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子育てにお金はどのくらいかかる? 実態を徹底解説

写真:アフロ

子育ての大きな心配ごとのひとつに、お金の問題があります。主な出費である「教育費」では、塾の費用、学校の入学金や授業料の値上げも多く、それに限らず、教育費以外にもさまざまにお金がかかります。それぞれ、原因と対策について見ていきましょう。

各家庭の事情はそれぞれです。「正解」は家庭の数だけあります。ひとつのヒントとして、お役立てください。

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子育てにお金がかかりすぎる…って本当?

昨今、社会問題のひとつとして、子育てにお金がかかりすぎることが報じられることも増えています。その実態について見ていきましょう。

1.子育てにかかるお金の実態

2022年秋に明治安田生命が発表した「子育てに関するアンケート調査」の結果から、子育てにかかる費用の月額平均は下記の表のとおりです。

「子育てに関するアンケート調査」(明治安田生命 2022年9月28日)

▲子育てにかかる費用の月額平均(2022年 明治安田生命発表)

4歳以降、幼稚園に入園し大学4年間(自宅から通学の場合)までの総額のイメージは、下記の表のようになり、進路によって金額が大きく違います。

参照「子どもの学習費調査」(文部科学省 2021年)/「教育費負担の実態調査結果」(日本金融政策公庫 2021年12月20日)

出典:子供の学習費調査‐結果の概要(文部科学省)
出典:子供1人当たりにかける教育費用(日本政策金融公庫)

2.学年・年齢によって変わる子育てのお金

小学校入学以降、学年、年齢によっても子育てにかかる費用は変わってきます。

内閣府の「平成21年度インターネットによる子育て調査」では、幼稚園・保育園入園前、幼稚園・保育園の期間、小学校低学年、小学校高学年、中学校と分けて子育て費が確認できます。

こちらの報告書は物価、社会保障費、消費税等が現在と異なるため、イメージを把握する資料としてご覧ください。

▲0歳~2歳

出産から幼稚園・保育園に入る前は、生活必需品の支出割合が大きな時期です。0歳のときは出産祝いに関わる支出も目立ちます。

▲3歳~6歳(保育園・幼稚園の期間)

幼稚園・保育園に通うころになると、幼稚園・保育園の費用(保育費)が大きくなりますが、生活必需品費の支出が以降、大きく変化せずに安定してきます。

▲小学校低学年(1~3年生)

小学校に入学すると保育費が大きく減り、学校教育費と塾などの学校外教育費、習い事などの学校外活動費が増えていきます。

低学年のうちは、学校外教育費よりも学校外活動費の支出が多い傾向です。小学校入学後も保育費が発生する理由は、学童保育の利用など、子どもを預かってくれる機関の利用が小学生のうちはあるからです。

小学校入学後は数回にわたり、成長が盛んになる時期があるため、それに合わせて衣類・服飾の支出が増えます。

▲小学校高学年(4~6年生)

小学校高学年になってくると、学習塾へ通うご家庭が増えることもあり、学校外教育費が増え、学校外活動費が減る傾向になります。

このころより、子どものための預貯金・保険への支出割合が下がってきます。割合が下がっても金額が下がっているわけではなく、徐々に子育てにかかる年間の総額が高くなっているためです。

▲中学生

中学校に入ると、体の成長に合わせ食費が多くなっていきます。また、中学校入学とともに機会は少なくなるレジャーも、子ども料金から大人料金へと変わるものもあり、かける時間は少なくても金額感は変化をあまり感じられないでしょう。

また、高校受験に向けて学校外教育費が増えてくるころです。

3.成人した後にもお金がかかる場合も

子どもが大学を卒業した後も、お金がかかる場合もあります。
就職難から大学院進学を選ぶ学生の割合が増えています。また、就職後も生活費を親が負担する家庭も見られます。

子どもの意識の問題、ということもありますが、ここのところの物価高騰に対し、給与が上がらない経済状況、また奨学金返済による経済的圧迫にで、成人後も親を頼る若者が少なくありません。

対策として、どこまでを親が負担するかの取り決めを早い段階で子どもと話し合っておくことです。社会人となってからの経済状況を想定して、早い段階で子どもにお金の教育を始めるのも良いでしょう。

子育てにかかるお金の内訳をチェック

ここで、子育てにかかるお金を大まかな項目で分けて見ていきましょう。

1.学校に関わるお金

幼稚園・保育園・小学校・中学校・高校・大学で発生する支出は変化していきます。

文部科学省令和3年度子供の学習費調査の結果では、幼稚園から高校までの公立・私立での1年間の学習費総額は

▲幼稚園から高校までの公立・私立での1年間の学習費総額

出典:子供の学習費調査-結果の概要

と発表されています。
この金額は「学校教育費」「学校給食費」「学校外活動費」の総額です。

学校教育費には、小学校で使用する算数セット、お裁縫セット、書道セットといった学用品や、体操着・ジャージ、中学校の制服などもあります。

給食のある学校では給食費、修学旅行、林間臨海学校、遠足などの積み立てや参加費、さらにPTA会費も学校に関わるお金になります。

大学生からは学費のほか、自宅通学か学校近くで一人暮らしを始めるかで金額が変わります。
日本金融政策公庫「教育費負担の実態調査結果(2021年12月20日発表)」によると、大学生の在学費用は国公立で年間103.5万円、私立文系で152万円、私立理系で183.2万円と発表されています。

全国大学生活協同組合連合会「第57回学生生活実態調査」によると、実家暮らしの大学生の1ヵ月の生活費の平均が6万2,970円、一人暮らしの場合は12万5,040円とのことです。

これらの数字から、高校までの学習費と大学の学費、大学4年間の生活費を計算すると下の表のようになります。

▲高校までの学習費と大学の学費/大学4年間の生活費

学費について、大学費用に奨学金を活用するケースが多く見られます。また、私立では特待生制度を用意していたり、企業が会社の社会貢献として独自の奨学金制度を用意しているところもあります。

令和2年4月より実施されている「高等教育の修学支援新制度」にて大学無償化への働きかけもあります。ただし、大学でかかる学費全額が無償というわけではありません。利用にはさまざまな要件を満たす必要があるため、利用にはハードルが高い場合もあります。

受験情報サイトでは随時、奨学金情報も更新されていますので、塾選び、学校選びと合わせて、奨学金情報も早い段階から調べておくと良いでしょう。

2.進路によって変わる学習塾のお金

小学校高学年あたりから学習塾に通う家庭が多くなり、中学受験、高校受験、大学受験のそれぞれで金額が大きくなる時期を迎えます。

最近では大手予備校が小学校受験から高校受験までの学習塾をグループに迎え、系列塾にて一貫して学ぶところもあれば、理系、医科学系、語学系など特化型の塾もあります。

どのような進路を選ぶか、また集団塾、個別指導塾、通信教育といった指導形式でも金額が大きく変わります。

小学生の場合は、補習塾の場合は年間10万円~25万円程度、中学受験をする場合で小学校4年生から小学校6年生で300万円以上となる塾が多く見られます。

中学生の場合は、補習塾・進学塾を兼ねているところがほとんどのため、集団指導か個別指導と、選択する授業数で金額が変わります。

大手の集団指導塾では3年間の年間授業料を平均すると7万円~18万円の間に入る塾が多く、個別指導塾の場合は10万円~40万円程度になります。
この他に季節講習で年間5万円~30万円、模試の費用も受験期の3年生で年間3万円~5万円かかります。

高校生になると受験に向けた学習も進路により大きく異なってきます。そのため、受験時の科目数、理系・文系によって予備校での金額も代わりますが、現役生の場合は1教科で10万円~30万円、3教科で50万円強ほどの授業料が相場です。他に入学金、模試費用が別途、必要となる場合があります。

理系特化型、医科学系の予備校の場合は割高な設定の授業料になります。

しかし、大学入試準備については、一部の高校では、近隣の学習塾と連携して補習を行っていたり、通信教育設備を導入していますので、必要なものだけ個別指導塾を利用するという受験生も多くいます。

また、大手予備校では成績優秀者への学習支援制度を用意しているところもありますので、勉強が好きな子どもにはチャレンジさせても良いでしょう。

大学受験までの学習塾の費用について見てきましたが、金額だけで決めず、必ず子どもと塾、予備校、担当の先生との相性を確認しましょう。お子さんが楽しんで通う塾であれば、良い投資となるでしょう。

3.習い事のお金

習い事も子育て費の中では注目しておきたいものです。

ピアノ、バレエ、ダンス、絵画などの芸術系の習い事は教室の規模によりますが、5,000円~1万5,000円の間が相場です。注意点は発表会、試合、展覧会などで特別出費の可能性がある点です。

サッカー、野球、ソフトボール、テニス、スイミング、器械体操などのスポーツ系は2,000円~1万円が相場です。しかし、ユニフォームやシューズといったアイテムの出費、試合の遠征費、応援のための支出と、チームやスクールによって、月謝以外の支出が多く発生する場合があります。

4.見落としがちなお付き合いのお金

子育て中は、子どものためにかけるお金の他、お付き合いのお金もあります。親族、知人との間でのお祝いやお礼、年始のお年玉、地域での子供会費などです。

また、塾や習い事によってもお礼や懇親会などでお付き合いのお金が発生する場合があります。
家族・親族内でお付き合いの範囲をどこまでとするかを話し合って、必要に合わせて予算を確保するようにしましょう。

5.生活・健康に関わるお金

子どもの健全な成長のために不可欠なのが病気予防、怪我予防です。衛生的な生活のために衛生費も必要です。医療費については、中学生までは子どもにかかる医療費の自己負担分を自治体が助成する仕組みがあります。

しかし、子どもの病気・怪我により付き添いが必要となった場合、親の収入に影響する場合もあります。

子育てにかかるお金・出費のために備えておきたいこと

子育てにかかるお金・出費に備え、日頃から気をつけておくことを解説します。

1.ライフプランを作成する
2.こまめに収支を管理する
3.家族のお金会議を開催する

1.ライフプランを作成する

人生のあらゆるステージを想定して、お金の対策表として作成するライフプラン表。銀行など金融機関のホームページで、気軽に作成できるものも増えてきました。

専門的な知識は気にせずに、家族全員の年齢を入れて、子どもは何年後に入学・卒業・受験があるのか、そのときに家族はどのような状況になるか、を確認できるようにしましょう。

住宅購入やリフォーム、自動車購入など大きなお金が動く時期や収入の流れ、介護の有無なども入れて、子育て期のお金の流れを大きく把握してから計画を立てるのが大切です。この大きな流れがつかめると、準備するべき金額も見えてきます。

また、子どもの年齢に応じて、申請できる助成金や奨学金情報を集めていきます。子育てのお金の対策は早め早めが大切です。

2.こまめに収支管理する

大きなお金の流れを摑んだら、次は日頃の小さなお金の流れを摑むことです。最近では、スマホで簡単に入力ができる家計簿アプリがあります。

買い物を済ませたところでレシートを撮影してアップしたり、キャッシュレス決済したものが自動でデータ入力される便利な機能がありますのでストレス少なく管理できます。

また、投資用の証券口座との連携が可能なものもありますので、家族で管理しやすいものを話し合って選び、活用しましょう。

3.家族のお金会議を開催する

子育てのお金は子どもの成長をサポートするとともに、子どもが社会に出るために必要な投資とも言えます。全てを親が与える、ではなくて、子どもにも「自分ごと」として自分のために払われるお金について考える機会を作ることは、活きたマネー教育にもなります。

子どものために使うお金については子どもも参加してのお金会議を開くのがおすすめです。

子どもがどうしても欲しいもの、やりたいことがあるときは、プレゼンさせお父さん・お母さんが納得したらお金を使う、というのも、良いでしょう。

最後に

今回は、子育てにかかるお金と対策として日頃、気を付けること、取り組むべきこと、準備することを解説しました。大切なことは、子どもの個性と特性に合わせた子育てと資金計画です。

紹介したデータでは、驚くほどお金がかかっているものもありますが、その全てが子どもに必要というわけではありません。

ご家族のライフプランに合わせ、お子さんの成長を応援する子育て費にしていきましょう。