今日からできる! 赤ちゃんが笑って喜ぶ「わらべ歌」のすごい力【動画あり】

子どもの本のプロがおすすめ! わらべ歌を子どもと楽しむ絵本ベスト3【さちこ&くみこの空想書店#02】

JPIC読書アドバイザー:市川 久美子

さちこ&くみこは、大のなかよし。子どもと、子どもの本が大好きです。
こんな本屋さんがあったらいいなと二人で話しているうちに、できてしまいました--それが、「さちこ&くみこの空想書店」!

・空想だから、いまは買えなくなってしまった本もときどき登場します。(図書館や古本やさん、おじいちゃん、おばあちゃんの家でさがしてみてね)

・空想だから、二人のほんとうのお気に入りだけを置いてあります。


・空想だから、いつでもオープンしています。
 
今回は、元ベテラン書店員くみこさんが、じつは、子育て中の方にみなさんにいちばんおすすめしたいという「わらべ歌」の本をご紹介します。
わらべうた、いくつ知ってますか?(イメージ写真/photoAC)
すべての画像を見る(全7枚)

「わらべ歌は、子育て応援歌なんです」(くみこ)

くみこ「わらべ歌って、知っていますか?」

――♪いっぽんばーし、こーちょこちょ みたいなやつでしょうか。

くみこ「そう、そう(笑) 童謡は、大人が子どものために作った歌ですが、わらべ歌は、子どもたちの生活や遊びのなかから自然に生まれて伝わってきたものなんです。

だから短くって、すごく簡単! 知っていると、子育てがとっても楽しくなりますよ」

――たしかに、子どもは、まだ小さい赤ちゃんのころから、歌やリズムが本当に好きですよね。

くみこ「泣いているときに、あやし歌を歌ったり、寝かしつけするときに子守歌を歌ったりするのも、人間の長年の知恵なんだと思います。

おむつを替えるときなども、無言でやらないで、”のび のび のび”とリズムをつけて語りかけながら足をさするだけで、赤ちゃんも楽しそうにしてくれますよ」

――でも、絵本だと、そのリズムがわからないです。

くみこ「CDつきや、音符つきのものが多いんですよ! 動画もあるけれど、基本的な本を1冊手元においておくと、子育てが楽しくなると思います。

では、さっそく、おすすめのわらべ歌の本をご紹介しますね」

くみこさんおすすめの「わらべ歌」の本

『おはようからおやすみまでの12のわらべうたえほん』
編:小林衛己子  絵:おおいじゅんこ  ハッピーオウル社
『おやようからおやすみまで12のわらべうたえほん』より
わらべ歌が役立つシーンを具体的に説明してあります。
くみこ「朝、子どもを起こすのにおすすめなのは、
ととけっこう よがあけた まめでっぽう おきてきな”ですね。
リズムがわからない方は、動画を探してみてくださいね。

寝起きの悪いお子さんも、歌って起こしてみたら、案外、笑顔で起きてくるかもしれませんよ。

中・高生になると、『そんなに眠いの?』と思うほど、起きてこないこともあるようですね。
うちの子もね、この歌を歌って起こしたことがあるんです。小さいころに歌っていたわらべ歌で起こされて、照れくさそうに、すぐ起きてきました(笑)」

――おなじみの歌ができると、将来、そんな楽しみもあるんですね!
 

わらべうた「ととけっこう」【茅ヶ崎市立図書館 ポン&ボンTV】

動画を見ると、わかりやすいですね! 『おはようからおやすみまでの12のわらべうたえほん』の絵を描いていらっしゃる、おおいじゅんこさんは、茅ヶ崎市ゆかりの作家さんです。
 
くみこ
「わらべ歌は、伝承なので、地方地方でいろいろなバージョンがあります。

この本に出てくる ”あしあしあひるかかとをねらえ”は、わが家では、”あんよあんよあんよがじょうず ころぶはおへた” と、母は歌っていました。
自分の足の甲の上に子どもの私の足を乗せて、わざと足から落としたりしながら歩いて、洗面所やトイレに連れて行ってもらったことがあります。楽しい思い出です。

わが子もよろこんで、私の足の上に乗っていましたよ」

――そして、就寝前の子守歌ものってるんですね。

くみこ「この本は、わかりやすい解説もあるので、最初の1冊におすすめです」
 

わらべうた「あしあしあひる」【はますくQ&A ©浜松市】

こんなふうに手を持ってあげましょう。
『あかちゃんとわらべうたであそびましょ!』

著:さいとうしのぶ  のら書店
 
――さいとうしのぶさんの絵がとってもかわいいですね。

くみこ「赤ちゃんから幼児まで使えるわらべうたがのっています。子どもの表情から楽しさも伝わって、幸せ気分になれる絵本です。

なつかしい歌がいっぱいじゃないかしら」
 
『「わらべうた」で子育て 入門編』

著:阿部ヤヱ 絵:平野恵理子 福音館書店
 
――この本はCDつきなんですね。

くみこ「わらべ歌にはどんな思いが込められているのかも書いてあるので、とっても納得できる本です。きっと子育て中のみなさんの支えになってくれる1冊だと思います。

『あ~、このわらべ歌は、お母さんが歌ってくれたことがある』などと思い出される方もいらっしゃるかもしれませんね」

――気をつけてみると、わらべ歌の本ってたくさんあるんですね。

くみこ「わらべ歌で、幼いうちに幸せのリズムを届けて、親子の絆をきづいてくださいね」
――さちこさんから、昔話の覚え方をおしえてください、という質問がありました。

くみこ「昔話の覚え方ですね。
私の場合は、語りを聞いたり、本で読んだりして、好きなお話を覚えています。

できるだけ、口承の語り手の方の語りを聞きます。リズムがあって心地いいからです。

お話を聞いていると私の頭の中に物語が動き出します。それでしっかりとイメージを付け、主人公の動きに任せて語ります。

本がなくてもお話をしてあげられるのはいいですよね。

語りは子どもの顔をずっと見ていられるので、子どもの気持ちも読み取れます。

ちなみに私の一番好きな口承の語り手は藤田浩子さんです。

さちこさんの語りをいつか聞かせてね」
くみこさんおすすめの藤田浩子さんのおはなしの本です。読み聞かせの参考にもなります。
『おはなしおばさん おはなし春夏秋冬』
語り:藤田浩子 読書サポート

さちこさん、教えて!

さちこさんの選ぶ絵本は、かわいくて、いっぱい書き込んだ絵本が多い気がします。どういう絵本が好きですか。

くみこより
 
次回は、絵本コーディネーターのさちこさんのおすすめをご紹介します。
おたのしみに!
◆関連記事◆
この記事の画像をもっと見る(7枚)
いちかわ くみこ

市川 久美子

Kumiko Ichikawa
元・書店員 JPIC読書アドバイザー

1981年地域文庫の立ち上げに携わる。後に家庭文庫も開く。同じ小学校で15年以上読み聞かせ、語り、ブックトークを行い、作家さんなどの授業も15年企画。市立図書館、中学校図書館勤務の後、1999年より大型書店児童書担当として20年勤務。退職後は、児童書関連の執筆、講演を行う。 犬が好きで、現在も愛犬と生活。著書に『ねんねのうた』(佼成出版)がある。               

1981年地域文庫の立ち上げに携わる。後に家庭文庫も開く。同じ小学校で15年以上読み聞かせ、語り、ブックトークを行い、作家さんなどの授業も15年企画。市立図書館、中学校図書館勤務の後、1999年より大型書店児童書担当として20年勤務。退職後は、児童書関連の執筆、講演を行う。 犬が好きで、現在も愛犬と生活。著書に『ねんねのうた』(佼成出版)がある。