
子どもの【のど・鼻の病気】「鼻をホジホジ」「大人並みのいびき」 勉強にも影響するのどや鼻の病気とは?【耳鼻咽喉科専門医が解説】
癖からわかる 子どもの耳・鼻・のどの病気 #3
2025.06.29
【こんな鼻の症状に注意 ①】鼻をほじるのをやめない場合に考えられる病気
鼻をよくほじる、鼻をよくこするといった仕草は、鼻がかゆいから見られる動作です。これらは主にアレルギー性鼻炎の仕草といえるでしょう。
呼吸器である鼻に異常があると、スムーズに息ができないため、集中力が低下して勉強にも大きな影響を与えます。また、鼻をいじると鼻血も出やすくなります。
「鼻をいじっちゃダメ!」と頭ごなしに𠮟るよりも、子どもの様子を観察して、耳鼻咽喉科を受診してください。
鼻をよくほじる以外に見られる、子どもの様子
鼻をよくこする、頻繁に鼻血を出す、口で息をしている、鼻の下を引き伸ばす、顔を歪める(顔面の異常行動)など。
疑われる主な病気
アレルギー性鼻炎
対処法
アレルギー性鼻炎の鼻水は、サラサラです。対処法は、鼻腔に鼻汁が溜まっているので、ティッシュでかんで拭き取ることですが、アレルギー疾患を悪化させないようにペットの毛やホコリなどが飛び散らない住環境にも気をつけましょう。
鼻づまりがひどいときは、長距離走などの運動量が多い体育の授業は見学させたほうが無難です。プールの水も刺激になってアレルギー反応が出やすいので、耳鼻咽喉科で治療を受けつつ、相談してみましょう。
スギ花粉によるアレルギーの対処法
スギ花粉による花粉症の場合は、保険が適用されている舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)を行うのも手です。舌の下に薬を入れて1分ほど経ったら飲み込むという方法で、5歳以上が治療の対象です。
治療のスタートは、夏休みがおすすめ。最初は定期的に通院しなければならないのと、次からの花粉シーズンのために行うので、子どもなら夏休みのタイミングがいいでしょう。
今のアレルギーテストは痛くない
アレルギーテストは、指先からとる1滴の血で検査することが可能です。
1滴の血から8つのアレルゲンが測定できるなど複数の結果がわかるので、アレルギーテストを受けたい場合は耳鼻咽喉科で相談するといいでしょう。
【こんな鼻の症状に注意 ②】いつも口が開いている場合に考えられる病気
口がいつも開いているということは、鼻で息ができないことが考えられます。これに加えて、ネバネバした鼻水が出ている場合は、副鼻腔炎を疑っていいでしょう。
口がいつも開いている以外に見られる、子どもの様子
口で息をしている、鼻水が止まらない、ネバネバの鼻水が出る、くしゃみを連発する、においを感じていないなど。
疑われる主な病気
急性副鼻腔炎や慢性副鼻腔炎
対処法
副鼻腔炎は、風邪やインフルエンザをきっかけとして、鼻にウイルスや細菌感染が生じると起こります。
鼻の症状が出始めて4週間以内のものを急性副鼻腔炎、その状態が長引く場合を慢性副鼻腔炎といいますが、いずれの場合も耳鼻咽喉科を受診しましょう。
急性副鼻腔炎は、発症のきっかけが風邪からのことが多いため、発熱や体がだるいなどの全身症状が見られます。熱があるときは、学校は休みましょう。また、熱が下がって通学できても、ネバネバの鼻水が出ている場合はプールは見学にしてください。
慢性副鼻腔炎も、鼻水が出ていたり、鼻づまりがひどい場合は、体育やプールは見学したほうが無難です。対処法はティッシュでかんで拭き取ることが第一の方法ですが、頭痛や湿性のせきが出ている場合は、耳鼻咽喉科で定期的に治療を受けましょう。