『二月の勝者』も宣言! 「女優力」で子どもの“できない”を激変させる方法

息子2人を第1志望校に合格させたシングルマザー・藤田敦子の親子円満&スーパーポジティブ子育て#2

著者:藤田 敦子

著者・藤田さんの長男・がいとくん(左)と次男・けんごくん(右)が年少の頃、ペットボトルの底にキリで穴をあけ、じょうろ作り。幼児期は工作などをいっぱいして、『アイデア脳』を養うことを意識したそうです。
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2人の息子を最難関の私立洛星中学(京都市北区)と、京都府立医科大学医学部医学科(京都市上京区)に現役合格させたシングルマザーの藤田敦子さん。

受験合格だけでなく、家族が仲良く、笑顔で受験を乗り越えることを目指して、スーパーポジティブに、子ども自らが勉強を好きになる子育てをしてきたそうです。

その経験をいかし、現在は、子育てに悩むママたちへ向けてSNSのほか、セミナーやパーソナルレッスンを開催。

子育てのノウハウをまとめた著書『母親が変わればうまくいく 第一志望校に合格させた母親がやっている子育て39』(10月20日 講談社刊)を上梓しました

39もの子育てメソッドがある中で、強く掲げているのが、お母さんの「女優力」を磨くこと(パパは「俳優力」と置き換えてみましょう)。

偶然にも今、話題のドラマ『二月の勝者』(日本テレビ系)の漫画原作の中にも、主人公の塾講師・黒木蔵人が親に『「女優」になってください』(引用:10巻81話より)とお願いする同じセリフがあります。

親の「女優力」とはどういったものなのでしょうか。そのやり方を藤田さんの最新刊から再構成してお教えします。最後に新刊発売を記念したイベントもご紹介します。

積み木で遊ばない子も着替えない子も女優力で対応

長い子育ての間で、子どもを伸ばすとても効果的な方法が、お母さんが「女優」になることなのです。まず積み木遊びの例からお話ししますね。あるお母さんからこんな悩みを伺いました。

「積み木を投げてばかりで、いくら言ってもちゃんと遊びません」「積み木に興味すら持ってくれません」

お母さんにとって積み木はつんで遊ぶのが当たり前ですが、子どもはそれすら知らないところから始まります。

ボールは投げたらほめられるのに積み木は投げたら怒られる、この違いがわからないこともありますし、たまたま積み木を投げたらお母さんのリアクションがおもしろかったから何度も投げるということもあるでしょう。

こんなときは怒らずに、まずお母さんが率先して積み木をつんで、楽しそうに遊ぶ様子を子どもに見せてください。

「見てー。上手につめて楽しいわ〜」と言いつつ、次に子どもの手に積み木を持たせて、その手にお母さんの手をそえて、あたかもお子さんがひとりで積み木をつめたかのようにやってみせます。ここの後押しに重要なのが『女優力』です。

「すごーい! 上手につめたねえ、天才だね〜!」

とおおげさに言い、拍手もしましょう。もちろんお母さんが手をそえたからできたのだし、実際はお母さんがつんでいるのですが、そこは女優になりきって思いっきり演じてほめてください。こうして子どもは、

「積み木ってつむものなの? そしてつんだらこんなにお母さんが喜んでくれるんだ!」
と、初めて楽しみ方がわかるのです。

何度も一緒につんでは、まるでひとりでできたかのように、『女優力』でおおげさにほめ、拍手もする。するとそのうちひとりでやろうとして、「できない」という現実にぶち当たります。

そうしたらまたそっと手を差し伸べ、「ほら、できてるよ」と言ってあげる。この繰り返しでできるようになります。

子どもにとってはお母さんからほめてもらえること、お母さんが喜んでくれることがすべての原動力になっています。少しでも早く覚えさせたいなら、お母さんの『女優力』をみがくのが一番です。

それでも積み木を投げることもあるでしょうが、そんなときは「投げるものじゃないよ」とだけ伝えてスルー。怒らない母親を演じきりましょう。積み木を投げて怒られると、「積み木をするとお母さんが怒る」とインプットされ、積み木で遊ばなくなるケースも多いのです。

子どもはお母さんの過剰反応がおもしろいから繰り返すだけ。注目されたいがための行動ですから、無視ほど怖いものはないのです。何度かスルーすれば、投げないようになるでしょう。子どもがどんな目的で行動しているのか、原因を考えつつ行動や発言に移すと親子の絆はもっと深まります。

積み木ができるようになると、何度も何度も「見て〜」と、どや顔で見せにきます。「また同じことを」と言わず、何回も何回もほめてあげてくださいね。次はこの『女優力』を、いろいろ応用してみましょう。

例えば、「洋服着たくない!」と駄々をこねる子どもに、頭だけTシャツをかぶせて、「さて、○○ちゃんは今から右手を出します。あっ、右手が出ました! 次は左手も出るでしょうか? すっ、すごいです、上手に左手も出てきそうだー!」と、お母さんが実況中継。

そっと着替えを手伝いつつも、最後はすべて自分で着替えたかのように、「上手にお着替えができました〜。えらかったね」と拍手までしてあげてください。

「ごはん食べたくない」と言う子には、「じゃあ、お母さんが飛行機になって食べさせてあげる」と、スプーンにごはんをのせて「飛行機さんが行きますよー。ぶ〜!ん。はーい、お口を開けてください。ぱくっ。すごい、食べました〜。次はハンバーグさんだーっ」と楽しく食べさせてみましょう。

ジャンプだってそうです。「ジャンプできた。見て~」という子どもが、たとえ少ししかとべていなかったとしても、「すごーい。めっちゃとべてるね!」と、おおげさにリアクションしてあげましょう。

そうすると得意になって繰り返し、そのうち本当に大きなジャンプができるようになります。もし子どもが「あまりとべないの」と自信なさげに言ってきても、「とってもキレイにとべててかっこいいよ」、と『女優力』で絶賛してくださいね。

女優力は親のイライラを減らし、親子の笑顔を増やします。さらに子どもの次のやる気につながることもわかっていただけたでしょうか。

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