ママの【在宅ワーク】派遣社員〜専業主婦から「動画編集」に挑戦した地方2児ママの「リアルエピソード」 

子どもと一緒に仕事も家事も! 家族一丸となって挑戦する在宅ワークの実態

コロナ禍を機に注目を集めた在宅ワーク。家事・育児との両立がしやすいイメージがありますが、実際のところはどうなのでしょうか? 実際に在宅ワークの世界に飛び込んだママにお話を聞いてみました。

お話をうかがった人
渡辺さん(仮名)30代 埼玉県在住
・家族構成:ご本人、娘(小4)、息子(年長)
・趣味:YouTube鑑賞、邦画視聴、音楽鑑賞、食べ歩き、旅行、麻雀少々
・特技:クラリネット演奏、手話を少し

1日のスケジュール(在宅ワークのある日)

7:30 起床
8:40 幼稚園送り出し
9:00 買いもの、病院など学校に提出する実技動画の撮影(公園の鉄棒など)
10:00 仕事 長女:自宅学習
12:00 昼食づくり、夕食の仕込み
12:30 片付け、夕食の仕込み続き
13:00 洗濯・掃除など
    長女:課題の続きや読書
14:30 幼稚園お迎え
15:00 風呂
16:00 自由時間  実技撮影の印刷
17:00 夕食
18:00 寝る支度
19:00 寝かしつけ
21:00 家事、朝食準備
22:00 再稼働

コロナ禍をきっかけに専業主婦から在宅ワーカーに

派遣で事務やデータ入力の仕事をしていた渡辺さん。結婚をきっかけに退職し、しばらくは専業主婦をしていましたが、新型コロナウイルス感染症の流行がきっかけで、在宅ワークにチャレンジすることにしました。

在宅ワークをはじめるにあたり、モヤモヤした気持ちはなかったものの、渡辺さんにとっては初めての挑戦。発達障害グレー児や不登校児を抱える自分にできるのか、不安があったようです。

それでも、「エニママ」を通して経験のあるデータ入力やSNS関連の委託を受けたり、稼働時間に制限のない仕事を選んだりと、少しずつ仕事と家事・育児の両立を目指しました。

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自治体の「在宅ワーク育成支援プログラム」を利用

在宅ワークをはじめた当初はデータ入力やSNS関連の仕事をしていた、という渡辺さんですが、現在の仕事のメインは動画編集です。

渡辺さんが動画編集を始めたきっかけは、自治体が開催する「在宅ワーク育成支援のプログラム」の情報を得たことなのだそう。このプログラムには、

・画像・動画編集
・ライティング
・WEBサイト制作

の3コースがありました。

このなかで一番渡辺さんの興味をひいたのが、動画編集のコースでした。実際に応募してみたところ、審査を通過することができたのだそうです。

「無事合格できた」と謙遜する渡辺さんですが、筆者は、この合格がむしろ必然だったと感じています。

実は、動画編集の経験がある渡辺さん。学生のころ、所属していた放送部で動画編集をしていたのです。仕事としての経験はなかったものの、学生時代の経験を強みとしたことが、渡辺さんを合格に導いたのではないでしょうか。強みを仕事に生かした成功例といえますね。

気分を変えて、コワーキングスペースを利用する日も。

在宅ワークをはじめてよかったこと、わるかったこと

在宅ワークの魅力は、一日のスケジュールを自由に調整できることです。渡辺さんは、隙間時間を使って、昼食や夕食の準備、片付けなどをおこなっています。娘さんが不登校のときには、娘さんの自宅学習に合わせて仕事をするなど、上手に時間を使っていました。

在宅ワークをはじめたことで、「収入を得る喜びや、達成感を得られる機会が増えた」と生活に張りが出てきた渡辺さん。得られた収入を貯金やおこづかいにあてられるようになったそうです。しかし、夜間に仕事をすることで、寝不足が続いたり、生活リズムのズレから家族とすれ違ったりすることもあったようです。

仕事に慣れてきた現在では、0時を越えて作業をしないといったマイルールを決め、無理しないように気をつけています。

また、渡辺さんは、反省点はあるものの、在宅ワークが家族のつながりを深めるきっかけにもなっていると感じています。たとえば、動画編集で行きづまったときは、子どもに意見を求めることがあるのだそう。子どもならではの視点でアドバイスがもらえるので、とても助かっているようです。仕事が家族とコミュ二ケーションをとるきっかけになっているのは、とても素敵ですね。

普段の家事や育児で工夫をするようになったこと

仕事が忙しくなると、家事や育児がおろそかになってしまうのは、ワーママあるあるでしょう。渡辺さんは、家事ができないときは無理におこなわず、利用できるものをできる限り使うことにしています。

・洗濯は乾燥まで洗濯機にお任せ
・食事がつくれないときはテイクアウトを活用
・栄養バランスは1週間で考える

このように、効率重視で無理をしないように、子どもたちも含めた家族全員で家事を分担しているそうです。家族全員が協力して家庭を支えることで、子どもたちは家事を覚えるだけでなく、相手を思いやる心もはぐくまれているのではないでしょうか。

「たまには冷凍食品もあり」と渡辺さん。食事がつくれないときは、無理しすぎません。
ひとつの料理で汁物、主食、主菜が完結する鍋ものは冬の定番メニュー。子どもたちが好きなのは煮込みラーメンだそう。

動画編集のスキルを社会活動にも生かしていきたい

渡辺さんは、学生時代に所属していた放送部での経験から、今後は、動画編集だけでなく撮影にも関わりたいと考えています。子どもたちとのロケやワーケーション、親同士のコミュニティや家庭教育、不登校支援などについて、動画を使った周知活動をすることを目標にしています。

在宅ワークにチャレンジするなら、経験を生かすのがおすすめ

渡辺さんはこれまで、データ入力やSNSの選定、インタビューなど、経験がないなかでも引き受けられる仕事に挑戦しながら、自分のやりたいことを模索してきました。さまざまな仕事を受けたことで、自身の経験やスキルの棚卸しにつながったようです。経験を生かせる仕事が見つかってからは、必要なスキルを磨くために行動しています。

在宅ワークに興味があるなら、渡辺さんのように、自身の経験を生かせる仕事を探すとスムーズでしょう。また時には、「実務経験がなくても、何らかの方法で業界に飛び込んでみる」のも、道を切り拓く方法のひとつかもしれません。

※画像はすべて渡辺さんご提供