一流の経営者・CEOやアスリートも実践する思考法で子どもたちが未来志向に

ビジネス界で話題のコミュニケーション術「フィードフォワード」を知ってますか?

幼児図書編集部

一流の経営者やアスリートが「フィードフォワード」を実践する理由

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──「フィードフォワード」は、どちらも心理的な負担はないのでしょうか。

久野さん「『フィードフォワード』の対象は『未来』ですから、『なぜ、ダメだったのか』とか『なぜ、うまくいかなかったのか』ではなく、『どうなりたいか』という未来のことを考えることになります。

『なぜだめだったのか』考えるのはストレスですが、『どうなりたいか』『なにをしたいか』を考えるのは、子どもにとっても大人にとっても楽しいことですよね」

──たしかにそうですね。けれども、突然、「どうなりたいか」と聞かれて、答えられないお子さんも多い気がします。大人でもなかなか難しいかもしれません。

久野さん「そうですよね。お子さんによっては、『失敗したらどうしよう』『自分には無理かもしれない』『人に笑われたらどうしよう』などというプレッシャーから、すぐに本音で『どうなりたいか』を話すことは難しいかもしれません。

『フィードフォワード』にはいくつか典型的な問いかけがいくつかあります。

『ぜったいに失敗しないとしたら、なにをしたいですか』と聞かれたらどうでしょう? こういった問いかけを重ねていくことで、お子さんがほんとうに考えていることを言えるようになっていくと思います」

──自分の希望を口に出せる、また、イメージができるようになることは、実際の未来とどう関わってくるのでしょうか。

久野さん「完全に証明されているわけではありませんが、鮮明に『未来』をイメージすればするほど、『脳』はそれが達成されたかのように感じ、目標達成をより力強く後押ししてくれる──。脳にはそのような性質があると考えられています。

つまり、『未来』のことを考え、『こういうふうになりたい』と『ゴール』を設定すると、『脳』は勝手に必要な情報を集めて、本人に教えてくれるのです」


──フィードフォワード、とても魅力的に思えてきました。家庭で実践するには、どうしたらいいのでしょうか。

久野さん「まずは、ぼくがはじめて監修した絵本『ほんとうは、どうしたいの? ミックをかえた たいようのことば』をお子さんと一緒に読んでみてください。

この絵本では、フィードフォワードでいちばん重要な問いかけである『ほんとうは、どうしたいの?』がどのように使われるのかが描かれています。

大人の方は、お子さんに対して、『たいよう』のようにふるまえているか、考えてみてください」


『ほんとうは、どうしたいの? 
ミックをかえた たいようの ことば』
は、こんなお話です。


ねずみのミックは、なんでも工夫して作るのが得意。お花が大好きなやさしい子です。

でも、みんなよりも小さくて、弱虫で、走るのがおそくて、声が小さくて、そして、みんなよりもしっぽが短くてかっこ悪いんだと思い、みんなに遊ぼう、と声をかけられません。

いろいろなものをよろいのように体につけて、さあ、これでかっこよくなったぞ、と思ったミックは、うれしくなってみんなに声をかけるのですが、みんなはびっくり仰天。ミックも、暑くて、重たくて、ふらふらに。

ミックをずっと見守ってきた太陽に「きみは どうしたいの?」ときかれたミックは、「みんなから、つよいね、すごいねって いわれたいんだよ」と答えるのですが……。


──絵本の中の「たいよう」は、ずっと主人公のミックを見守り続けていて、最後の最後で、「ほんとうは、どうしたいの?」と問いかけているのが印象的でした。これはこれで、大人の忍耐力が試されそうです。

久野さん「コツさえつかめれば、お子さんにフィードバックし続けるよりも、大人も楽しくなるはずです。絵本を読んでもっとフィードフォワードを知りたくなったら、ご家庭では、『フィードフォワード カード』(一般社団法人フィードフォワード協会)が使いやすいかなと思います。

なにより、子どもが目を輝かせて夢を語ってくれたら、親はうれしくなりますよね。わたし自身も一人の子どもの親ですが、息子はすっかりフィードフォワードをものにしていて、いまではわたしにフィードフォワードしてくれることもあるんですよ」

はじめてのフィードフォワード絵本!

『ほんとうは、どうしたいの? ミックをかえた たいようのことば』
文:由美村嬉々
絵:すみもとななみ
監修:久野和禎

*読んでもらうなら5歳くらいから
*ひとりで読むなら7歳くらいから

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