「おちんちんはむけてないとダメ!」は間違い! ママ泌尿器科医と考える新しい性の価値観
ママ泌尿器科医・岡田百合香先生「おちんちんの教科書」#4 ~変わりゆく性の価値観~
2022.09.23
泌尿器科医:岡田 百合香
改めておちんちんのことを学び直す
「子育てで知っておいたほうがいいこと、やるべきこと、って無限にありますよね。離乳食だったり、病気だったり、発達や成長、教育だったり……。
たくさんのトピックスがあるなかで、保護者は『自分が情報をキャッチできなかったり、自分の無知や判断ミスで子どもに不利益を与えたくない』という強いプレッシャーを感じています」(岡田先生)
岡田先生自身も、子育ての当事者。子どもに関する情報には過敏になるし、できることならたくさん情報を入れて、やれることはすべて実践しなきゃという思いに駆られることもあると言います。
「特に性器の話は情報も限られていたり、錯綜(さくそう)していたり、ママ友たちとも共有がしにくい話題だったりで、一人で悩みがちです。情報をとってくるのも、真偽を見極めるのも、それを実践するのも大変なものでしょう。
でも、この本の内容さえおさえておけば、“おちんちん”についてはひとまずもう悩まなくて大丈夫、という《情報の上限の目安》になってほしいという思いを込めて、おちんちんの本を作りました」(岡田先生)
岡田先生は、たくさんの保護者と対話をするなかで、「私たち世代はきちんとした性教育を学び損ねてしまったから、今さら恥ずかしいしどう教えていいのか分からない」という方とたくさん出会ったといいます。
「だったら今が、勉強し直すチャンスです!
子どもにどう性教育をしていくかだけではなく、自分たちのために改めて性教育と向かい合って、前向きに学び直すことも大事ですよ」(岡田先生)
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担当編集者である加藤友理さんは『おちんちんの教科書』について、「子育て中のママだけでなく、子どもの性教育にもっと関わりたいと思っているパパ、自身のおちんちんについて悩みや不安がある男性が読んでも、医学的な“発見”と“安心”が持てる本だと思っています」と話します。
「おちんちんは、タブーな話題でも難しいコンテンツでもない。女性も男性も、すべての人がおちんちんの正しい知識と理解を持てる社会になればいいなと思います」(加藤さん)
おちんちんの話は、すべての人にとって大事な話。正しい知識を持つことは、人生をよりよいものにする「自分のための性教育」にもつながるのではないでしょうか。
取材・文/遠藤るりこ
PROFILE 岡田百合香(おかだ・ゆりか)
泌尿器科医。1990年岐阜県生まれ。2014年岐阜大学医学部卒業。愛知県内の総合病院泌尿器科に勤務する傍ら、助産院や子育て支援センターで乳幼児の保護者を対象にした「おちんちん講座」や「トイレトレーニング講座」、思春期の学生向けの性に関する授業などを行っている。男児(2018年生まれ)と女児(2021年生まれ)の母。
※岡田百合香先生「おちんちんの教科書」連載は全4回です。
#1 子どものおちんちんはむくべき!? 7000人の男性器を診たママ泌尿器科医が伝授
#2 子どものおちんちん・おまたはどう洗えば正解? ママ泌尿器科医が教える正しいケア
#3 「子どものおちんちん触りやシモネタは止めなくてOK!」泌尿器科医が教える注意すべき規準
遠藤 るりこ
ライター/編集者。東京都世田谷区在住、三兄弟の母。子育てメディアにて、妊娠・出産・子育て・子どもを取り巻く社会問題についての取材・執筆を行っている。歌人・河野裕子さんの「しつかりと 飯を食はせて 陽にあてし ふとんにくるみて寝かす仕合せ」という一首が、子育てのモットー。 https://lit.link/ruricoe
ライター/編集者。東京都世田谷区在住、三兄弟の母。子育てメディアにて、妊娠・出産・子育て・子どもを取り巻く社会問題についての取材・執筆を行っている。歌人・河野裕子さんの「しつかりと 飯を食はせて 陽にあてし ふとんにくるみて寝かす仕合せ」という一首が、子育てのモットー。 https://lit.link/ruricoe
岡田 百合香
泌尿器科医。1990年岐阜県生まれ。2014年岐阜大学医学部卒業。愛知県内の総合病院泌尿器科に勤務する傍ら、助産院や子育て支援センターで乳幼児の保護者を対象にした「おちんちん講座」や「トイレトレーニング講座」、思春期の学生向けの性に関する授業などを行っている。男児(2018年生まれ)と女児(2021年生まれ)の母。 『泌尿器科医ママが伝えたい おちんちんの教科書』(誠文堂新光社刊)。
泌尿器科医。1990年岐阜県生まれ。2014年岐阜大学医学部卒業。愛知県内の総合病院泌尿器科に勤務する傍ら、助産院や子育て支援センターで乳幼児の保護者を対象にした「おちんちん講座」や「トイレトレーニング講座」、思春期の学生向けの性に関する授業などを行っている。男児(2018年生まれ)と女児(2021年生まれ)の母。 『泌尿器科医ママが伝えたい おちんちんの教科書』(誠文堂新光社刊)。