パレスチナ人女性画家がガザの思い出を描いた絵本! 日本語版が刊行

『おばあちゃんの白い鳥 ~ガザのものがたり~』が2024年9月12日に発売となりました

マラク・マタールさん。自作の絵とともに
作者マラク・マタールさんは1999年生まれ。パレスチナ・ガザ地区で育ちました。

2014年、51日間にわたるイスラエル軍のガザ侵攻で家に閉じこもることを余儀なくされますが、絵を描くことで恐怖をまぎらわし、将来の希望を見出していった自身の実体験を描いたのが絵本『おばあちゃんの白い鳥』です。
『おばあちゃんの白い鳥 ~ガザのものがたり~』 マラク・マタール/著 さくま ゆみこ/訳
マラクさんは注目の若手アーティストとして精力的に作品を発表していますが、今回の絵本のタッチはそれとは違い、まるで子どもが描いたかのようです。

「私の中の子どもに、生の感情のまま、自由に描いてもらいました」と彼女は語っています。
『おばあちゃんの白い鳥 ~ガザのものがたり~』より。
『おばあちゃんの白い鳥 ~ガザのものがたり~』より。
『おばあちゃんの白い鳥 ~ガザのものがたり~』より。
子どもの頃のマラクさんはまた、アラビア語に翻訳された「キャプテン翼」「名探偵コナン」といったテレビアニメを兄弟たちと楽しんでもいたそうです。

「桜の花や、豊かな建築物……。日本を訪れるのは夢のひとつでした。私の絵本が日本で出版され、日本の読者とつながることは、この上ない喜びです」(マラクさん)

ガザはいま、当時とは比較にならないほどひどい状況です。そこにはかつてのマラクさんのような、ふつうの子どもたちが多く暮らしているということを、あらためて思い起こさせてくれる絵本です。

※本書の売り上げの一部は、特定非営利法人(認定NPO)「パレスチナ子どものキャンペーン」に寄付されます
「パレスチナは、私が初めて絵画に刺激を受けた場所であり、絵を描き始めた場所であり、私の旅を支えてくれた家族のもとで育った場所です。

ガザの暮らしの中で、対立と不平等を目の当たりにしたことで、私は絵と物語を通じて、パレスチナとパレスチナ女性のために行動することを決めたのです」(マラク・マタールさん)
『おばあちゃんの白い鳥 ~ガザのものがたり~』 マラク・マタール/著 さくま ゆみこ/訳
マラクは、パレスチナのガザに暮らす、想像力豊かな女の子です。ある日から、町では大きな爆発が続き、マラクは50日間も家の外に出ることができませんでした。マラクは、いつの間にか、絵を描いていました。

家族や友だち、空飛ぶ鳥……。心の中にあるものを描いていると、気持ちが落ち着くのです。そんなとき、1羽の鳥が窓辺に飛んできました--。

パレスチナ・ガザ地区で生まれ育ち、イスラエル侵攻を体験した女性が、自分をモデルに描いた絵本。