子どもにとって 遊びは「手段」でなく「目的」

子どもは遊びから何を学ぶことができるのでしょうか。「乳幼児期の子どもの遊びは、大人が持つ遊びの概念とは異なる」と西坂先生は前置きします。

「大人は遊びを『勉強や仕事の反対語』として扱いますが、子どもの場合は遊びそのものが学びであり仕事です。だから、遊びの中で必要な知識を得たり、技術を獲得したりします。

遊びは運動不足の解消や学びを身につけるなどの『手段』ではなく、遊びそのものが目的です」(西坂先生)

遊びを通じて何か学びを得られたとしても、それは結果としてついてきたものでしかありません。

「たとえば、お友達や先生に手紙を書くのが好きな子は、手紙を書きたいから文字の読み書きができるようになります。空き箱で新幹線を作りたいと思ったら、図鑑などで新幹線について調べて知識を得たり、紙を切り貼りするためにハサミやのりをうまく使えるようになったりします。

また、友達との遊びを通じて、子どもは新しい刺激を得られます。成長とともに友達と協力して遊んだり、自分の思いを伝えられたりするようにもなりますが、あくまでも結果です。

一人遊びも大切にしてほしいですが、遊びによっては『友達と一緒だと楽しさが増幅する』感覚を子どもに味わってもらいたいですね」(西坂先生)

親として、子どもの遊びをどう見守ればいいのか悩ましいものです。パパとママが持っておくといい軸のようなものはあるのでしょうか。

「持っておくべき軸とは少し違うかもしれませんが、『友達と仲良く遊ばなきゃいけない』と親御さんが思い込んでしまうと苦しくなると思います。子どもの場合、自分の興味を優先し、思い通りにしたくなるのは自然なことです。

友達と仲良くできるに越したことはありませんが、あまり意気込まず、子どもの興味が優先されることがあってもいいのではないでしょうか」(西坂先生)

子どもの友達付き合いについて、親が気をもみすぎたり、干渉しすぎたりする必要はないと言います。どうしても必要なときだけ手助けするなど、パパママが大きな気持ちをもって見守りたいものです。

西坂先生が監修した保育者向けの書籍。子どもの発達ごとの保育のポイントをイラストとともにわかりやすく解説しています。『0〜6歳 わかりやすい 子どもの発達と保育のコツ』(監修・西坂小百合/ナツメ社)

※西坂小百合先生のインタビューは全3回。
第3回は22年3月10日公開予定です。
#3 子どもの人間関係 園でのトラブル&親の対応など対処法を専門家が伝授
#1 0歳〜3歳 「子どもの人間関係」お友達とケンカで親が優先すべきこと

12 件
にしざか さゆり

西坂 小百合

共立女子大学家政学部児童学科教授

共立女子大学家政学部児童学科教授。幼稚園教員免許。専門は、発達心理学、幼児教育学、保育学。幼稚園教員免許、保育士資格、小学校教員免許の...

はた なおこ

畑 菜穂子

ライター

1979年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーに。主にWEBメディアで活動中。子育て、性教育、グルメ、企業の採用案件などの取材・...

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