雨が気持ちいい!『どしゃぶり』読み聞かせのコツ
「本とあそぼう 全国訪問おはなし隊」隊長がお教えします
2021.02.25
読み手 ーーおはなし隊隊長 牧野博美
※この記事は、講談社絵本通信に掲載の記事を再構成したものです。
キャラバンカーに本をたくさん積んで、全国47都道府県におはなしを届ける「本とあそぼう 全国訪問おはなし隊」。
幼稚園や保育所、小学校や図書館、書店など様々な訪問先で、おはなし会を重ねてきたおはなし隊の隊長さんが、子どもたちに人気の絵本の読み聞かせのコツをお教えします!
長年、保育園や幼稚園を巡ってきた作者・藤本ともひこさんによる発声絵本。バナナの「バ」の破裂音に力をこめて読むのがポイントです。
表紙には長~いお鼻が、黄色い大きなバナナになっているゾウさん。それを見ただけで、子どもたちから笑い声が起こります。まずはじっくりと表紙を見せてあげてください。
そうしてからタイトルと作者名を読み上げます。
「バナーナ!」の発声は、日本語の「バナナ」というより、英語の「banana」という発音が近いでしょうか。力を抜いて軽~く、音を楽しむ気持ちで読み始めます。
見返しも黄色いバナナがいっぱい!
こんな凝った演出も絵本の魅力です。きちんと見せてあげて、ワクワクした気持ちを高めてあげます。
扉には大きなバナナが一本。もう一度タイトルのみを読みあげます。
「バナーナ!」
まずは、青いゾウさんのおしり!?
「バナナ どこどこ? ここだよ!」
ここで子どもたちは答えてくれるでしょう。「鼻ー!」と。ページをめくると表紙と同じ、鼻がバナナの青いゾウさん。
「バナーナ!」
ゾウさんが大きな鼻を振りあげるように、元気に読みあげてください。
「バナーナ!」
次はピンクのうさぎさんの後ろ姿。
「バナナ どこどこ? ここだよ!」
ここで子どもたちは、すこし考えます。子どもたちがうさぎの耳のシルエットに気づくように、しっかり見せてあげてください。
ページをめくると、耳がバナナのピンクのウサギさん。ピョンピョンはねる、かわいいウサギさんをイメージしながら。
「バナーナ!」
次は赤いカバさんの後ろ姿。
「バナナ どこどこ? ここだよ!」
子どもたちは想像力をふくらませます。
「鼻ー?」「耳ー?」「どこー?」さまざまな意見が出たところでページをめくります。
大きな口の中、歯が全部パナナに!!
カバさんの大きなあくびをイメージしながら、ゆっくりと
「バナーナ!」
次は、長〜い首がバナナになったキリンさん。
長〜い首を意識して、
「バナーナ!」
ペンギンさんがおしゃべりしているように
「バナーナ!」「バナーナ!」「バナーナ?」
イルカは、それぞれの字の大きさに合わせて、リズミカルに読みます
「バナーナ!」「バナーナ!」「バナーナ!」「バナーナ!」
黄色い窓からのぞくような動物たち
「バナナ どこどこ? ここだよ!」
子どもは想像力を駆使して、さまざまな声をあげてくれます。
巨大なバナナ電車です!
その姿を現すように、スケール感を出して、
「バナーナ!」
ラストはバイバイを言うときのニュアンスで、
「バナーナ!」
そして大量バナナの見返しも楽しんで……。
表と裏表紙は同じゾウさんの姿。
1歳から幼稚園の年長さんくらいまで楽しめる絵本です。
ただ「バナーナ!」と読むだけで、不思議と子どもたちも元気に「バナーナ!」と返してくれます。盛りあがること受け合いのこの絵本。ぜひ子どもたちと一緒に声をあげてくださいね。
さぁ、みんな一緒に「バナーナ!」!!
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