子どもの【耳の病気】話し声が大きいは要注意! 耳が聞こえていない可能性アリ 〔耳鼻咽喉科専門医が見分け方を解説〕

癖からわかる 子どもの耳・鼻・のどの病気 #2

親が子どものときに耳鼻科通い。体質傾向は我が子に遺伝している可能性が

耳鼻咽喉科専門医として長年、診療にあたっている工藤先生は、子どもを診ていると、付き添っている親御さんから自分も子どものころによく耳鼻科に通っていたという話を聞くそう。

「今のクリニックで中耳炎が治りにくい子を診ていると、付き添いの父親が、かつて私に中耳炎の手術をしてもらった経験があると話してくれたこともあります。

親御さんがもし、子どものころに中耳炎を繰り返していたとか、鼻が悪かったというのであれば、粘膜や細胞の働きの傾向が我が子も似ている可能性があるので、より注意してあげるといいでしょう。

現在は感染状況の変化もあるので、必ず体質傾向が原因だ、とまでは断言できませんが、家系を踏まえることも子どもをよく観察する、あるいは病気に気づくきっかけになります」(工藤先生)

【こんな耳の症状に注意 ①】プールも原因!? 耳がくさい場合に考えられる病気

耳がくさいという症状は、割合的には幼い子に多く見られます。

急ににおいが気になった場合は、耳漏(じろう/耳だれのこと)や耳の炎症を考えましょう。

また、溜まっていた耳垢(じこう/耳あかのこと)が、プールの水でふやけてくさい場合や、耳の周辺を洗っていないためににおうこともあります。

耳がくさい以外に見られる、子どもの様子

耳漏が出ている、耳を手で押さえる、機嫌が悪いなど。

疑われる主な病気

中耳炎(急性・慢性など)、外耳炎など

対処法

耳漏が出ていたり、耳を手で押さえる仕草が見られた場合は、耳の聞こえにも影響する急性や慢性の中耳炎、外耳炎が考えられます。耳痛を子どもが訴えているなら、耳の周囲を冷やしてあげましょう。どの症状も、耳鼻咽喉科の受診が必要です。

耳垢が溜まっている場合も、耳鼻咽喉科で耳掃除をしてもらうといいでしょう。耳の周辺が汚れている場合は、入浴の際に清潔にしてあげてください。

中耳炎は夏よりも風邪がはやる冬の病気

水泳の授業が行われる季節になると、気になる耳の病気として急性中耳炎を挙げる方がいますが、プールの水が耳に入ることで中耳炎になることはほとんどありません。

急性中耳炎は、鼻から耳にバイ菌が入るというのが感染経路なので、バイ菌に侵された鼻水をすするなどが原因です。主にインフルエンザや風邪がきっかけになるので、急性中耳炎は冬の病気と認識しておくといいでしょう。

とはいえ、夏に急性中耳炎にかかった場合は、耳鼻咽喉科を受診し、水泳は控えてください。入浴も軽く済ませることが肝心です。

声が大きい子にはどんな病気が隠れている?
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