防災グッズの正しい置き場所とは? 子どもの年齢別の注意点についても解説

命を守る防災グッズの収納術 #2

一般社団法人 防災備蓄収納プランナー協会 代表理事:長柴 美恵

倒れる・落ちる・飛び出す収納は今すぐやめて!

「先ほどの防災グッズの収納例がなぜNGなのかわかりましたか? これらはすべて地震時に倒れたり落ちたり、物が飛び出す恐れがある収納方法です。

特に子どもがいる家庭では、ペットボトルの入ったケースが倒れたり、上から食品が落ちてくるだけでも大きなケガにつながります。

対策としては、棚をしっかりと固定し、重い物は下段に置く。扉には開戸ストッパーを付け、高い場所に収納しない。箱を積み重ねるのも避けることが重要です」(長柴さん)

高い棚には、開戸ストッパーを付けて防災対策を。  画像提供:防災備蓄収納プランナー協会 長柴美恵
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クローゼットの扉として使われていることが多い折戸の場合、地震時は中の物が移動したり崩れ落ちたりして、扉が開かなくなる可能性があります。中の物が飛び出さないようネットを張るのもおすすめ。  画像提供:防災備蓄収納プランナー協会 長柴美恵

子どもに合わせた防災グッズの収納のポイント

「子どもがいる家庭では、子どもの身長に合わせて防災グッズを配置しましょう。もちろん、子どもの身長によりますが、目安としては未就学児なら大人の膝下、小学校低学年なら大人の腰の高さ、小学校高学年なら大人の胸の高さです。

子どもの身長に合わせて収納すると、子ども自身で防災グッズを取り出せるようになります。これは、子どもだけで被災した場合の備えにつながります。

玄関に防災リュックを置く場合は、下段に子ども用のリュックを配置しましょう。ただし、子どもの防災リュックが下段だからといって、大人用の重い防災リュックを上段に置かないように注意してください。地震が発生したときに、重いリュックが棚から落ちる危険性があるからです。

また、トイレの凝固剤は上の棚に置くと子どもが届かないため、子どもが取り出せる位置に収納しましょう。

ちなみに、『子どもが平常時に防災備蓄用のおやつを食べてしまう』という悩みも親御さんからよく聞きます。この場合は、防災備蓄の半分は子どもの目の届かない場所にしまっておくのがおすすめです」(長柴さん)

未就学児の防災備蓄はローリングストックで

続いては、「未就学児」「小学生」に分けて、防災グッズの収納のポイントや準備しておいてほしい物についても教えていただきました。

「おむつやミルク、離乳食など、乳児用の消耗品は、防災備蓄用に別途用意するよりも、ローリングストックを活用しましょう。量に関しては、『足りない』事態は避けたいので、1週間分ではなく、2週間以上を目安に準備するのが望ましいです。

特にアレルギーを持つ子どもは、配給の食料が食べられない場合もあるため、アレルギー対応食品は2週間から1ヵ月分を用意しておきましょう。

なお、幼児になるとほとんど大人と同じ食べ物を食べられるようになるため、大人用の防災備蓄と一緒に用意するので構いません」(長柴さん)

〈未就学児:用意しておきたい防災グッズ〉
・おむつ、ミルク、離乳食、ベビーオイル、ガーゼ、おしりふき、爪切り等
・体温調節グッズ(ブランケット、ハンディファン等)
・防災リュック(1歳でも背負えるくらいの大きさのもの)

液体ミルクやおしりふきなどの消耗品は多めに備蓄。ラックの転倒防止対策や収納品の飛び出し対策も忘れずに。  画像提供:防災備蓄収納プランナー協会 長柴美恵

小学生の防災リュックはどこに置く?

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