【自由研究にも】親子で楽しむ「理系知育あそび」 元高校化学教員の人気インフルエンサーが伝授

子育て世代から注目を集めるインフルエンサーいわママが教える、暑い夏も自宅で楽しく学べる「おうち実験」とは?

写真:yamasan/PIXTA
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夏休みの自由研究にも最適な、親子で楽しみながら学べる実験をご紹介します!

今年も“危険な暑さ”の夏休みがやってきました。公園遊びやプールなど、外で子どもを遊ばせるのは熱中症の心配がともないます。しかし、家でテレビゲームばかりさせるのも……と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

そこでおすすめしたいのが、コップや風船、ペットボトルなど、ご家庭にある身近なものを使って、楽しみながら知的好奇心を育てる“理系知育あそび”です。

元高校化学教員で1児のママでもある、いわママさんにおうちでできる「夏休みの自由研究」にもぴったりな実験をご紹介いただきました。この記事は、いわママさんの『3歳から親子でできる! おうち実験&あそび』の一部を再構成したものです。

本書は、【Amazon】で4冠達成!(2024/6/19 理科、絵本・児童書の理科、実用・工作・趣味、教育・学参・受験カテゴリ)

いわママPROFILE
元高校化学教員で1児の母。

2022年6月からInstagramでおうち実験を中心とした幼児のための理系知育について発信している。家にあるもの、100円ショップで手に入るものでできる手軽さが子育て世代を中心に人気となり、Instagramのフォロワー数は13万人を超える(2024年7月現在)。

Instagram @iwamama_ikuji

1~2歳から楽しめる! ポンポンはずむ「風船ボール」

まず試してほしいのが、材料も作り方もシンプルなこの実験です。

風船にテープをぐるっと巻きつけるだけで、ただの風船がゴムボールのようにポンポンとはずみます。これなら、小さなお子さんでもおうちの中でも安心・安全に遊ぶことができます。

【用意するもの】

・風船
・ビニールテープ

【作り方】

1. 風船を大きくふくらませる。

2. 風船の結び目をとおるように、縦とななめにぐるりとビニールテープを巻く。

3.横にもぐるりとビニールテープを巻く。

4.風船を持って、下に落とすと……?

ゴムが元に戻ろうとする力である弾性力(だんせいりょく)によるもの

【実験の解説】
風船にビニールテープを巻くことで、重みをつけるのと同時に、表面のゴムがぎゅっとかたまり、中の空気による元に戻ろうとする力(弾性力)が強くなります。

今回の実験では、縦3回、横1回の計4回ビニールテープを巻きつけました。巻く回数を変えると、風船のはずみ方も変わります。全面にぐるぐる巻くと、かぎりなくボールに近づきます。

【自由研究としてやってみよう!】

ビニールテープを巻いた風船と、巻いていない風船では、はずみ方がどう変わるのか調べてみましょう。

ほかにも、床までの落下速度や投げやすさなどのちがいをくらべてみても面白いですよ。

変化を観察! ポコポコはじける「コップの中のマグマ」

掃除のときに使う、重曹やクエン酸が余っているご家庭には、「コップの中のマグマ」もおすすめです。食紅や絵の具で色水をつくるので、好きな色で実験ができます!

ぜひ、身近なもので科学のおもしろさを体験してみてください。

重曹やクエン酸、液体などが目や口の中に入らないように注意しながら行いましょう。

【用意するもの】

・重曹…小さじ1
・クエン酸…小さじ1
・透明なグラス
・食紅もしくは絵の具
・水
・ベビーオイル(サラダ油やオリーブオイルでもOK)

【作り方】

1.グラスの半分くらいまで水を入れたら、食紅もしくは絵の具を加えて混ぜ、色水をつくる。

2.①にクエン酸を加えて混ぜる。

3.色水と同じくらいの量のベビーオイルを注ぐ。

4.③に重曹を加えると……?

重曹とクエン酸による化学反応で二酸化炭素が発生!

【実験の解説】

重曹とクエン酸を混ぜると化学反応が起きて、炭酸ガス(二酸化炭素)が発生します。

今回の実験では、赤い色水にクエン酸を加えて混ぜました。そこにオイルを注ぐと、水と油の重さの違いから、赤い水が下に、オイルは上にたまります。

その中に重曹を加えると、色水に溶けたクエン酸との化学反応で、炭酸ガスがたくさん発生します。炭酸ガス(気体)は軽く、オイルよりも上にいこうとするので、ポコポコとマグマが噴き出すような動きを観察することができます。

【自由研究としてやってみよう!】

色水は絵の具でつくってもよいですが、食紅のほうが透明感がでます。赤だとマグマのように、黄色や緑にすると爽やかな感じになります。

重曹やクエン酸の量を増やすことで、化学反応が起こる時間も変化するので、時間を図りながら観察して記録をつけてみましょう。

※ただし、一度に入れる重曹の量を増やしすぎると、化学反応が一気に起きてこぼれてしまいます。様子を見ながら少しずつ加えましょう。

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はじめての実験は、失敗してしまうこともあるかもしれません。

しかし、失敗も学びになるのが実験のいいところです。どうやったら成功するのか、いろいろな方法を考えて、またやってみることがさらなる学びにつながります。

2024年7月に発売した『3歳から親子でできる! おうち実験&あそび』には、このほかにも、親子で夢中になれる30もの“おうち実験&あそび”が詰まっています。

ぜひ、お子さんと一緒に、なにからトライするか、決めてみてください!

写真/島村緑
イラスト/角裕美

『3歳から親子でできる! おうち実験&あそび』著:いわママ(ワニブックス刊)
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