうりランドに多摩地区初の水族館がオープン予定です。新しい水族館が誕生して、楽しみ方も増えそうですね。
●水族館トリビア2『水族館のための音楽家がいる』
水族館のBGMに注目したことはありますか?
「サンシャイン水族館」(東京・池袋)の音楽は、さまざまな施設のBGMを手掛けてきたサウンドアーティスト・井口拓磨さんが「サンシャイン水族館」のためだけに制作したもの。
12年も変わらずに同じ音楽が使われていて、同館のミュージアムショップでは、井口さん制作のサウンドトラックCDが好評だといいます。
大久保さん 「サンシャイン水族館」に行くには、池袋駅から通りを歩いてサンシャインシティのビルに入り、直通エレベーターで屋上まで上がるのですが、実は通りの雑踏を抜けてエレベーターに乗るところから、サウンドデザインは始まっているのだそうです。
エレベーターの中の音楽で一度ノイズをシャットアウトし、エレベーターを降りると、目の前を流れる滝の音で一気に非日常空間へ。サカナに会う前の段階から、こんなにも考えられていたのかと驚きました。
井口さんは、ほかにも大阪にある体験型ミュージアム「ニフレル」のプロジェクトや、「すみだ水族館」のイベントなどでサウンドデザインを担当されています。今後、水族館では音楽にも注目していただきたいです。