ママが「幸せ」だと家族も幸せ ママの幸福度を上げる12のチェック項目

認定応用ポジティブ心理学プラクティショナー・松村亜里さんインタビュー 第1回 ライフバランスチェックシートでバランスを知ろう

認定ポジティブ心理学プラクティショナー:松村 亜里

医学博士・臨床心理士・認定応用ポジティブ心理学プラクティショナーの松村亜里さん。  写真提供:松村亜里

子どもと向き合う毎日は、幸せを感じながらも、正直とても疲れるもの。さらにコロナ禍の自粛生活で、ストレスを感じているママは多いことでしょう。そこでニューヨークライフバランス研究所代表であり、医学博士・臨床心理士でもある松村亜里先生に、「ポジティブ心理学」の観点から心が楽になるアドバイスをいただきました。第1回は12項目のライフバランスチェックシートをチェック。「どうも最近、調子がよくないな……」と感じるときは、まずは自分の心身の状態を確認してみてください。

ポジティブ心理学とは「幸せになるための心理学」

こんにちは。医学博士・臨床心理士・認定応用ポジティブ心理学プラクティショナーとして活動している松村亜里です。まずは私が専門としている「ポジティブ心理学」について説明しますね。

人が‟ストレスがない状態をゼロ“とすると、ストレスを多く感じているママはマイナスの状態になります。仮にマイナス3だと考えると、多くの人はマイナス3からゼロになろうとします。このように、これまでの心理学では、ゼロにするということが行われ、そしてマイナスの状態になっている人たちについては、「なぜこの人たちは鬱っぽいのか」という研究がされてきました。これが臨床心理学です。マイナスからゼロにするというのは、‟この辛さをどう乗り越えるか”がテーマになります。

私の専門としているポジティブ心理学では、幸せになるための心理学を研究したり、人に伝えたりしています。私たちが目指しているのは‟幸せ”です。先ほどの例でいうとマイナスからゼロになったとしてもまだ幸せではなく、ゼロからプラス3にしていくことを追求します。ところがこの分野は、長い間、科学的に研究されていませんでした。アメリカ心理学会の元会長・マーティン・セリグマン博士が1998年に「本当に幸せに生きるための科学」として、初めてポジティブ心理学を提唱したのです。こうして、今から20年ほど前から、当時は誰も取り組んでいなかった”本当に幸せな人たちの研究”が始まりました。

自分の心と体――ライフスタイルバランスをチェックする12の質問

ポジティブ心理学で大切なのは、まずは自分の心身状態の確認です。これから紹介する12の質問で、ご自身の心と体、ライフスタイルのバランスをチェックしてみましょう。以下の質問に1~5の5段階で答えてみてください。よく当てはまるなら5、当てはまらないなら1です。

【回答例】
1……まったく当てはまらない
2……あまり当てはまらない
3……どちらともいえない
4……だいたい当てはまる
5……とてもよく当てはまる

それでは、ライフスタイルのバランスチェックのスタートです。

質問・1 (家族・友人とのつながり)
悩み事を話せ、良いニュースを喜び合えるパートナーや友人がいる

質問・2 (楽しみ)
夢中になって楽しめる趣味や仕事がある

質問・3(マインドフルネス)
いま、ここに集中して、目の前のことを十分に味わっている

質問・4(希望・楽観性)
5年後、10年後の理想の自分を思い描くことができる

質問・5(学びと成長)
スキルや知識を得たり、成長するためにワクワクすることを学んでいる

質問・6(栄養)
旬の食材を丸ごと食べる、ゆっくり消化吸収される食材を選ぶ、など、自分が口にする食事に気を使っている

質問・7(睡眠・休息)
睡眠時間や休息はしっかりとれている

質問・8(運動)
1日20分程度の運動を週に3日以上行っている

質問・9(コミュニティ)
ご近所やママ友など、困ったときに頼れる、頼られる関係ができている。または、コミュニティになんらかの貢献ができている

質問・10(強み)
自分の得意なこと、これまでの経験で得たスキルや性格など、自分の強みを知っている

質問・11(経済的安定)
お金をマネジメントし、将来の経済的な不安を減らせている

質問・12(感謝)
日常生活の中で“ありがとう”と伝えたり、伝えられたことを上手に受け取れる

それぞれの質問に5段階で答えたら、答えた数字を簡単でいいので円グラフのように12点、丸く結んでみてください。1は低く、5 は高くなるように。この12の点を結んだグラフが現在のあなたの状態です。

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