2021.03.09

えがしらみちこ 「はじめました えほんやさん」第11回

※この記事は、講談社絵本通信(2019年6月)掲載の企画を再構成したものです。
 

こんにちは。絵本作家のえがしらみちこです。

長雨が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
家の中で雨粒の音や水の上を走るタイヤの音を聞いているのが好きです。守られている感じがして。
でも、お外に出るときは少し億劫な気持ちになるので、今年は傘を新調してみました。
『あめふりさんぽ』みたいな赤い傘。雨が降るのがなんだか楽しみです。

赤いかさで軽やかな気分に

小学生がインタビューに

先日、近所の小学3年生が、社会の授業の一環で「えほんやさん」にインタビューにきてくれました。

子どもたちが調べたいお店を決めて、取材するというもの

質問が終わった後、「みんなは、絵本って読んでる?」と逆にインタビューしてみると、6人中1人の子だけがご両親に読んでもらっているということでした。

他の子は「もっと文字の多いものを読みなさいと(親から)言われる」とのこと。
赤ちゃん~小学校1年生まではみんな絵本を読んでいたのに、こうやって減っていくのかぁと少し悲しい気分になりました。

声で読んでもらえるという体験は、何歳になっても嬉しいものなので「よみきかせ(絵本)は卒業」なんて考えがなくなればいいのにな、と思います。

絵本を読んでもらうのは心地よい

私自身、小学4年くらいまで寝る前に本を読んでもらっていました。
「文字は読めるのだけど、読んでもらえるのって嬉しいなぁ」と感じていた記憶は今でも覚えています。

どこかへ遊びに行ったり一緒に遊んだりも、もちろん大切ですが「読んでいる人との心の結びつき」が感じられる「よみきかせ」は、毎日少しずつでもできる子どもへの愛情表現だと思います。


中には、20歳をこえてお互い絵本を読みあっているよ。という方もいらっしゃいます。
そんな人たちがもっともっと増えたらな……。

三島と文学

三島駅の南口から出て愛染坂を下っていくと、右手に“楽寿園”や“浅間神社”、左手に“白滝公園”のあるT字路へとたどり着きます。
その“白滝公園”から“三嶋大社”まで続く川沿いの道は“水上通り”といい、「水辺の文学碑」があります。
これらの文学碑は、三島にゆかりのある文学者たちのもの。

三島駅からの地図

詩人であり評論家でもある三島市出身の大岡信(おおおか まこと)の文学碑をスタートに、太宰治や正岡子規、小出正吾、井上靖など合わせて12人の碑が並んでいます。

文学碑が並ぶ“水上通り”

三島と文学作品、また三島と文学者たちとの繋がりは古くからあり、それだけ三島が創作活動に向いていることなのだと思います。

都心が近く、出ようと思えば出られるほどよい距離感。水や緑が多く、ほどよく田舎でほどよく都会。
どっち付かずで推しにくいという意見も聞きますが、そのバランスが創作向きだなぁとしみじみ感じるのです。

これを読んでいる絵本&文学好きのみなさん、ぜひ一度三島に遊びにいらしてくださーい。そしてこの“水上通り”を歩いてみてください。
川のせせらぎに耳を傾け、文学碑に立ち止まってみたり、カモや水面を眺めたり……。
そうして、文学を感じながら歩いてもらえると嬉しいです。
 

えがしらみちこの絵本

お気に入りのワンピースきて、あたらしいおくつをはいて、じゅんびできたよ、いってきまーす。

『はるかぜさんぽ』
作:江頭路子 講談社

お気に入りのかさもって、ながぐつはいて、カッパ着て、じゅんびできたよ、いってきまーす。

『あめふりさんぽ』
作:江頭路子 講談社

おひさまがさんさんと照る、夏のいちにち。あーちゃんがおさんぽで出会ったのは?

『さんさんさんぽ』
作:江頭路子 講談社

秋のつめたい風のなか、おさんぽで出会ったのは、どんぐり、みのむし、まっかなおちば……。『はるかぜさんぽ』につづく、人気シリーズ。

『あきぞらさんぽ』
作:江頭路子 講談社

お気に入りのマフラー巻いて、帽子にてぶくろ、ブーツをはいて、じゅんびできたよ、いってきまーす。

『ゆきみちさんぽ』
作:江頭路子 講談社

「ねえママ、おばけの音が、きこえるの」夜、こうちゃんは、おばけがこわくてねむれません。チクタク、チクタクの音は、なんのおばけ? カタカタ、カタカタの音は、なんのおばけ? 

『ねんねのうた』
作:江頭路子 講談社

えがしら みちこ

Michiko Egashira

1978年、福岡県生まれ。熊本大学教育学部卒業。水彩を使用した透明感のある画風が特徴。絵本に『あめふりさんぽ』『さんさんさんぽ』『ゆき...