新築マンション 購入1年後に2男児ママが直面! 「理想と現実のギャップ」

最大の敵は自分自身!? 「浮き足立った気持ち」「思い込み」にご用心

笹川 かおり

写真:AdobeStock

9歳・3歳の男の子きょうだいを育てるエニママのライター・笹川かおりです。

本記事では「立地」をテーマに、マンション購入後1年が経過した現在のリアルな感想をお伝えしたいと思います。

我が家は2022年に、東京都の多摩エリアに新築マンションを購入しました。入居してから1年経った今、ウキウキと高揚した気分が落ち着き、さまざまな「現実」が見えてきています。

今日は、そんな私が今感じている「立地」関連の理想と現実のギャップを、みなさんにご紹介したいと思います。

「大きな公園が近くていい!」と思ったら……?

ちょっとした遊具があり、ボール遊びができそうな広いスペースもある公園。小学生の息子が放課後遊ぶのによいと思ったのですが……。 写真:AdobeStock 写真はイメージです

長男が引っ越し先の地域に早くなじめるよう、近くに公園があるマンションを選択

新居の条件として、小学3年生で転校することになる長男への負担がなるべく少なく済むよう、「近くに小学生が遊べる公園がある」ことを挙げていました。はじめは友達が少なくて寂しくても、毎日公園に遊びに行くことで顔なじみが増え、スムーズに地域になじめるのでは? と考えてのことです。

幸い、購入したマンションから徒歩1分程度の場所に、ジャングルジムやブランコといったちょっとした遊具と、子どもたちが思い切りボール遊びをしても問題なさそうな広いスペースがあるA公園がありました。

信号や横断歩道を通過せずに大きな公園に遊びに行ける立地で安全面でも安心! と、満足していたのですが……。

近くの公園には友達がいない! 片道10分の公園まで送迎することに……。

実際に住みはじめて数ヵ月したころ、長男が「B公園に友達がたくさんいるから行きたい」と言いはじめました。B公園は我が家から徒歩10分ほどの距離があり、行くには4車線の大通りを渡る必要があります。

「遠いし車通りも多いし、危ないよ。A公園じゃだめなの?」と尋ねると、「A公園には同じ学年の友達がいない。3年生がたくさんいるB公園がいい」との返答。

私は思わず、「えっ、そうなんだ……」と言ったきり、絶句してしまいました。いくら家の近くに公園があっても、そこで仲のよい子が遊ぶとは限らない、ということに、考えが及んでいなかったのです。

ようやく新しい小学校の生活に慣れ、新しい友達と外で遊ぶまでになった息子からのリクエスト。無下にすることはできず、結局、計40分を使って公園まで送迎することになりました。

私は、平日は(在宅ワークではありますが)仕事をしており、さらに3歳次男の送迎にも毎日40分を使っているので、週に2回ほど発生するこのプラスアルファはとても手痛く感じています。

「保育園・幼稚園が少し遠くても平気、妥協は必要!」その現実は……?

毎日の送迎って本当に大変ですよね……。 写真:AdobeStock 写真はイメージです

「妥協も必要!」「送迎は私が担当する!と豪語した私

当時、2歳児クラスまでしかない小規模保育園に通っていた次男。購入したマンションの周辺は、倍率の高い認可保育園と定員いっぱいの認証保育所ばかりで幼稚園はひとつもなく、「3歳児以降の園はマンション周辺では見つからないかもしれない」という状況でした。

それでも、そのときすでに、実際に購入したマンションを第1希望と考えていた私。その状況で出した答えは、「気に入った家に住むためには妥協も必要! 送り迎えに時間がかかるのは仕方ない!」でした。

本当に大丈夫か……と冷静な夫のことは「送り迎えは私が担当するから」と説得。今思えば、このマンションに決めたい気持ちが先行し、冷静さを欠いていました……(一応、駅周辺の認証保育所の順番待ちには申し込みました)。

ルンルン気分の新居生活はあっという間に「現実」に変わる

実際に園探しをはじめたのは入居してから半年以上が経った時期でしたが、案の定、マンション周辺には入園できそうな幼稚園・保育園はありません。よさそうな保育園は送迎に計1時間以上かかるし(我が家は車を持っておらず、送迎は電動自転車頼りです)、送迎バスのある幼稚園は保育時間が短い……。

すでに「新居での夢のような暮らし」という浮き足立った気持ちが醒め、マンションでの生活が「現実」になっていた私。「夫に『送迎には時間がかかっても仕方ない!』『送迎は私に任せて!』って豪語したなぁ……」と、過去の浮かれた自分をぼんやり思い出しながら、一体どうしたものかと途方に暮れたのでした。

結局、「定員いっぱいで入園できる可能性はほぼない」と言われていた近隣の認証保育所から空き枠のご連絡を奇跡的にいただき、そこに入園を決めたのですが、素敵な家に住むぶん、これくらいは我慢できるという気持ちはしばらくするとなくなる。浮き足立った気持ちはNG、という教訓を得た私でした。

「目のまえに便利な商業施設ができる!」実際にオープンしたら……?

ミニスーパーくらいは入るだろう、と期待していましたが、実際は……。 写真:AdobeStock 写真はイメージです

目の前に新規オープンする商業施設にウキウキ!

購入したマンションのすぐそばでは、同じデベロッパーが開発する商業施設も同時に建設中でした。

購入時点ではテナントは決まっておらず、開業も入居から半年後とのことでしたが、「さまざまなジャンルのテナントが入居し、生活が便利に豊かになる」との謳い文句に、「どんなテナントが入るのだろう」と発表を心待ちにしていました。

入ったテナントは、子育て中の我が家には縁遠いものが多かった

しかし、実際に決定したテナントを見てみると……パーソナルジム、ヨガスタジオ、高級志向の飲食店、リフォーム会社……と、決して万人に寄り添っているとは言いがたいラインナップ。特に、我が家のような子育て中の世帯には利用のハードルが高いと感じるようなテナントばかりでした。

マンションは最寄り駅から少し距離があるため、ミニスーパーやコンビニのどちらかが入ってほしいと思っていましたが、そのどちらもナシ。気軽に入れるカフェすらなく、「誰のための商業施設なんだろう」と、正直がっかりしてしまいました。

わかっています。担当者の方々がテナント探しに奔走してくださったことも、勝手に期待した私が間違っていて、「がっかり」などと口にするのはおかどちがいだということも……。しかし、ものすごく楽しみにしていたぶん、現実を知ったときの反動も大きかったのでした。

マンションの広告には、消費者の心を動かすために考え抜かれた魅力的なコピーや写真、イラストがふんだんに使われています。しかし、マンション購入はエンターテイメントではなく、一生に一度レベルの大きな買いもの。現実中の現実です。イメージや希望でものごとをとらえて期待するのはNGだとしみじみ感じました。

「浮き足立った気持ち」と「思い込み」には特に注意

『2男児ママ 新築マンションを購入してからわかった! 「子育てに向いてない間取り」とは』でも書いたとおり、私は住宅購入検討期間は「情報収集の鬼」と化し、とにかく客観的な判断ができるよう努めました。そのため、今回みなさんにご紹介した「理想と現実のギャップ」はどれも、私にとっては致命的なものではありません。

【参考】
2男児ママ 新築マンションを購入してからわかった! 「子育てに向いてない間取り」とは

しかし、こうしてあらためて列挙してみて、今「こんなはずじゃなかった」と感じていることのどれもが、深く考えずに勝手に思い込んだり、気持ちが浮足立っていたりしたことによるものだと気づきました。

住宅購入を検討している方には、とにかく「浮き足立った気持ち」には要注意! とお伝えしたいです。

私のこの経験が、どなたかのお役に立てることを願っています。

ささがわ かおり

笹川 かおり

Kaori Sasagawa
AnyMaMa(エニママ)ライター

AnyMaMa(エニママ)ライター兼コクリコ・サポート・エディター 東京都の多摩エリアで2男児(2014年、2020年生まれ)を育てる母。広告営業、ママ向け育児サイトの編集を経て、2019年に独立。エニママではライフスタイル・ビジネス・インタビュー記事などの制作を担当。 AnyMaMa:https://anymama.jp/  Twitter:https://twitter.com/AnyMaMaJP

AnyMaMa(エニママ)ライター兼コクリコ・サポート・エディター 東京都の多摩エリアで2男児(2014年、2020年生まれ)を育てる母。広告営業、ママ向け育児サイトの編集を経て、2019年に独立。エニママではライフスタイル・ビジネス・インタビュー記事などの制作を担当。 AnyMaMa:https://anymama.jp/  Twitter:https://twitter.com/AnyMaMaJP

コクリコサポートエディターズ

Cocreco Support Editors
編集者・ライター

コクリコサポートエディターズ(CSE)は、コクリコの第2編集部。コクリコと、ママの社会復帰を支援するサービス「AnyMaMa(エニママ)」が協力して立ち上げました。子育てをしながら、ほかのお仕事をしながら……など、さまざまな立場で、子どもとの毎日が楽しくなる記事を発信していきます。

コクリコサポートエディターズ(CSE)は、コクリコの第2編集部。コクリコと、ママの社会復帰を支援するサービス「AnyMaMa(エニママ)」が協力して立ち上げました。子育てをしながら、ほかのお仕事をしながら……など、さまざまな立場で、子どもとの毎日が楽しくなる記事を発信していきます。