偏差値35の高3春〜二浪 現役東大生・「ドラゴン桜2」監修者が伝授する「スマホ学習術」
子育て中の家庭が知っておきたい「スマホ利用のリスクとメリット」 #3 ~現役東大生・西岡壱誠さんに聞く、スマホ学習法のメリット~
2024.12.14
カルペ・ディエム代表:西岡 壱誠
目的意識があればスマホは関係ない
西岡さん:僕の場合は、“東大合格”という明確な目標があったのがよかったのかもしれません。それでも一度ゲームなどをし始めるとあっという間に時間が経ってしまうことがわかっていたので、アプリごとに時間制限をかけ、息抜きとしての利用は1時間程度に留めていました。
教えている子どもたちを見ていても、「次の模試で良い点を取りたい」とか「数学の成績を上げたい」とか目的意識のある子は、自分にあったやり方で上手に使えている印象です。
勉強中、スマホが手元にあることで一番マイナスなのは、SNSの通知です。「見ようかな」「勉強を続けようかな」と迷う時点で集中力が遮断されてしまいます。勉強中は通知をオフにしたり、通知が鳴っても絶対に見ない、という強い意志を持てるかは、目的意識によると思いますね。
好奇心を刺激するきっかけに
──目的意識がない子や勉強をやる気がない子にとっては、スマホはやはり「敵」なのでしょうか?
西岡さん:必ずしもそうとは言えません。僕は、やる気がない子や勉強が苦手な子にも、よく算数や数学のアプリを薦めています。というのも、九九アプリとか因数分解アプリなど、種類が豊富。勉強は嫌だけど、アプリならやるという子がけっこういるんです。こういった子は、楽しんでやっているうちに苦手を克服できるのでおすすめです。
中にはハマって6桁の因数分解とか、普通じゃ考えられないレベルの高度な計算までできるようになる子もいます。かといって、数学の成績がすごく伸びるかというと、そうでもないんですけどね(笑)。
一般的に学習は「これができたら、次のこれができるようになる」と積み木を積んでいくイメージなのですが、スマホで勉強していると、ときどきそれがバグることがあります。できるわけがないような計算ができてしまったり、すごくマニアックなことを覚えたり。
正攻法ではないけど、これはこれで面白いと僕は思います。あとは、因数分解ひとつとってもさまざまなアプリがあるので、その子に合うアプリを見つけてあげられるといいですよね。
スマホはツールのひとつ
──しかし、勉強と言っても、ずっと子どもがスマホを使っているのは、親としては心配です……。
西岡さん:長時間使うことがどんな影響を与えているかは、子どもの様子を見て判断すべきなのかなと思います。スマホ学習と言いながらも、子どもによってはやりすぎて、バランスを崩しているような子もなかにはいます。
一方で、対面やアナログの学習よりもデジタル学習のほうが相性が良く、ものすごく集中できて爆発的に伸びる子もいるんです。単純に時間で判断するのではなく、その子がどんなふうに勉強に向き合っているのかを見て判断することが大事だと思います。
保護者の方は、「スマホを使うことはあくまで選択肢の一つであり、勉強のツールとして良いものが増えた」ととらえ、お子さんがスマホでのびのび学べて「勉強は窮屈なものじゃない」と思えたらそれでよいのではないでしょうか。
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目標が明確な子も、やる気がない子も、スマホを上手に活用することで学力アップやモチベーションの向上につながることがわかりました。4回目では、西岡さんおすすめのスマホ活用法を伺います。取材・文/北 京子
スマホと学力に関する記事は全4回。
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(※公開日までリンク無効)
北 京子
フリーライター。 藤沢市在住。食の月刊誌の編集者を経て独立。食を中心に、SDGs、防災、農業などに関する取材・執筆を行う。 3児の母。自然の中で遊ぶこと、体を動かすこと、愛犬とたわむれることが好き。
フリーライター。 藤沢市在住。食の月刊誌の編集者を経て独立。食を中心に、SDGs、防災、農業などに関する取材・執筆を行う。 3児の母。自然の中で遊ぶこと、体を動かすこと、愛犬とたわむれることが好き。
西岡 壱誠
現役東大生、株式会社カルペ・ディエム代表。漫画『ドラゴン桜2』、日曜劇場ドラマ『ドラゴン桜』監修。 1996年生まれ、東京都出身。偏差値35から東大を目指すものの、2年連続で不合格に。二浪中に開発した独自の勉強術を駆使して東大合格を果たす。 2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教え、教師に指導法のコンサルティングを行っている。日曜劇場「ドラゴン桜」の監修や漫画『ドラゴン桜2』の編集も担当。 著書はシリーズ45万部となる『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大算数』(いずれも東洋経済新報社)ほか多数。 主な著書に『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』『「伝える力」と「地頭力」がいっきに高まる 東大作文』『「考える技術」と「地頭力」がいっきに身につく 東大思考』(共に東洋経済新報社)、『「思考が整う 東大ノート。』(ダイヤモンド社)、『読んだら勉強したくなる東大生の学び方』(笠間書院)、『東大式スマホ勉強術 いつでもどこでも効率的に学習する新時代の独学法』(文藝春秋)など多数。 株式会社カルペ・ディエム https://carpe-di-em.jp カルペ・デュエム公式チャンネル https://www.youtube.com/@carpe-di-em/videos
現役東大生、株式会社カルペ・ディエム代表。漫画『ドラゴン桜2』、日曜劇場ドラマ『ドラゴン桜』監修。 1996年生まれ、東京都出身。偏差値35から東大を目指すものの、2年連続で不合格に。二浪中に開発した独自の勉強術を駆使して東大合格を果たす。 2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教え、教師に指導法のコンサルティングを行っている。日曜劇場「ドラゴン桜」の監修や漫画『ドラゴン桜2』の編集も担当。 著書はシリーズ45万部となる『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大算数』(いずれも東洋経済新報社)ほか多数。 主な著書に『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』『「伝える力」と「地頭力」がいっきに高まる 東大作文』『「考える技術」と「地頭力」がいっきに身につく 東大思考』(共に東洋経済新報社)、『「思考が整う 東大ノート。』(ダイヤモンド社)、『読んだら勉強したくなる東大生の学び方』(笠間書院)、『東大式スマホ勉強術 いつでもどこでも効率的に学習する新時代の独学法』(文藝春秋)など多数。 株式会社カルペ・ディエム https://carpe-di-em.jp カルペ・デュエム公式チャンネル https://www.youtube.com/@carpe-di-em/videos