完全母乳・混合・ミルク…多いのはどれ? 出産直後のママのリアルを聞いた

赤ちゃんとママにとっていちばん幸せな授乳方法とは

コクリコラボ

写真:アフロ

「出産直後のママ」特集の第2回のテーマは「赤ちゃんへの授乳方法」です。授乳方法として主な3つ(完全母乳、混合栄養、ミルク)のそれぞれについて、経験したママにメリットやデメリットを聞きました。これから出産を控えているママにはぜひ、すべての授乳方法のリアルな声を読んで欲しいと思います。

【出産直後のママ】
第1回第3回第4回第5回を読む(公開日までリンク無効)

コクリコラボアンケート
「AnyMaMa(エニママ)」登録者およびコクリコメルマガ会員を対象に 2024年6月5日~6月18日インターネット上で実施。有効回答数は109件。
※基本的にアンケート回答の原文をそのまま記載しています。ただし文字数の都合上、一部抜粋や主旨を損なわない範囲の要約・編集を行っている箇所があります(明らかな誤字等は修正のうえ記載)。

コクリコとAnyMaMa LIFESTYLE.Labが協働で、子育て課題解決×読書文化を目指すプロジェクト「コクリコラボ」。
ママの社会復帰を支援するサービス「AnyMaMa(エニママ)」で活躍するママたちのリアルな声を集めながら、新たなサービスや取り組み、ライフスタイルのアイデアを生み出していきます。

授乳は母乳とミルクどっちが多い?

コクリコラボアンケート

コクリコラボでは、ママたちに出産後の授乳について聞きました。上のグラフをご覧になってわかるように、1人目の赤ちゃんでは混合がもっとも多く55.6%。2人目だと完全母乳がもっとも多く48.6%、次に多いのは混合で42.9%でした。3人目のお子さんがいるママでは、完全母乳と混合が同数で46.7%でした。ミルクは1人目から3人目までほぼ割合は変わらず、全体の6~7%を占めています。

授乳は母乳の出やママの体調など個人差があるため、必ずしもママの希望どおりにはなりませんが、ここではママの経験を便宜上メリットとデメリットに分けて掲載します。

※母乳・混合栄養・ミルク、それぞれの育児の注意や正しい知識は医師監修のこちらの連載をご覧ください。
「母乳・ミルク・混合」結局どれがいいの? 東大医学部卒のママ医師が徹底解説

◆完全母乳のメリット

まずは完全母乳を経験したママにメリットを聞きました。

・出かけるときの荷物がすくない。

・哺乳瓶の消毒の手間がない。

・場所さえあればいつでもすぐにあげられること。

・ミルク代がかからない。

準備の手間がない手軽さや経済面をメリットとして挙げてくれたママが多かったです。

・夜中に起きてミルクを作らなくてよい。母乳だと母と子のリズムが揃うようで、寝不足とは無縁でした。

・1歳過ぎると夜間授乳はセルフサービスで、勝手に服をめくって飲んで寝てくれるので親は楽でした。

・泣いたらおっぱいあげればオッケー!


ママにとって夜の授乳が楽だったという声も。また泣いたときや寝かしつけが楽だったという意見もありました。

◆完全母乳のデメリット

一方、完全母乳のデメリットに対する回答で多かったのは

・哺乳瓶を受け付けないので、3時間以上の外出ができなくなった。

・誰にも預けることができない。

・授乳のたびにトイレや食事など自分の生活が思うようにおこなえずに、子どもに拘束されているような気持ちになってしまって苦しい。


というものでした。完母の場合、常にママが対応するしかないため、ママの負担が大きくなります。

・長い時間寝てくれない。3人とも同じだったのですが、母乳あげてる期間は夜あまり寝なくて、2~3時間おきに授乳してました。

寝不足とは無縁と語っていたママがいた一方、逆に熟睡できないと悩みを打ち明けてくれたママもいました。

・乳腺炎になり痛すぎた。

・体質的に食事に気をつかっても詰まるタイプだった。1人目は卒乳するまで詰まって乳腺炎にもなり大変だった。


ママの体への負担が大きいのも完全母乳のデメリットの一つです。

◆混合栄養のメリット

母乳とミルクの両方を利用する混合栄養。経験したママにメリットを聞いた結果がこちらです。

・頑張りすぎずゆったりできること。睡眠が取れること。

・一定の時間、夫に対応を任せることができる。


完全母乳のデメリットである「ママの負担の大きさ」が軽減できるという声が多数でした。臨機応変にどちらかを使い分けているママが多いようです。

◆混合栄養のデメリット

驚いたことに、「混合特有」というほどのデメリットはほとんど挙げられませんでした。唯一挙げるとすれば、

・ミルクを多めにあげて赤ちゃんがお腹いっぱいのとき、母のお乳が張ってきてしまい、痛くなってきて、飲んでほしいけど飲んでくれない……という状態になり、辛かったです。

と、母乳とミルクのバランスをとるのが難しかったという意見がありました。

◆ミルクのメリット

最後にミルク育児を経験したママの声をご紹介します。まずはメリットから。

・よく寝てくれる。

・外での授乳が楽。自分が好きなものを食べてよい。

・誰でも授乳できるので、パパや子どもの祖母にお世話を頼んで休むことができる。


「パパなどママ以外の人が授乳できる」というメリットを挙げたママが多数いました。

・乳腺炎との闘いから解放された。

・自分が好きなものを食べてよい。


完全母乳を目指した結果、体調を崩したり、食事に制限があったりしたママがミルク育児で救われたという経験もありました。

◆ミルクのデメリット

そんなミルクのデメリットとしては、

・ミルク缶を買いに行く手間や金銭的な負担があること、哺乳瓶などを洗う手間があること。

・一式持参で出掛けないと行けなくて荷物が増えた。

・泣いていてもあやすしかない。どうして泣いているのか、どうしたら泣き止むのか、常に悩み続ける。泣き声でご近所さんの目が気になる。


という声がありました。経済面、準備の手間がないなど、完全母乳で語られたメリットがそのままミルクではデメリットとして挙げられています。

ミルク育児のデメリットとして挙げられた「外出時の荷物が増える」という点については、液体ミルクが救世主になるかもしれません。また「哺乳瓶を洗う手間」に関しても、液体ミルクの缶に乳首とアタッチメントをつけるだけのものがあるそう。災害時の備蓄品としてもぜひ注目したいですね。

赤ちゃんとママにとっていちばん幸せな授乳方法を選ぼう

冒頭でも述べたとおり、授乳方法は必ずしも思い通りにはなりません。母乳の出、服薬など体調面での事情、仕事や介護などの時間的な事情といったママ側の要素もあれば、哺乳瓶拒否や低体重、アレルギーなど赤ちゃん側の要素も絡んできます。ママと赤ちゃんが100組いれば、100通りの事情があり、100通りの授乳があるのではないでしょうか。

今回の調査を通じて切実に感じたのは、ママが納得している授乳方法がいちばん、赤ちゃんにとってもママにとっても幸せだということ。

アンケートでは「1人目のとき、完全母乳にしたいという想いが強くて、母乳の出が悪かった自分自身を苦しめた」という声や「町中で『母乳でちゃんと育ててるの?!』と聞くおせっかいな女の人から説教を受けた」という声がありました。母乳神話にとらわれたり、外部の心ない声に惑わされたりして悩むママがいなくなることを祈っています。

コクリコラボ

コクリコとAnyMaMa LIFESTYLE.Labが協働で、子育て課題解決×読書文化を目指すプロジェクト「コクリコラボ」。 ママの社会復帰を支援するサービス「AnyMaMa(エニママ)」で活躍するママたちのリアルな声を集めながら、新たなサービスや取り組み、ライフスタイルのアイデアを生み出していきます。 (Any MaMaについてはこちら:anymama.jp Twitter: @AnyMaMaJP )​

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