産前産後ママに起こる「爪のトラブル」 日本のトップネイリストが対処法を徹底解説!

プロが教える自宅ケア! 自宅で簡単、ママ&子どもの爪ケア #2

子どもにネイルアートをしても大丈夫?

ネイルアートやジェルネイルの人気が高まるにつれ「子どもにしても大丈夫?」という質問が増えているといいます。木下さんは、その注意点を次のように解説します。

「近年、親が子どもにネイルアートを施す場合が増えており、その際は正しい知識と適切な製品選びが必要です。つけ爪やネイルアートに適した年齢、爪の状態についての正しい知識は、おしゃれを楽しむ年齢が低年齢化している現代においては特に重要でしょう。

子どもの爪は大人と比べて水分と油分をより多く含み、塗布した物質が長持ちしにくいという特性があります。また、爪がまだ柔らかいため、強い力を加えることで形が変わってしまう可能性もあります。爪や爪周りを強く押したり、刺激したりしないことが必要です。

これらの理由から、子どもが使用するマニキュアを選ぶ際には、有機溶剤を含まない水溶性のものや、刺激の少ない製品を選ぶ必要があります。

またネイルアートを楽しむ年齢としては、子どもの爪に塗布したものが乾くまで我慢でき、自己管理ができる年齢が理想的でしょう」(木下さん)

正しい知識と情報で、健康で美しい爪へ。  写真:アフロ

ジェルネイルで爪は傷まないの?

私たち大人の爪も、ジェルネイルやアートで傷むのでしょうか。

「ネイルサロンや、セルフネイル用品が増え、以前より手軽にネイルアートを楽しむユーザーも多くなりました。その一方で、つけ爪やネイルアートが爪の健康を損ねるのではないかと懸念される方もいらっしゃいます。

確かに、ジェルネイルやアートを頻繁につけ替えたり、逆にジェルを長期間つけたままにしておくのは爪を傷める原因になります。ですが、それぞれ適切な期間、そして確かなプロの技術によって施された場合は、実は爪の健康と美しさを導けることがあります。

爪の健康を損ねないためには、ジェルネイルは3~4週間、あるいは爪の根元にジェルが浮いてきたときがつけ替えのタイミングです。ジェルが浮くと、爪との隙間に異物が入って変質し、爪が緑色になってしまうグリーンネイルなどのトラブルになることがあります。

ただし、ユーザーの生活スタイルによってもつけ替え時期は多少異なりますから、判断がつかないときはプロのネイリストからアドバイスを受けるのもオススメです。

また、セルフネイルでは、間違った認識や誤った方法での施術がトラブルの原因となることもあります。頻繁なマニキュア(カラーポリッシュ)の塗り替えは爪が傷む原因です。セルフでマニュキュアを塗布する際も、爪を保護するベースコートとトップコートを塗ることをオススメします。

セルフでジェルネイルを施術するときは、爪周りの皮膚や、指にジェルがついてしまうことで、皮膚トラブルやアレルギーの原因になることもあります。また、自分でジェルをオフ(取り外す)するときは自爪を傷めないよう充分に気をつけましょう。

筆や、やすりなどの道具を使用したあとは、汚れを取り除き、道具に適した消毒が必要です。常に清潔に保ち、安心、安全に楽しみましょう」(木下さん)

爪を健康に保つためには、プロに委ねるべき施術と、自宅で行えるホームケアを区別することが大切です。適切な知識と技術に基づいたケアを心がけることで、美しく健康な爪を維持することができます。

次回は、紫外線対策&爪の乾燥と、ネイル文化のトレンドについて解説します。

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◆木下 美穂里(きのした みほり)
㈱ユミ・クリエイション代表取締役社長。NPO法人日本ネイリスト協会理事、名誉本部認定講師。エステティシャン。美容家、メークアップアーティスト、ネイリストとしての長年のキャリアを生かし、ネイルサロン、スクールの運営、ビューティーイベントやオンラインイベントのプロデュースや、「ネイルパーフェクトマニュアル」「ビューティフルネイル」など著書多数。JNAネイルトレンドプロジェクト長として最新ネイルトレンドを世界に配信。ネイルサロン・ラ・クローヌ主宰。

取材・文 瀧 千登勢

「健康な爪から美しい爪への秘訣」の連載は全3回。
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