子どもに災いする親の有能さ…最強塾講師が「親は人間臭いヒーローたれ」と断言
余白のある親でOK!【自分で考えて行動できる子になる子育て #3】
2024.02.02
「名前」は「使命」。入塾時に行っている「名前ワーク」で気づくこと
須合先生の塾・STUDY HOUSEでは入塾する際に必ず子どもに聞いていることがあります。
「いい名前だねといって、『君の名前にお母さんとお父さんが込めた思いや願いが何か教えてくれる?』と、親御さんの前で子どもに質問しています。
返答を聞いたら、たとえそれが小学校2年生であっても『名前に込められた生き方を君はできているかな?』、『家に帰ったらテレビを見たり、服を脱ぎっぱなしにしたり……それってお母さん・お父さんは望んでいたことなのかな?』などと話します。
『名前』は『使命』です。
子どもであったとしても親御さんが込めた名前の意味を知り、今の自分を見つめることで何かしらの気づきがあります。また、親御さんのほうも子どもがどう受け止めているか知ることができるでしょう。
家庭では、『○○ちゃん(くん)の名前に、お母さん・お父さんが込めた思いや願いって知ってるかな?』と名前ワークをフックに親子の会話を広げて、深めてみてください。それぞれの強みや弱み、やりたいこと、やりたくないことなど、意外なこともわかるはずです」(須合先生)
名前ワークは、親子のいい関係性をもたらすと同時に、ありのままの自分を共有する場にもなります。自分を積極的に表現することは、人と交流するときの原点です。
親が目指すのは人間臭いヒーロー
「前述しているとおり、親はもっと人間臭くてといいと私は思います。ですから、親御さんが仕事で疲れていたり、難しい局面を迎えていたりしたら、『きつい』『しんどい』といってありのままの姿を見せてあげてください。
須合家の話をすると、我が家は寝る部屋、勉強する部屋、くつろぐ部屋を家族で共有していて、家族5人で一緒の寝室に寝ています。私が仕事している部屋と子どもたち3人が勉強する部屋も一緒です。
もし私がオンラインで仕事相手と会話をしていたのなら、子どもたちはその会話や表情を見聞きできます。つまり、ありのままの私を見てもらっているのに加えて、大人の会話の見本を示しています」(須合先生)
部屋を共有するメリットは、親子間の対話を深める機会が多くなるだけでなく、目配り、気配り、心配りの作法を学ぶきっかけになるそう。
これを学ぶことで、より他者を気遣える交流を果たすことができるようになり、人のために動いていこうとする自発的な姿勢が育っていきます。
次回は、「自分で考えて、行動できる習慣」の子育て法を学習習慣に反映していくコツを紹介します。
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◆須合 啓(すごう けい)
学習塾STUDY HOUSE代表。
20歳から塾講師をスタートさせ、その後は埼玉県の公立高校に12年間勤務する。高校教師時代は、12年間連続簿記検定全員合格と、偏差値30台の高校から難関大学進学へのサポートを行うとともに、野球部の監督として市内大会優勝なども導く。2015年、地元の秋田県に学習塾を開校。教員としてのキャリアは25年以上。中学受験では3年連続合格率100%、高校・大学受験でも県内トップや難関大学合格へ導く。塾では親御さんと密にコミュニケーションをとりながら、勉強だけでなく生活面のアドバイスも行い、子どもの自律性を引き出す指導を行っている。著書に『自分で考えて動ける子の育て方(明日香出版社)』がある。
取材・文/梶原知恵
『自分で考えて行動できる子になる子育て』の連載は、全4回。
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※公開日までリンク無効
梶原 知恵
大学で児童文学を学ぶ。出版・広告・WEB制作の総合編集プロダクション、金融経済メディア、外資系IT企業のパートナー会社勤務を経て現在に。そのなかで書籍、雑誌、企業誌、フリーペーパー、Webコンテンツといった、さまざまな媒体を経験する。 現在は育児・教育からエンタメ、医療、料理、冠婚葬祭、金融、ITシステム情報まで、各媒体の企画・編集・執筆をワンストップで手がけている。趣味は観劇。特技は長唄。着付け師でもある。
大学で児童文学を学ぶ。出版・広告・WEB制作の総合編集プロダクション、金融経済メディア、外資系IT企業のパートナー会社勤務を経て現在に。そのなかで書籍、雑誌、企業誌、フリーペーパー、Webコンテンツといった、さまざまな媒体を経験する。 現在は育児・教育からエンタメ、医療、料理、冠婚葬祭、金融、ITシステム情報まで、各媒体の企画・編集・執筆をワンストップで手がけている。趣味は観劇。特技は長唄。着付け師でもある。