8万人を指導のインストラクターが教える「子どもの自転車選び」と「短時間集中指導法」

運動苦手な子どもも大成功! 30分で補助なし自転車に乗る方法【後編】

榎田 綾

つまづいてしまったら? 弱点を克服する遊び3選

―――実際にインストラクターの方がよく聞かれるのはどんな相談でしょうか? どんなお答えをされていますか?

「ブレーキがなかなか使えないお子さんには『ルーレット遊び』をご提案します。『へんしんバイク』を逆さまに置いて、前のタイヤを回します。『ブレーキぎゅっ!』の合図で右のブレーキを握ってお子さまにタイヤのルーレットを止めてもらいます。握る力が弱い子はこれで遊んでいるうちに握力がつきます。説明がまだ理解できない小さいお子さまは『握ると止まる』という構造も体でわかるようになるんですよね。

また前を向いてこぐことも大事な成功のポイントですが、怖がってすぐ後ろを振り返ってしまうというご相談も多いですね。そういったときは、ご両親のどちらかが前方に立ち、名前を呼んであげたり、『あの木を見て、あそこまで行けるかな?』とゲーム感覚で目印をつけてあげてください。声かけの工夫で変化が見られることが多いです。

体験談の最後に『こぎ出しがなかなか安定せず、しばらくは乗り始めにフォローが必要だった』とありましたが、実はこちらも多いご相談です。こぎ出しは、『ケンケン、パッ』と片足で勢いよく地面を蹴り、加速することがポイント。スピードが出れば安定して乗れます。繰り返していると、ある瞬間に急にできるようになるお子さまが多いです。お子さまの様子を見て、苦手な部分を克服できる遊びをどんどん取り入れてみてください。」

ルーレット遊び。タイヤにシールを貼るなどの工夫で、楽しくブレーキの構造を知る
写真:榎田綾

身長85cm以上で足がつき 倒れても2歳児の力で起こせる!

―――2歳から乗れるというのは本当なのでしょうか?

「へんしんバイクは今から10年前の2011年に発売しました。当時のモデルは3〜6歳向けでペダル取り付け時の重量は8.2kg。当時一般的だった補助輪付き自転車の半分の重さだったので、驚かれた方も多くいらっしゃいました。しかし最近は2歳からキックバイクに乗る子が増えて、ユーザーの低年齢化が進んでいます。

私たちがこだわっているのは、前後ブレーキ付きで子どもが安全に乗れる自転車。2歳でそれを実現するために開発したのが『へんしんバイク2』です。サドルの高さを下げ、重量をさらに約1.5kg落としました。前後ブレーキ付き子ども用自転車では最軽量の6.6kg。2歳の子でも足が地面につき、倒れてもひとりで起こせる自転車であることがポイントです。

この『へんしんバイク2』を発売してから、2歳のお子さんから続々と『乗れた!』というご報告をいただいています。お聞きしている中で最年少は2歳3ヵ月!私たちインストラクターは開発から携わっていますので、ご報告は本当にうれしいですね。」

「へんしんバイク2」バランスバイク + ぺダルシステム一式セット22,000円(税込)。へんしんバイクの販売は公式サイトと一部の取扱い店のみ。
写真提供:ビタミンiファクトリー

コロナ禍に需要が高まったオンライン教室

コロナ禍で自転車教室のリアル開催が難しくなった代わりに、昨年からオンライン教室を始められたそうです。LIVE配信も行っていると吉原さんは言います。

「ZOOMではお子さまが乗っている様子を見て、インストラクターがアドバイスをします。この教室はユーザー限定ですが、より多くの方に気軽に見ていただけるように、最近、インスタグラムのLIVE配信も始めました。練習中の方の質問にリアルタイムにお答えし、遊び方のコツなどもお話ししています。

今はインスタグラム上で告知をする形の不定期開催なのでぜひフォローいただければと思います。コロナ禍、子どもたちの遊び方も変わってきました。外遊びが増えた今、たくさん体を動かして、できる喜びや達成感を多くの子どもたちが体験してくれたらうれしく思います。」

開発からアフターフォローまで担当されている吉原さん。へんしんバイクへの情熱と子どもたちへの愛情が伝わるお話でした。

自転車デビュー、何歳でチャレンジするかは子どもの個性や興味から、それぞれのご家庭の考えでタイミングを決められると良いと思います。
より多くの子どもたちが安全に、楽しく自転車デビューを遂げられることを応援しています。

へんしんバイク2ホームページ https://hb2.henshinbike.com
へんしんバイクX14ホームページ https://www.hobbybike.jp
へんしんバイク公式インスタグラム @henshinbike

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えのきだ あや

榎田 綾

書籍編集者

1979年生まれ。出版社にて育児情報誌、ファッション誌の編集・ライターを経て、書籍編集者に。 ファッション、美容、子育て等をテーマとした女性実用書の企画編集を手がける。2014年に独立。結婚、出産と共に福岡県へUターン。 小学生と未就園児、二人姉妹の母。子育ての合間の、ものづくりが息抜きで、アクセサリー作家としても活動している。

1979年生まれ。出版社にて育児情報誌、ファッション誌の編集・ライターを経て、書籍編集者に。 ファッション、美容、子育て等をテーマとした女性実用書の企画編集を手がける。2014年に独立。結婚、出産と共に福岡県へUターン。 小学生と未就園児、二人姉妹の母。子育ての合間の、ものづくりが息抜きで、アクセサリー作家としても活動している。