子どもの医療用ウィッグ「31cmの長さ」「30~50人分の寄付」が必要! 「脱毛症」「小児がん治療」…髪を失った子どもへの「ヘアドネーション」とは?

寄付された髪からウィッグを作る「ヘアドネーション」 ~前編~

ウィッグが子どもたちの可能性を広げるきっかけに

──子どもたちにとって、ウィッグはどんな意味を持つのでしょうか?

渡辺さん:ウィッグですべての問題が解決できるわけではありません。それでも、身につけることで気持ちが少しでも前向きになるのであれば、それは子どもたちにとって大きな意味があると信じています。

例えば、ウィッグを付けることで人目を気にせず外出できるようになったり、前向きな気持ちになったり、おしゃれを楽しめるようになったり。ウィッグは、子どもたちの可能性を広げる“きっかけ”になるんです。

これまでウィッグを受け取った子どもたちは、こんなふうに話してくれます。

「ウィッグのおかげで気軽に外出できるようになった」
「周囲の目が気にならなくなった」

イラスト/古屋あきさ
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渡辺さん:保護者の方からも、こんな言葉をいただきました。

「ウィッグを手にしてから、娘は好きな色の服を着て、かわいいバッグや小物を選ぶようになりました。ウィッグがきっかけで、これまで表に出せなかった部分を表現したり、新しい自分を見つけたりできたのなら、母親としてとても嬉しいです」

他にも、抜毛症で自分の毛を抜いてしまう症状のあった子が、「ウィッグが届いてからは、その症状が少しずつ減ってきた」といった話もありました。

それだけ、髪の毛の悩みが子どもの心に大きな影響を与えます。私たちは、髪の悩みだけで子どもたちの無限の可能性が閉ざされてしまわないように。

そんな思いで活動を続けています。

ヘアドネーションの条件は「31cm以上の長さがあること」だけ

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